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身体障害者補助犬「知る」から始めよう 議連、災害支援で集会

2024.06.07 15:00

福祉新聞より転載

身体障害者補助犬を推進する議員の会(田村憲久会長)は5月21日、災害時の障害者支援をテーマとした院内集会を開いた。

補助犬使用者を災害救助用のヘリコプターに吊り上げる訓練を実施した浜松市消防航空隊の小笠原光峰さんが講演し、「まずは知ることが大事」と話した。

 訓練は2023年6~11月、同市で段階的に実施。「障害者が訓練に参加する機会はほとんどなかった」と話す小笠原さんにとって、訓練を行う契機となったのは18年7月の西日本豪雨災害だ。

 この豪雨では、浸水によって逃げ遅れた盲導犬使用者(広島市)がいたことが判明。当時、同市に勤めていた小笠原さんは、盲導犬使用者についても救助方法の確立が必要と判断した。

 浜松に移ってからは日本補助犬情報センター(横浜市)の協力を得て訓練を検討。訓練に参加する補助犬使用者と対話を重ね、訓練当日も「本人の不安を取り除くようこまめに声を掛けた」と話す。

 補助犬(盲導、介助、聴導犬)は全国で約1000頭と少なく、その使用者は障害者の中でも少数派だ。実際に救助が必要な場面は訪れないかもしれないが、ほかの障害者にも応用できるノウハウがあると小笠原さんはみている。

 同じく講演した日本障害フォーラム(JDF)代表の阿部一彦・東北福祉大名誉教授は、これまでの大規模災害では避難所に行くことをためらい、支援物資や情報を得られず孤立する障害者が多かったことを報告した。

 その上で、「こうした事態を回避するには、障害者が普段から社会とつながりを持ち、自分の困り事を発信するコミュニケーション力を身に付けることが大切だ」と唱えた。

 ヘリコプターでの救助訓練の模様は、日本補助犬情報センターのユーチューブチャンネルで視聴できる。