睡眠の時間と質を下げる寝る前の悪癖3
日中のパフォーマンスをあげるには、できるだけ薬を使わず、睡眠の時間と質を確保したいものです。
ただ、多忙になればなるほど、過労死レベルに働かれている人であればあるほど、年齢が上がれば上がるほど、寝る前の悪癖が目立ち、睡眠が不良になり、メンタル不調が出てくる方が目立ちます。
心療内科の外来でよくみかける、寝る前の悪癖を3つご紹介いたします。
3.特に寝る前のセルフケアをしない悪癖
第一に、疲れたからと環境刺激からセルフケアができなくなることも悪化要因でしょう。
例えば、ご存じの通り、TVや明かりをつけっぱなしにしていても、睡眠が浅くなります。怖いから電気をつけたり、寂しいからラジオをつけたりされる方もおられると思います。
雑音や光などの刺激があると、睡眠は浅くなってしまいます。自然に睡眠ホルモンを夜に身体から出させるためにも、朝は光を浴びて携帯や音楽を流し、夜は刺激を減らす工夫をお願いします。
どうしても音や光がないと怖い方は、照度の低いスタンドランプを購入したり、ASMRなどリラックス効果の高い音を聞くようにしたり、タイマーで光や音が消えるようにするなど工夫をしてみてください。
次に、騒音対策も重要です。
上階の方が深夜にルームランナーで走り出したり、ペット禁の物件で鳥を飼われたようで「クエー!」という叫び声で早朝に起こされ騒音に苦慮したこともあります。騒音に対しては、大家に苦情を伝えてみるか、転居、耳栓も一手かもしれません。
動物を飼われている方では、愛猫が深夜の大運動会、早朝の餌催促、ペットの寝返りをうたせる等、介護による睡眠不良も目立ちます。睡眠薬で深く寝てしまうと動物も飼い主が起きず諦めます。周りに介護支援を依頼したり、機器を工夫できたりするかもしれません。
節約で暑い中、寒い中、高・低湿度を放置されている方もおられます。季節の変わり目は寝苦しいものです。向精神薬など医療費がかかるくらいなら、寝ている時間だけでもエアコンや加湿器や除湿器を利用しましょう。
最後に、外部環境だけでなく外部環境によるダメージでの内的刺激で眠れない人もいるかもしれません。先のことや過去のことを思い出して寝付けなかったり、頭痛や息切れがして眠れなかったりする人もおられるでしょう。
様々な考え事で寝付けないなら、寝る前のヨガ・瞑想・マインドフルネスはお勧めです。方法が分からないようなら、説明いたします。
You tubeなどでも、身体を傷めない範囲で、ストレッチ・セルフマッサージ、入浴時のマッサージ、スキンケアなどは試せるかもしれません。お気に入りの入浴剤・アロマ効果あるシャンプーやボディソープも一日の疲れを癒し、気楽に続けられるご褒美かもしれません。
なお、覚醒の反対が睡眠のため、痛みでも睡眠が浅くなります。
肩がこり頭痛がする場合、痛みも覚醒をもたらします。筋緊張性頭痛は、入浴で改善しレンチンしたあずきで温めるだけでも有効。マッサージでだめなら湿布も処方できます。梅雨時の肩こりにも有効でしょう。
花粉症や喘息だから眠れなくても仕方がないと放置されず、内科を受診して薬でコントロールすることも、睡眠管理には大事です。
そんなセルフケア・リラクゼーション・ご褒美が減っている時に、私達はワーカホリックになっていたり疲れ始めているようです。日頃からご褒美が10個くらいある、余裕のある状況を保って、ストレスが睡眠に悪影響を起こさないようにしましょう。
それでもダメなら、睡眠薬を処方しますので、お問い合わせください。予約料制なので、比較的早く予約がとれるかもしれません。
まだあるのか、と感じられそうですが、ハラスメントを受けられている方も、睡眠が浅くなりがちです。日中でも、長時間、誰かに怒鳴られると睡眠が悪くなるものです。悪夢を見る方もおられるでしょう。
そんな時やイライラ時は、走ってみたり、サウナ・温泉に入ったり、ボクササイズに参加したり、心拍数がイラツキよりも上がるようなスポーツを試してみられてください。まず、ストレス解消をしてみましょう。できるだけ沢山の家族や友人と話して孤立しないで下さい。
それでもダメなら、ぜひ一度ご相談ください。一時的に薬で乗り切ったり、ハラスメント対応を学んだり、転職や診断書で業務軽減や休職など環境を変える支援をいたします。オンラインや夜間・休日も対応しています。安価なサービスではありませんが、便利でしょう。
薬を使う前に、まず自分で試せる様々な工夫があるかもしれません。それでも、お困りの際は、出来る限り早い段階で(1週間に1日眠れないだけでも)お問い合わせください。早く受診して下さると、漢方や依存性のない薬で治療できるので、こちらも助かります。
それでは、皆さま、どうぞご自愛くださいますよう。