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「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 短かかったが重要な転機となった越前の物語

2024.06.18 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 短かかったが重要な転機となった越前の物語


 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、様々なことを語っている。視聴率などという数字が様々に取りざたされているが、リアルタイムの地上範囲夜視聴率調査という、旧態依然とした数字をいまだに使っていること自体が、今のマスコミ業界の「古い体質」「現代人に受け入れられない状態」を物語っているのではないか。巷間話をしてみると、この光る君へが「珍しく」評判が良いことがわかる。実際に男性の、それも「ドラマ」を何か勘違いしている人々には、「史実と違う」ということを言う人が少なくないが、しかし、ある意味で「戦争のない平安時代の権力抗争とそこを舞台にした一夫多妻制・通い婚の人々の人と人のつながり」を考えてみると、なかなか面白い物語になっている。「SNS」などがない時代にすぐに会うことができない人々が、一つは「呪術(安倍晴明:ユースケ・サンタマリアさん)」ということで、先を予想しながら活動をしているということであり、また、もう一つは「自分の感覚や相手を信じる心」ということが、非常に良く現れているということになるのではないか。

そのような意味で見ていると、今回の内容は、通常の現代劇のテレビドラマの内容と同じで、「中国人周明(松下洸平さん)に恋愛を模して利用されたまひろ(吉高由里子さん)」ということで非常に傷つい心と、藤原道長(柄本佑さん)との相手を慕いながらも身分や立場から近くに行くことのできない心、そしてそれらをすべて受け入れるといってまひろに迫った藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)という、三人の男性の比較が非常に興味深く、まひろ目線で書かれていることが興味深いのかもしれない。。

さて今回は、宋人の人々が、何とか朝廷との直接交易をするということに対して、朝廷は京都の近くで外国人である宋の人々が多く入ってくることはトラブルのもとになるのでやめた方がよい、特に戦争になるのはよくないというような感覚で許可をしないということを考えている。この辺の「中国人」という人々に対する感覚は「宋人は日本を三区dさしている」などというような感覚もまさに現代の風刺としてみれば面白し氏、歴史的に見れば、菅原道真が遣唐使を廃止して以降の国風文化の中の日本ということが、うまく描かれている。ちなみに10円玉の裏側に書いてあることで有名な平等院鳳凰堂は、藤原道長が建立したものであるということを考えれば、その考え方が様々な意味で日本の文化を現代に残したということにつながるのかもしれない。

「光る君へ」越前編に合わせPV…吉高由里子さんと岸谷五朗さん登場 福井県越前市、ゆかりの地を巡ったこぼれ話も

 福井県越前市ゆかりの紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」の越前編に合わせたパブリックビューイング(PV)が6月16日夜、同市文化センターで開かれた。まひろ(紫式部)役の吉高由里子さん、父藤原為時を演じる岸谷五朗さんがトークショーに登場。越前国府が置かれていた平安時代から千年にわたる越前市の歴史と文化に感じた思いを語った。

 紫式部が越前で暮らした歴史を地元の誇りにつなげようと、市や県などの紫式部プロジェクト推進協議会が企画。越前編は5月26日から始まっており、式部の結婚を巡る思いなどが描かれたこの日の放送を来場者約千人がスクリーンで観覧した。

 吉高さんと岸谷さんは、トークショーで越前和紙の産地など市内ゆかりの地を巡った印象を披露。岸谷さんは紙祖神を祭る岡太(おかもと)神社・大瀧神社を参拝し「入った途端に神聖な空気を感じた」と振り返った。吉高さんは越前和紙に文字をつづった体験から「紙の種類によって書き心地が全然違う」と伝統技術の奥深さに感動した様子だった。

 放送後にも2人がトークを交わし、越前国府のセットには福井県の県木のマツがあしらわれているなどのこぼれ話が明かされた。2人が産地の工房で紙漉(す)きを体験した際の和紙も壇上で披露された。

 吉高さんは「たくさんの人に楽しんでもらえているのが分かって、毎週PVしたいぐらい」と笑いを誘い、「(撮影は)まだまだ続くけれど頑張れそうな気がしてきた。越前の皆さん、ありがとうございます」と笑顔で手を振っていた。

 来場した同市の女性は「越前編で地元の歴史が注目されて誇らしい。伝統工芸の良さも全国に伝わってほしい」と話していた。

6/17(月) 8:28配信福井新聞ONLINE

https://news.yahoo.co.jp/articles/bbace3b945bd5266db1496ee10f4b71688983250

 さて、そのような「越前編」は、次回(来週)まひろが藤原宣孝と結婚するために京都に戻るということから、来週で終わることになる。その前に、やはりこの大河ドラマの楽しみの一つとして「ご当地に出演者が行って、さあざまな公園やこぼれ話をする」ということになり、その意味で、今回は京都に近いのにあまり大河ドラマの舞台にならない福井県にまひろ役の吉高由里子さんと、そのまひろの父で越前国国司となる藤原為時役の岸谷五朗さんが、福井県でトークショウを行ったということがニュースになっている。

このようなことから大河ドラマでは当然に様々な場所が「舞台」となり、その内容が一つの大きな経済効果を生むだけではなく、様々な文化や歴史の発掘が行われる。実際に、現在越前国府の場所は、あまりよくわかっていない。だいたい越前市辺りであろうということになっているのであるが、詳しくわかっているわけではない。そのようなところの歴史の発掘が行われるということも、歴史ファンにしてみれば非常に面白いところであろう。

さて、その越前編では、上記にあるように「まひろの夢が破れる」ということが一つの物語の軸になっている。つまり、「庶民が科挙で登用される」という、上下平等ということが、周明によって、「そんな国はどこに行っても存在しない」ということが言われてしまい、そのうえ、交易をするという「欲」のために、自分が利用されたということが明らかになる。最後には脅迫までされるということになるのである。

この事から、藤原宣孝の妻になることを望むのであろうが、まじめな父藤原為時は、そのまま宋人の相手をするということになるのであろう。一方、この「庶民もみな平等に」という思いが、藤原道長に伝わり、日本文化を守ったということから「平等院」が建立されるということにつながるのであろう。ようするに「まひろの強い思い」が、藤原道長に伝わるということにつながってゆくことになるのである。

一方で朝廷の方は、出家した中宮定子(高畑充希さん)が朝廷に戻るというようなことになる。もちろん一計を案じて違う建物に戻るというようになるのであるが、そのことで、一条天皇(塩野瑛久さん)が信頼が薄れてゆくということになる。特に藤原実資(秋山竜二さん)の「言語道断」という事には、この語の波乱を予想させるものになるのではないか。ある意味で、天皇が神格化されていない時代、この天皇の周辺の感情の動きを、近現代ではなかなか書けない部分をうまく書いているところがまた興味深い。

このような意味で「平安時代の社会を、人間の心の動きを中心に書いてゆく」ということで、非常に面白さが伝わるのではないか。