【設備・建材基礎知識】ニーズに合わせて選べる網戸
虫の侵入を防ぎ、風を室内に通す網戸。最近は様々なニーズに応える高機能なものが登場している。定番のものから最先端まで、様々な網戸をご紹介。
花粉防止やペット対応など様々な機能から選べる
網戸は「パネル網戸」「中折網戸」「収納網戸」に分類される。
最も一般的なのがパネル網戸で、スライドさせて開閉するためスライド網戸とも呼ばれる。
中折網戸は折れ戸のように2つに折れて開閉するもので、主に玄関ドアに使用される。
収納網戸には、アコーディオン網戸やロール網戸があり、使わないときはネットがケースにすっきりと収納され、デザイン性が高いのが特徴。
ネットの材質にもいくつか種類がある。一般に使われるポリプロピレンのほか、丈夫なポリエステル、耐久性の高いグラスファイバーやステンレスなどもある。
網の目の細かさの単位はメッシュ(#)で表され、数値が高くなるほど目が細かくなる。一般的な網戸は16〜18#程度、防虫性を高めた網戸には24#以上が使われている。
様々な機能性を持つ網戸もある。網の目を細かくして花粉やホコリの侵入を防ぐタイプや、糸を細くして眺望性や通風性を向上させたもの、本体やネット部分が簡単に取り外せ、丸洗いできるタイプもある。
*網戸の種類*
パネル網戸▼
●スライドして開閉
●引き違い窓や玄関引戸などに使用
中折網戸▼
●2つに折れて開閉
●玄関ドアや勝手口ドアなどに使用
アコーディオン網戸▼
●折りたたまれて収納
●玄関や大開口サッシ、各種窓タイプに使用
●プリーツ状になっているため掃除がしにくい
●風が強いとプリーツが膨らむ
ロール網戸▼
●巻かれて収納
●パネル網戸が取り付けられない窓に使用
●収納時に虫を巻き込むことがある
【知っ得豆知識】網戸掃除をしないとどうなるの?
手間がかかり、屋外に面しているため後回しにしてしまいがちな網戸の掃除。汚れたままの網戸を放置していると、せっかく換気をしていても汚れた網戸を経由して空気が入ってくるため、家の中にわざわざ汚れを招き入れることに!また、花粉やホコリがたまった網戸には虫も寄ってきやすくなり、劣化も早く進んで網戸が破れやすくなる。お掃除の必要性をお客さんに教えてあげよう。
【網戸選びのポイント】
◆パネル網戸、中折網戸、収納網戸の3タイプ。開き方やネットの収納の仕方に違い
◆玄関ドアや各種窓タイプに取り付け可
◆防虫性を高めた網戸には24メッシュ以上を使用
◆花粉防止、ペット対応、眺望性や通風性、清掃性などの機能性も向上
網戸の機能いろいろ
パネル網戸
YKK AP スライド網戸 XMH▲
ブラックネットとクリアネットが選べる。クリアネットは糸の径が細いため景色がクリアに見え、通風量も上がる。網目の交差部の隙間がなく、掃除もしやすい。
中折網戸
セイキ販売 リリーブ▲
玄関ドア専用。通風部分には金属パネルを採用。強風によるたわみやペットによる損傷もガードする。鍵付き。
アコーディオン網戸
セイキ販売 トレミド▲
簡単に取り外せるため拭き掃除や水洗いがしやすい。下レールは段差3㎜のバリアフリー設計。
ロール網戸
YKKAP▲
上げ下げロール網戸XMW(左)
横引きロール網戸XMY(右)
上または横に巻き上げる。
ペット対応網戸
セイキ販売 ペット用網戸▲
ポリエステルに樹脂コーティングを施したペット対応網戸。ペットが爪でひっかいても破れない。
花粉対策網戸
セイキ販売 フィルター網戸▲
200#の高密度織物と防虫ネットの2重構造。花粉やホコリを80%以上カット。通気性は一般網戸の30%程度。
カートリッジタイプ(パネル網戸)
セイキ販売 カートリッジ網戸Ⅱ▲
網は面ファスナーで固定。簡単に取り外すことができ、交換も可能。
ネットの材質
メッシュの大きさ
【プロの視点】窓の開き方によっては網戸を閉めても虫が入る
網戸を使うときに気を付けたいのが「室外側の窓」と「網戸」のすき間。①や②のように、室外側の窓と網戸の間にすき間がなければ虫は入らない。しかし、③のような開き方では、窓と網戸の間にすき間ができ、虫が入りやすくなってしまう。室外側の窓は右か左に全開にするのがポイント!
①窓全開
②窓半開(右側)
③窓半開(左側)
↑網戸と窓(室外側)のすき間から虫が入る
画像提供/YKK AP