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フレデリック・ショパン、仮面の書簡…「ソンターグの朝の顔が美しかった…」フレデリックもまた罪人なのか…。

2024.06.20 11:11

♬フレデリックの最愛の理想のひとコンスタンツァア♬

ヘンリエッテ・ソンターグ

ヘンリエッテ・ソンターグ

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フレデリックはコンスタンツァアのことを

僕の理想のひと、と密かに呼んでいた。

その想いを知る人は親友でパトロンのティトゥスただ一人だけである。

一方、モリオリ夫人はモリオリ伯爵とのつまらぬ毎日の退屈凌ぎにフレデリックの音楽を慰めにしていた、それを煩わしいと思う反面フレデリックには好都合であった。

フレデリックはコンスタンツァア=好きな女にだけは負けたくないという男にありがちな自尊心が強すぎた。フレデリックはコンスタンツァアを好きな気持ちを隠すために、コンスタンツァアに意地悪を繰り返していたのだ。フレデリックは「好きな女には負けたくない」という気持ちが強すぎて攻撃的で競争をしたがる性質を持っていた。夫人や歌手をやたらと誉めて仲良くすることもコンスタンツァアへの当てつけであったのだ。

子供の頃から、貴族社会でチヤホヤされたり、姉が作曲を手伝ってチヤホヤしてくれたり、周りの人々から天才だねと チヤホヤされてきたため、自尊心が強くなり過ぎて、

好きな女には負けたくない、という女性に対するコンプレックが強く、反動的な行動が止まらなかった。

フレデリックはどんなに小さいことでも、勝ち負けを気にしていた、意地悪をすることで世間にも自分が優位に立っているという感覚を維持しようとしていたのだ。

コンスタンツァアがロシアの士官から

気に入られ、世間では相思相愛のように見えたことはフレデリックの嫉妬心は苛まれコンスタンツァアが好きなだけに心が乱れてしまうのだ。

フレデリックはその感情を隠すことに必死だったから、

フレデリックはモリオリ夫人と恋仲のふりをして、モリオリ夫人と仲睦まじく二人ではしゃいだりしながら、コンスタンツァアの目の前を行ったり来たりとわざと頻繁にしていた。

世間ではフレデリックはモリオリ夫人と恋仲とうわさになり、そのうちには批判されるかもしれなくとも本命の恋ではないから、そんなことはどうでもいいとフレデリックは思っていた。


コンスタンツァアのことが脳裏から離れたことはないフレデリックは自分がコンスタンツァアから嫌われたくないという気持ちが強すぎた小心者でもあった。

コンスタンツァアは才色兼備であり、フレデリックの作品のこともずばりと言い当て指摘した。たとえ周囲かがチヤホヤした人気者のフレデリックであっても彼女はフレデリックにお世辞を言わない媚びない美人だった、「貴方って子供っぽいのね、そんな事では駄目ね」とフレデリックはあしらわれてしまうのである。

フレデリックはコンスタンツァアただ一人だけが最大に好きなのだが、コンスタンツァアが、自分と同じほど自分のことが好きか、自信がなかった。コンスタンツァアに無視されるよりは悪い事をしてコンスタンツァアの気を引いて、ヤキモチを妬かせたいし、無視されるぐらいなら怒られたほうがマシとフレデリックは意地悪を考えてしまうのである。

そういう自分のことをフレデリックは未熟な悪い人間だとティトゥスには明かして陰では懺悔する典型的な小心者だった。


この罪を、どうにか免れたいフレデリックは

清らかな歌姫を曲に登場させて懺悔しようとした、…勿論、歌姫はコンスタンツァア。

しかし、フレデリックの意地悪は止まらないのだ、これは反動的な行動は自分の気持ち・感情を抑圧していて、素直に表現できず、その反動で正反対の行動を取ってしまうことが治らないフレデリックだった。

自信に満ちている仮面を被り実は小心者のフレデリック…。

ティトゥスに先月の続きを報告した

フレデリックは、、、


「親愛なる友よ、

 あなたはソンターグ夫人のコンサートを5回も見逃してしまいましよ!

気にしないでください、3日に到着すれば、まだ彼女のコンサートを聴く時間はありますから。

1月3日は日曜日で、ちょうど私が第2協奏曲の第1楽章を試演しているときに、あなたは到着されるでしょう。私はソンターグ夫人が不在であることを利用します。

 彼女はプロイセン国王エルムの命令でフィッシュバッハに行くのだそうです。

私は、彼女の部屋で、つまりソファーに座っている彼女の横で、彼女と親しくなれたことがどれほど嬉しかったか、あなたは想像もつかないでしょう。

ご存知のように、この「天からの使者」(彼女を敬愛する何人かの人々は、彼女をこう呼んでいる)には、自由な振る舞いは許されないのですから。

ラジヴィル王子は、とても真摯な態度で私を彼女に紹介してくれました。」

ソプラノ歌手のソンターグ夫人と親密になったとティトゥスに報告すれば、ティトゥスからコンスタンツァアに伝わることを計算ずくなフレデリック。

「侍従長、上院議員、地方知事、将軍、准尉など、ソンターグ夫人の周りをうろうろし、彼女のかわいい目を見つめ、天気の話をする、称賛に値する退屈な人々の訪問に、彼女がどれほど疲れていたかを見ていたからだ。しかし昨日は、帽子をかぶるために部屋に閉じこもらなければならなかったのです。

」ソンターグ夫人に同情心を示すフレデリックは有名人のソンターグ夫人の内情を知っていることを自慢げに話した。


「ラジヴィルが彼女のために編曲し、正確な写しを作るために私に送った曲について、彼女は私に会いたいと言ったが、私は一度も彼女を訪ねませんでした。この曲はウクライナのドゥムカの変奏曲である。テーマそのものとエンディングは魅力的だが、ソンターグ夫人も私も中間部が好きではない。

多少手を加えたが、それでもまだ正しくない。

今日のコンサートが終わったら、彼女が帰ってしまう。

その間に、ラジヴィルは国会の会期末に姿を現し、変奏曲の構想をあきらめるだろう。」

ソンタグが歌えないところをフレデリックは

手直ししたが、ソンターグ夫人は歌う技量がなかった…。

ソンタグ、ソンタグと、ソンタグがフレデリックは本当にそんなにゾンダグが好きなのか…

更には、

「ソンターグ夫人は美人ではないが、最高に魅力的だ。」

これなのだ、〝美人ではないが最高の魅力がある”…回りくどい言い回しのフレデリック、その実、

コンスタンツァアのことは゛美人で最高に理想の歌姫〃。。。と、密かに想うフレデリック。

ソンターグ賛美もコンスタンツァアへの嫌がらせなのか…。

「ソンターグ夫人はその声で皆を魅了するのです。

その声域はそれほど広くはないのです。

」ソンターグ夫人は実は、コンスタンツァアより下手だった…。

ソンターグ夫人をけなしながら褒める、褒めながらけなすフレデリック。

ソンターグ夫人は伯爵夫人になり有名人になった…だから、フレデリックはソンターグ夫人の賛美続けた、

「 しかし、その声は非常に洗練されている。彼女のディミヌエンディは右に出る者はない、ポルタメンティは素晴らしく、音階、特に半音階は比類ない。彼女はメルカダンテのアリアをとてもとてもとても魅力的に歌ってくれたし、ローデの変奏曲、特に最後のトリルはこれ以上ないほど素晴らしかった。

スイスの主題による変奏曲は、彼女がアンコールで、深いお辞儀をする代わりにもう一度歌ったほどだった!

このような親切は筆舌に尽くしがたいのです。

昨日もローデの変奏曲で同じことが起こった。彼女は私たちに

あの有名な『理髪師』のカヴァティーナと『泥棒カササギ』のカヴァティーナを歌ってくれました。

 今まで聴いてきたものとどれほど違うか、

あなたは想像もつかないであろう。

彼女は『魔弾の射手』のアリアも見事に歌いました。

一度、私がソンターグ夫人に会いに行ったとき、ソリーヴァ夫人が若いグラドコフスカ嬢とヴォルコフ嬢を連れていたことがありました。」

グラドコフスカとはコンスタンツァアのことだ。ちらっとコンスタンツァアの名前が出た。

「私がそこにいる間、彼女たちはデュエットを歌った。

それを聴いたマイル・ソンタグはこう言いました。

゛技術的には良かったけれど、2年以内に声を完全に失いたくなければ、別の方法で声を出さなければならないですね。“

私の前で彼女はウォルコフにこう言ったのです。ヴォルコフは素晴らしいテクニカルと多くの美しい効果を持っているが、"声が小さすぎる "と指摘しました。」

コンスタンツァアについては何も語らないフレデリック…。ソンタグの話題はまだ

続いた、

「それは、自然な好意以上のものです。

そして女性らしい洗練された身のこなしは、人間がこれほど完璧な自然体でいられるとは考えられないからだ。

彼女は、夜の化粧をしたときよりも、朝の服を着たときのほうが100万倍もきれいで魅力的だ。

朝の彼女を見たことのない人は、それでもなお、彼女を魅力的だと感じるのでしょう。」

フレデリックのソンターグ賛美はとどまることを知らない…フレデリックはソンターグ夫人が滞在していたホテルで朝食を共にしたことがあったようだ。

「帰国後、彼女は22日までコンサートを続け、その後はサンクトペテルブルクに行くつもりだと、彼女自身が話していた。

パスタがここに来るという話も出ている。

マイル・ベルヴィルというフランス人女性もいる。彼女はとても魅力的で、非常に軽いタッチでピアノを弾く。彼女は水曜日にコンサートを開く。」

この女性のことも魅力的だと気の多いフレデリック…。

「彼女は、ソンターグ夫人が歌った宮廷音楽の有名な夜会に出席していたのです。

この二人の女性はともに演奏しました。

ソンターグ夫人の伴奏をしたクルピンスキー本人から聞いた話では、ヴェアリッツァーも出演したが、あまり評判はよくなかったようだ。人々は私が招待されなかったことに驚きを示したが、私自身は何の驚きも感じなかった。. . .」

ソンターグ夫人と親密になったと話しながら、自分は宮廷の夜会には招かれなかったと

いうフレデリック、だからなのか、

ソンターグ賛美が止まらないが、内心は

裏切られた気分なのだ、

「ソンターグ夫人についてはまだ言いたいことがあるのです。彼女には、パガムニとは違った意味で、非常に効果的な、まったく独創的な装飾があり、おそらくそれは、彼女のジャンルが小さいからです。まるで

彼女は劇場の屋台に新鮮な花の香りを漂わせているようだ。


ラジヴィルは、『オテロ』のデズデモーナの最後のシーンを、誰もが涙を禁じ得ないほど感動的に演じ、歌うと宣言した。

実は、私は彼女にそのことを話し、衣装を着てそのシーンを演じてくれないかと尋ねました(彼女は女優としても完璧だと言われている)。

彼女は、観客の目に涙が浮かぶのをよく見てきたのは事実だが、舞台で演技するのは疲れる、と答えました。

彼女は舞台で演技するのは疲れるから、オペラの役にはできるだけ出ないと誓っている。

ソンターグ夫人が歌ってくれるし、そうすることで新たな力を得ることができる。


手紙の代わりに自分自身をあなたに送ることができないのは残念だ!おそらく、あなたは私を必要としないだろうが、私はあなたを必要としているのです。

F.ショパン


追試

ソンターグ夫人は今日、『セミラミデ』からの抜粋を歌う。彼女のコンサートは短く、通常は4つのグループを歌い、その合間にオーケストラが演奏するだけだ。

確かに、歌い終わった後は、一息つく時間が必要だ。コンセルヴァトワールの若い女性たちは今月は出演しない。マイル・ベルヴィルはウィーンで私の変奏曲[作品2]を弾き、そのうちのひとつを暗譜している。

もう紙面が終わってしまうのが残念だ。

私は書簡と君から離れられないのです。.....」

書いても書いても気がすまないフレデリックは最後に付け足した、

「あなたは私があなたを想うほど私を愛してくれていますか…?」

フレデリックはティトゥスからコンスタンツァアに伝わることを知っていた。

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ヨハン・クリストフ・ローテ

作曲家(1653年−ドイツ ロスヴァイン

1700年6月2日47歳没 ドイツ ゾンダースハウゼン)

ドイツのバロック音楽の作曲家

唯一の代表作「マタイ受難曲-マタイ受難曲1697年」

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アンドレア・チェファリー

(1827年8月27日 イタリア.コルターレ−1907年4月4日コルターレ)イタリアの画家、政治家。による肖像画から


サヴェリオ・メルカダンテ

(1795年9月17日アルタムーラ受洗- 1870年12月17日ナポリ)イタリア人作曲家

オペラ作曲家として大量の作品を残し器楽作品も多く書いた。

彼は、メルカダンテはプーリア州バーリ近郊で未亡人と家庭教師の間にできた私生児であった。

彼はオペラの作曲家となりましたが、国際的名声を保つことはなかった。しかし、この 多くの作品の技法はヴェルディがに影響を与え劇的技法を確立する 基礎に貢献した。

彼の正しい出生は不明だが1797年日付の洗礼証明書があったため1808年にナポリ音楽院に入学し、ジョヴァンニ・フルノとジャコモ・トリット、その後ニッコロ・ジンガレッリに学んだ。

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