「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 藤原宣孝の電撃プロポーズ
「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 藤原宣孝の電撃プロポーズ
毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、勝手に話している。単なる一ファンが、テレビを見て、適当なことを言っているというブログである。
それにしても既に23回ということは物語の半分になってきている。ここにおいても藤原道長(柄本佑さん)とまひろ(吉高由里子さん)をうまく絡めて置きながら、その中で越前国で起きていることと、もう一方で京都で起きていることを二つで書いている。紫式部の一生の中で越前の国に行き、そして父を残して京都に戻って藤原宣孝の妻になり、子供を産むというのは、一つの大きな選択肢ではなかったか。当然い「父の友人」の「妻」になるのであるから、その夫婦関係は短かったということになる。
さて、その前に越前国であった宋の人朱仁聡(浩歌さん)について、ちょっと見てみよう。朱仁聡は、宋の人で、永延元年(987年)から記録に残っている。越前や若狭(共に現在の福井県)に入り、何度か日本に入ってきて交易を行っている。藤原為時(岸谷五朗さん)との間に交流があったことも記録に残っている実在の人物(というか、記録に残っている人物)ということになる。
藤原為時と交流したのは、朱仁聡の二回目の来日の時である。70人も引き連れて若狭国に入ってきた朱の商人一行に対して、朝廷は彼らを越前国に移した。そして国司の交代で藤原為時が入ったという設定だ。この70人の中に周明(松下洸平さん)がいたという設定。この朱一行は日本において朝廷と直接取引をするということを望み、様々なことをしています。若狭国で暴行事件を起こした裁判になり、また朝廷に羊やオウム・ガチョウを貢いだというエピソードも実際に記録に残っている内容である。その他中宮定子(高畑充希さん)に貢いだものが、実は商売であるとして料金が未払いだとして、朝廷相手に訴訟を起こすというようなことまでしている。
基本的にこの世に面倒を起こす人々は、日本では嫌われる。そのようなことから、朝廷との直接取引はできない間に中国に代えることになるのである。それまで約5年日本に滞在したという計算になり、最後は太宰府に移されて、帰国する。大宰府に移されるまで、藤原為時と交流があったということになっているようである。
「光る君へ」電撃ラスト10秒 宣孝ついにド直球プロポーズ!ネット沸く「まひろ鈍感?…四角関係突入」
女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は9日、第23話が放送された。話題のシーンを振り返る。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。
第23話は「雪の舞うころ」。周明(ヂョウミン)(松下洸平)は、朱仁聡(ヂュレンツォン)(浩歌=ハオゴー)は三国若麻呂(安井順平)を殺していないと日本語で主張。まひろ(吉高由里子)と藤原為時(岸谷五朗)は驚く。周明が連れてきた下人が「朱の犯行だと言え」と源光雅(玉置孝匡)に脅されていたと証言。朱は程なく解放され、為時だけに越前来訪の本当の狙いを語り始める。周明もまひろに自分の過去を告白。そして、ある日、藤原宣孝(佐々木蔵之介)がまひろと為時に会いに越前に現れ…という展開。
為時は越前国内巡察のため不在。宣孝はまひろと越前のウニを堪能した。
「会うたびにおまえはわしを驚かせる」「わしには3人の妻と4人の子がおる。これはもう一人前だ。官位も程々上がり、これで人生もどうやら落ち着いたと思っておった。されど、おまえと会うと、違う世界が垣間見える。新たな望みが見える。未来が見える。まだまだ生きていたいと思ってしまう」「(まだまだ生きて私を笑わせてくださいませ)怒らせてであろう」
滞在予定の2日間はあっという間。帰り際、宣孝は「まひろ、あの宋人が好きなのか。あいつと宋の国などに行くなよ」と切り出した。
まひろ「何のことでございますか」
宣孝「前に言うておったではないか。宋の国に行ってみたいと」
まひろ「そんなこともございましたね」
宣孝「都に戻ってこい。わしの妻になれ」
都にいる時から、まひろと夫婦漫才のような会話を繰り広げてきた宣孝だが、ラスト約10秒、ついに電撃求婚。SNS上には「やっとプロポーズ」「いつか来るとは思うたが、今かよ!」「そこで終わるんかい!」「四角関係突入」「為時パパが心配w」「まひろ鈍すぎて、しゃーなしに直プロポーズ」「(越前のまひろとは)滅多に会えないし、(自身は)老い先短いし、イケメン宋人(周明)いるしって考えると、今しかないという攻め時を見極められるのが百戦錬磨なキャラに合っている感じのプロポーズ」などの声が続出。反響を呼んだ。
次回は第24話「忘れえぬ人」(6月16日)が放送される。
6/9(日)スポニチアネックス
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9e2520687b3770c1aa582e42cacf29c573c8241
さて、宋人にあこがれているまひろと、周明が言葉を通して話をするというようなことになっている。何とか朝廷と繋ぎを着けたい朱仁聡は、周明にまひろにつかづくように指示するということになる。
一方朝廷は中宮定子が女性を生み、そのことによって、出家している女性(要するに尼僧ということになるのだが)に天皇が会いに行くということは出来ないので、せめて何かお祝いの品を出すということになってる。当時は、出家した人々は煩悩を捨てるということが必要になってくる。ましてや、定子の場合は、藤原伊周(三浦翔平さん)の長徳の変の事件の影響ということになっているので、ある意味で「罪人の連座」ということで出家した(自ら出家の道を選らんだ)ということになる。そのような事情のある出家の家に天皇が忍んでゆくというのはおかしな話だ。
そう考えれば、実は長徳の変も出家した花山院が、煩悩を捨てきれずに、女性のところに通ったところを藤原伊周兄弟に襲われるということになっているので、出家した人との関係は一条天皇はより一層厳しくなるということになるのであろう。
この定子への貢物が、多分朱仁聡の訴訟の元ということになるのではないか。そのことがあり、まひろは「為時の所にいるよりも宣孝の妻になった方が良いというような判断が働いた」というようになるのであろう。そちらの方の損な役回りは父が全て引き受けるということになるのではないか。そのきっかけが、「わしの妻になれ」である。
この言葉を、まひろは本気にはしていないということになるが、一方でそのような別な事情で身を寄せるような形になるというようなことで設定されるのではないかというように予想をする。まあ、そのへんの予想ははずれても、それにしても唐突というか前回に越前に旅立つ前になんとなくそのような雰囲気になり、かなりの年の差婚をすることになる。ある意味でまひろにとっては、「道長以外はどれも同じ」ということなのかもしれないし、その道長の方も「終わった恋」というようなことで今回の中で言わせている。
わざわざそのようなセリフを着けていることが、そのまま「二人の気持ちは終わっていないということを書いている」という、反語的な演出も面白い。そのようなところが、今回のドラマの面白い所ではないか。