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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

患者さんとスーパーアスリートによる『このリハビリ(トレーニング)が良かった』というお話に対する距離の取り方について②

2018.12.15 20:24

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


前回から、患者さんやスーパーアスリートのこの方法が良かったという体験談に対して私が考えていることを書いています。  



前回は、こういう情報は興味深いものではあるものの、取り扱いに注意したいといことと、インターネット上の情報は、質がピンキリであると書きました。 


今日はこの続きから書きます。  

前回の話に加えて、インターネットや一般紙で入手できる情報は、正確性に関しても担保されていない上に、矛盾した情報が同一の情報源に書かれていることもあります。 


例えば、筋トレが『パフォーマンスアップに欠かせないもの』と認識しているアスリートがいる一方、『ただ身体を重くして、自然で最適なパフォーマンスを妨げるもの』と発信しているアスリートの方もいます。 


リハビリに関しても、現状で最も強いエビデンスがある治療法をやったら効果があったというものから、現在までの研究では効果が否定されている治療法でこんなに良くなりましたと仰っている方もいます。 


例えば、イチロー選手は、筋トレに関して否定的な発言をしているそうです。 


天才の言葉には重みはあります。

ただし、これをもって、「あの天才が言うのだから本質に間違いない」と考えてしまうのは少し早計です。 


一方で、世界最高のサッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウド選手の筋トレメニューは以下のようなものです。 


・スクワット(150kg) 6回×4セット 

・ベンチプレス(100kg) 6回×4セット 

・クリーン(75kg) 6回×4セット 

・レッグプレス(200kg) 6回×4セット 

・デッドリフト(200kg) 6回×4セット 

・ショルダープレス(70kg) 6回×4セット 

・アームカール(30kg) 6回×4セット 

・トライセプスエクステンション(30kg) 6回×4セット 

・ラットプルダウン(75kg) 6回×4セット 

腹筋3000回の日課に加え、これを月曜日と金曜日で分けてやる 


ボディービルダーも真っ青です(ボディービルダーの方のメニューを詳しく理解していませんが(*_*; )。 

この情報は、インターネットの情報なので信憑性は難がありますが、クリスティアーノ・ロナウド選手の体付きを見れば、しっかりと筋トレをしていることは容易に想像ができます。 


ここだけ見ても世界を代表するアスリートの筋トレに対する姿勢が全く異なります。 他の様々なトレーニングに関しても同様と思われます。 イチロー選手に憧れる野球少年は筋トレ以外に時間を使い、次世代のクリスティアーノ・ロナウド選手になりたいサッカー選手は筋トレに勤しむことになるんだと思います。彼らは非専門家なのでそれはそれで良いと思います。 


ただ、専門家の方が、ご自身の意見をサポートするために意図的にどちらかの意見を取り上げるというのは、『う~ん』となってしまいます。  


ご注意頂きたいのは、今回の記事ではパフォーマンスアップにマシンを使った筋トレが必要か否かに関しては議論していません。ただ、この様な判断は、誰かの経験ではなく、臨床試験によって検証されるのが良いのではないかなと思います。といういつもの(?)話です。 


長くなりましたので次回に続きます。


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

 理学療法士 倉形裕史


次回へのリンク







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