Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

わたしの走るリズムとショパンのリズム

2018.12.17 07:05

私は小さな頃から人混みを歩くことがよくあった。

小さな私は大人の歩調に付いていくのに必死で歩く。

街では皆、歩くのがとくに速い。いつの間にか、今では人混みを歩くのが上手い。人混みが好きか嫌いは別として、

人混みはリズムよく泳ぐように縫って歩く。

だいたい何処へ行っても平気な方だ。

ある日のことだ。

転校生の私はいつの時からかだんだんと控えめであるようになっていた。

ある時、学年ごとのマラソン大会があった。

私はマラソンは好きだった。

マラソンは父が若い頃得意だった。

それを受け継いだのかはわからないが、私は特に訓練したわけでなかったが走るのが早かった。

長距離も練習もしていないのに、まあまあ早いほうだった。

私は調子よくリズムに乗って上位で走っていた。

折り返し地点をすぎて、後半に向かって、上位の5人をたたみかけて追い抜いていこうとして、スパートをかけようとしたその時だ、後ろから私の背丈よりかなり大きいクラスメートに思いっきり突き飛ばされた。

私はコンクリートの地面に勢いよく転んで膝から血が流れた。私は、すぐに立ち上がったがリズムを立て直すのがたいへんだ。

5人を追い上げることはもはやできなくなってしまった。6人追い抜かれて、それでもなんとか最後まで走りゴール。

突き飛ばした方は謝りはしなかった。誰も私の怪我は気にもしていない。

調子がいいときほど気を付けたほうがいいという言葉をどこかで聞いたことがあるな。

これもひとつの教訓であろうか。

ショパンも調子のいいときがたくさんあったであろう。

才能があると自分の才能以外のことでつまずかされることがショパンはなおのことあったであろう。