宗教とマルクス主義 <追記>
下記の記事の「中国共産党員の場合、規則の「党章」には、「党員は共産革命に全てをささげるため、その他の宗教を信仰してはいけない」とあるのだ。」という記述を見て、「「その他の宗教」とあるけど、まさか中国共産党は、共産主義が宗教であることを認めているのか?」と驚いた。
念のため、中国共産党憲法とも呼ばれる「中国共産党章程」(略して「党章程」)を確認したところ、「党員は共産革命に全てをささげるため、その他の宗教を信仰してはいけない」という条文はなかった。
これだからネットの記事は信用ならない。
マルクス主義は、唯物論に立脚している。
唯物論とは、materialismの訳語で、「精神の実在を否定して、物質の根源性、独自性のみを主張する哲学の理論、または立場。宇宙の本質は物質であり、物質とは別物の霊魂・精神などは実在せず、意識は高度に組織された物質である脳髄の所産であり、認識は客観的実在である脳髄による反映であるとする説。唯心論(観念論)に対していう。」(『精選版 日本国語大辞典』小学館)。
そして、マルクス主義の唯物論は、dialectical materialism弁証法的唯物論と呼ばれている。「運動する物質をその全理論の出発点とし、物質の運動法則、運動形態は弁証法的であるとする説。思惟の弁証法もこの物質の弁証法的運動の反映であるとされる。創始者であるマルクス、エンゲルスはともにヘーゲル左派に属し、フォイエルバッハの唯物論とヘーゲルの弁証法哲学から思想形成を行なったが、彼らは前者の唯物論が機械的であり、後者の弁証法が観念論的であると批判し、弁証法を唯物論的に、唯物論を弁証法的につくり直した。」(『ブリタニカ国際大百科事典』)
なんだか小難しいが、要するに、弁証法的唯物論によれば、この世界が誕生する際に、まず運動する物質が生まれ、矛盾が統合されてより高次なものへと発展するとして、自然、社会、歴史など世のあらゆる事象をこれで説明できるのだという。そして、生産のあり方に合わせて政治の仕組みも変わっていくのであって、資本主義がその矛盾からプロレタリア革命により社会主義を経て共産主義に移行するのは歴史的必然だという。
これに対して、マックス・ヴェーバーは、「世界がどうあるか」という事実については真理があり、科学の対象となるが、「世界がどうあるべきか」は価値判断の問題であって、価値には真理がないので、科学の対象たりえないとした上で、弁証法的唯物論は、存在と価値を混同するものであって、科学ではないと批判している。
話を戻すと、マルクスの弁証法的唯物論を踏まえて、中国共産党は、宗教について、次のよう説明している。私は簡体文が読めないので、Google翻訳を載せておく。
马克思主义的世界观是辩证唯物主义,而宗教的世界观属于唯心主义范畴,两者的分野是根本性的,无法调和与兼容。共产党员绝对不能信仰宗教,这是由马克思主义的世界观决定的。
同时,共产党员不能信仰宗教也是党的纪律要求。1940年,毛泽东在《新民主主义论》中指出,“共产党员可以和某些唯心论者甚至宗教徒建立在政治行动上的反帝反封建的统一战线,但是决不能赞同他们的唯心论或宗教教义。”
マルクス主義の世界観は弁証法的唯物論であるのに対し、宗教の世界観は観念論の範疇に属し、両者の違いは根本的なものであり、和解したり両立したりすることはできない。共産党員は宗教を信じてはならない。これはマルクス主義の世界観によって決定される。
同時に、共産党員が宗教を信じてはならないことは党規律上の要求でもある。 1940年、毛沢東は『新民主主義』の中で、「共産主義者は一部の理想主義者や宗教信者とさえも政治活動において反帝国主義・反封建的統一戦線を樹立することができるが、彼らの理想主義や宗教的思想に同意してはならない」と指摘した。
また、つぎのようにも説明されている。同様にGoogle翻訳を載せておく。
现实生活中,少数党员会不经意讨论党员能不能信教的问题。在这里,给出明确答案,共产党员绝不能信仰宗教。
在全国宗教工作会议上,习近平总书记明确指出:“共产党员要做坚定的马克思主义无神论者,严守党章规定,坚定理想信念,牢记党的宗旨,绝不能在宗教中寻找自己的价值和信念。”
公民有信仰宗教的自由,但是共产党员不能信仰宗教,不能参加宗教活动,这是由党的性质和共产党人的世界观决定的。共产党员绝不能把自己混同于党外群众,必须在思想上、政治上和行动上自觉按照党章标准严格规范自己,按照马克思主义理论全面塑造自己。
马克思指出,“共产主义是径直从无神论开始的”。作为一名共产党员,只有树立唯物主义世界观,用马克思主义世界观认识世界、改造世界,解释社会现象和自然现象,才能做一个彻底的无神论者。
共产党员不能信仰宗教,不能参加宗教活动,也是党的纪律要求。2002年,《中共中央、国务院关于加强宗教工作的决定》指出:“共产党员不得信仰宗教,要教育党员、干部坚定共产主义信念,防止宗教的侵蚀。对笃信宗教丧失党员条件、利用职权助长宗教狂热的要严肃处理。”党员信仰宗教和参加宗教活动,不仅事关党员个人的信仰问题,而且事关我们党的政治纪律和政治规矩。
実生活では、少数の党員が、党員が宗教を信じていいのかどうかについてうっかり議論してしまうことがあります。ここでの明確な答えは、共産主義者は宗教を信じてはならないということだ。
全国宗教活動会議で、習近平総書記は明確に次のように述べた。「共産党員は断固としたマルクス主義的無神論者でなければならず、党規約の規定を厳格に遵守し、自らの理想と信念を強化し、党の目的を心に留め、次のようなことをしてはならない」宗教に対する自分の価値観と信念を追求します。」
国民には宗教を信じる自由がありますが、共産党員は宗教を信じたり、宗教活動に参加したりすることはできません。これは党の性質と共産主義者の世界観によって決まります。共産党員は党外の大衆と混同してはならない。党規約の基準に従って思想的、政治的、行動的に自らを厳しく規制し、マルクス主義の理論に従って総合的に自己を形成しなければならない。
マルクスは「共産主義は無神論から直接始まる」と指摘した。共産党員として、唯物論的世界観を確立し、マルクス主義的世界観を使って世界を理解し、変革し、社会現象や自然現象を説明することによってのみ、完全な無神論者になれるのです。
共産党員は宗教を信じたり、宗教活動に参加したりすることはできませんが、これは党の規律要件でもあります。 2002 年の「宗教活動の強化に関する中国共産党中央委員会と国務院の決定」には、「共産党員は宗教を信仰することが許されない。党員と幹部は共産主義を強化するために教育されなければならない」と述べられている。宗教を信じる者は党員の資格を失い、宗教を宣伝するためにその権力を利用することになる。「党員の宗教への信仰と宗教活動への参加は真剣に対処されなければならない。それは党員の個人的な信念に関係するだけでなく、私たちの党の政治規律や政治規則にも関係します。
このように宗教を信じているかどうかが、マルクス主義者であるかどうかのリトマス試験紙になる。
<追記>
下記の記事によると、対馬の和多都美(わたづみ)神社に参拝もせずに、神社に嫌がらせや不敬行為を働く韓国人観光客が後を絶たないらしい。
参拝しておらず、宗教ないし宗教施設に対する敬意のかけらもないことから、日韓関係の悪化を企む北朝鮮ないし中国の指示を受けた韓国左派のマルクス主義者の可能性がある。