シエナの聖女9-危機一髪!戦争再開を防ぐ
2018.12.13 15:50
カタリナは再びフィレンツェに向かった。しかし一件落着とはならなかったのである、1377年2月、教皇特使がチェゼナで殺りくを働き、その影響でローマで暴動が発生。ビビった教皇グレゴリウス11世はローマを逃げ出して、アナーニへ退いてしまったのだ。
カタリナは、教皇がローマを離れると教会は崩壊すると帰還を要請した、その予言は的中する。しかしカタリナにも危機が迫った。78年3月教皇が逝去、フィレンツェは和平派と戦争派に分かれた。カタリナは和平の希望が出たと、和平派にヴァチカンと和解するよう働きかける。
ところが戦争継続派はそれが気にくわない。機先を制してカタリナを暗殺し、一気に騒乱を起こしてしまおうとして蜂起した。カタリナは仲間と小さな家に住んでいたが、暴徒達は「火あぶりにしろ!」と押しよせた。カタリナ絶対絶命のピンチ。しかし死を恐れて聖女はやってられない。
彼女は自分を殺そうとしてきた者の前に歩み出て「私がカタリナでございます、私を殺して他の人はご勘弁ください」と首を出した。こうすると暴徒も弱い者だ、彼らは我先にと逃げ出し、カタリナは殉教できなかったことを神に嘆いた。しかしカタリナはフィレンツェの戦争再開を防いだのである。
下はカタリナ危機一髪