テマヒマ

陶片

2024.07.18 22:17

おはようございます。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ、テマヒマ

プロデューサー、バイヤーの太田 準です。


もう一カ月前になりますが、東京出張二日目

(6/19)、青梅市の平岩愛子さんの工房を後に

して、駒場の日本民藝館へ「朝鮮民族美術館

設立100年記念柳宗悦と朝鮮民族美術館展」を

観に行ってきました。民藝館で、古美術いもと(京都)の井本さん、露古壽窯の西堀さん(お2人とは兵庫県民芸協会でご一緒させて頂いて

ます)、objects(松江)の佐々木さんとそれぞれ

バッタリ会う、不思議な日でした。


今年は朝鮮民族美術館が出来て100年。民藝と

いう言葉が生まれたのが1925年の暮れですか

らそれより前、日本民藝館が生まれるもっと

前。もしその順番が逆だったら朝鮮民藝館と

か朝鮮民藝美術館とかって名付けてただろう

か?とか思いましたが、やっぱり「民族」の

方を柳宗悦は選んだのでは無いかと思います


それまで評価の低かった朝鮮の工芸品を蒐集

した美術館で、戦後は国立民族博物館、その

後国立中央博物館に収蔵されたそうですが、

今はどうなってるのでしょうか?その当時まだ評価が低かったという朝鮮工芸に光を当て

たというだけでなく、保存保管したという意

味もあったように思います。日本民藝館所蔵

品以外はどんなモノがあったのでしょうか?


今回の展示の注目度は浅川伯教の蒐集品した

陶片だったと思います。浅川伯教•巧兄弟は

柳宗悦の朝鮮での活動を共にし協力した人物

ですが、その蒐集した陶片は膨大なものだっ

たそうです。思えば、柳が朝鮮の工芸品、い

や後に民藝という言葉であらわされるように

なるモノに興味を持つきっかけとなったのは

浅川伯教が土産として持参した、染付面取白

磁壺との出会いでしたが、その壺もまた完品

では無く、壺の下部部分、言ってみれば陶片

だったのを知った時は驚きでした。


この展示会は8/25までです。


朝鮮民藝美術館100年展に行ったからという

訳ではありませんが、その前日横浜の巧藝舎

さんで飴釉面取壺、通称蜂蜜壺を仕入れまし

た。以前から気になってましたが満を持して

という感じ。

朝鮮時代後半に量産された生活雑器で、台所道具として蜂蜜や塩、調味料を入れられてい

たそうです。飴釉の柔らかな表情と力強く入

った面取。気品さえ感じる艶やかな表面と高

台の粗野な雰囲気。相反する要素のバランス

が絶妙でとても趣き深く美しいです。お花を

生けて頂ければお花も映え、器も映えるかと

思います。現在メインテーブルでは世界の民

藝特集開催中です。


テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお

越しをお待ちしております。創作韓国料理が今回のランチのテーマですが、今日のご予約

はお2組のみで残り12席とお席にかなり余裕

がございます。明日明後日も週末にも関わら

ずお席にかなり余裕がございます。


それでは、今日も好いモノ、好いコト、好い

トキをテマヒマで。今日も好い一日を!