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羊毛フェルト研究室 WoolFelt Lab

現代手芸考2

2024.06.12 00:27

まだ読み続けている「現代手芸考」フィルムアート社 著:山崎明子 上羽陽子

なかなか進まなくてようやく最後のコラム。

ここまで読んできて

私に「手芸とは」をもう一度大きな問いかけをする本となった。


被災地における手芸の役割は素晴らしいものがあり、女性たちの心の傷を癒す大切な存在だったことが具体的に分かった。

ここで私が思ったのは

被災地の方々はもちろんの事

実はあの黒い津波が飲み込んでいく映像や、その他あの震災関連の画像を見たり、聞いたりした直接的に関わっていない人たちも大きく傷ついているという事。


両親の喧嘩を見ていた子供も心的ストレスを

感じ、大きい心の炎症として残るという事が心理学ではいわれているそう。

確かに。

「見ているだけだったからの私は大丈夫」は違うのかもしれない。


1/1の能登地震の際も私は心揺さぶられた。

何かしなければ。。。と。

でも何をどうすれば良いのか見当もつかず、ただみているだけで尚更揺さぶられる感覚があった。

しかしながらこの本を読んで前出ししたことも踏まえると、私ができることは直接関わっていない方達の羊毛フェルトなどを使ったケアなのかもしれないと思ったら気持ちが落ち着いた気がする。


この本の最後の方には

手芸で自立して稼ぐことの難しさや、仮設住宅から自立した生活になった際のその手芸グループからの離脱率の高さなどが書いてあったが、その奥、その奥の心の中でそこに参加した方達は何がどう変わって、どうしていく事が自分の道なのかが分かって離脱したのか、それとも物質的な事なのか、ただ単に面倒になったのかその辺を今一度聞いてみたいな。。。と。


多分、人間はズルズルたくさんの炎症を引きずって生きていく。その炎症は、認知能力の低下や学習性無力などを引き起こし鬱となって現れたりして認知能力を下げる。(ナラティブです)

そに炎症は

この震災だったり、誰からか言われたひと言だったり、両親の喧嘩やいじめだったりして、頭に靄がかかってるような感覚。

見ているものが鮮明に見えない状況になり、イライラしたり気持ちが乱高下してまるで何かに自分の世界を操られているような感覚になる。

そこを

ひとつずつ気付いていく事が出来たら、本来の自分で生きられる。

乱高下しない凪の世界がある。

そうすると

自分は何をすれば良いのかが不思議と見えてくるから不思議で楽ちん。

生きるのが嫌ではなく、むしろ楽しくなってくる。

ようやくここにきた。