マグマ学者による美食地質学
2024.06.22 03:33
無類の食いしん坊なマグマ学者が、日本の美味しい和食と日本列島の変動との密接な関係を紐解く『「美食地質学」入門 〜 和食と日本列島の素敵な関係』を読み終えました。
世界中の地震の約10%が集中する世界一の「地震大国」で、さらに、世界中の活火山の約7%が密集している世界一の「火山大国」、それが日本だそうです。そして、だからこそ古くから地震や火山の被害はありましたが、その一方で、日本の多様な食材や料理を育んできたのだという話。
つまり、日本の食が豊かなのは、日本列島のダイナミックな営みがあるからだそうです。
面白かったのは、著者の中で「蕎麦=火山」という等式ができあがったというところ。マグマ学者の彼によると、いくつかの例外を除いて、蕎麦どころは全て活火山の近くにあるとか。
また、瀬戸内海がなぜ多様な魚を育むことになったのかというのも、地質学的にビシッと紐解いていきます。そして、そんな解説を読むと、単純な僕は「なるほどーーー、だから、瀬戸内海の魚は美味しいのか!」と感動しちゃうわけです。そういえば、瀬戸内海の弓削島で泊まった宿のご主人が鹿児島から瀬戸内に移り住んできた理由として「こっちの方が魚が美味しいんですよ!」って言ってたなー
「山梨ワインを生み出した甲府盆地の地形な地質は、伊豆諸島が本州に衝突するという大事件によって誕生したんだ!」なんて記述には、もはや、へーーーーとしか思えないほど、まさか甲府の地形に伊豆諸島が関わっているなんて考えもしませんでした。
地質学的に見ても、日本は多種多様な食が育まれる環境がバッチリなんですね。先日読んだばかりの『ニッポン美食立国論 〜 時代はガストロノミーツーリズム』にも繋がってきます。