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箏曲

2018.12.16 05:56

現在一般的に「こと」と呼ばれている楽器は、正しくは「箏(そう)」という弦楽器です。箏は中国の戦国時代秦で生まれたといわれていますが、そのころは五弦しかなかったようです。これが唐の時代には十三弦となって、奈良時代のわが国に伝わりました。

 現代の箏曲の原形は、江戸時代に八橋検校という盲人によって樹立されたものです。

 その後箏曲は、生田検校による生田流と、山田検校による山田流に、文字どおり流れを二分してゆきます。私は前者、生田流に帰属しますが、生田流の出現が箏と三味線の合奏を生むと同時に、箏曲と三味線音楽であった地歌との交流をもたらしたといわれています。

 私と箏との出会いは5才のとき、母に勧められたのがきっかけでした。でもほんとうに箏の素晴らしさを知ったのは小学5年生のとき、テレビで演奏を聴いた瞬間でした。

 私は箏曲が好きというよりはむしろ箏の音が好きなのだといったほうがよいのかもしれませんね。


箏の部位に「竜」の字が多く使われているのでお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、箏は竜の形に見立てられており、いかにも中国から伝来の楽器であることを物語っています。

弦は十三、左手で押さえながら、右手の親指、人差指、中指に爪をはめて弾くのですが、生田流では角型爪を用い、このため箏に対して斜めに座ります。もとより生田流では、箏の奏法を三味線との合奏のために改革したので、弦を引っかけるなど応用の利く角型爪に改めたのですが、トレモロのような装飾音も出しやすく現代音楽にも向いていると、私は思っています。