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CultuArt Scene

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』

2018.12.14 05:39

バレエ『ラ・バヤデール』は1877年にロシア・サンクトペテルブルグにて、マリウス・プティパの振付演出で初演されました。音楽はバレエ『ドン・キホーテ』と同じ作曲者、レオン・ミンクス。バレエ史上重要なこの二人の芸術家は今日、世界中で上演される様々な作品を生み出しました。この黄金コンビが生み出した東洋と西洋のエキゾチシズムが織り合うバレエ『ラ・バヤデール』。新国立劇場バレエ団では牧阿佐美改訂版を2019年3月2日(土)から上演します。

撮影:瀬戸秀美

 物語の舞台はインド。巫女(バヤデール)であるニキアは王侯ラジャに仕える隊長ソロルと相思相愛です。その二人の仲を快く思わないのは、同じくニキアに密かな恋心を抱く大僧正。彼は何とか二人の仲を引き裂こうと策を練ります。この3名の恋模様はソロルが仕える王侯ラジャの娘ガムザッティのソロルへの恋心を取り込み四角関係となり、カースト制のあるインドの政治背景をも描きながら、物語はあっと驚く結末へ…。

 撮影:瀬戸秀美

 

 何故、創られてから100年以上も経つ今現在も、この作品は人を惹きつけてやまないのでしょうか。それは人間の普遍的なテーマである「愛」と「死」を扱っているからかもしれません。「身分を乗り越えた愛」、「障害のある愛」、「狂おしいほどの嫉妬」など、登場人物の心理が分かりやすく描かれている点が作品の魅力を高めています。

 また視覚的にも壮大で美しく、純粋なクラシック・バレエの世界と異国情緒溢れるエキゾチシズムを同じ作品内で味わえます。例えばダンサーは、1幕ではインドの民族衣装に着想を得たバレエ衣装に身を包み、インド風に挨拶をします。しかし2幕2場「影の王国」ではバレリーナ達が真っ白なクラシック・チュチュに身を包み、幻想の世界に引込むかのように同じ動きを何度も繰り返します(写真下)。この場面ではインド風の所作はみられず、バレエのステップのみ用いられ、1幕のインド様式とは差を出しています。

撮影:瀬戸秀美


 その壮大さ故に、日本では3大バレエ作品ほど頻繁には上演されない『ラ・バヤデール』。新国立劇場バレエ団では今を時めくダンサー達を主要キャストに迎えて、2019年3月2日(土)より5回公演します。ぜひ劇場に足をお運びください。


【公演情報】

●日時:2019年3月2日(土)14:00

              3日(日)14:00

             9日(土)13:00、18:00

            10日(日)14:00

●キャスト:

●会場:新国立劇場

●チケット:12,960円~3,240円

●演奏:東京交響楽団

●チケットの購入:

新国立劇場ボックスオフィス 

(Tel) 03-5352-9999