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選者

2024.06.24 20:55

突如、事務所に届くは就任の依頼と題した手紙。自ら志願するほど厚顔になく、恐らくはどなたかの推挙によるものなれど。身に余る光栄、というよりも、んな「大それた」役職は他に適任者が。さりとて、畏れ多いと辞退するに推薦人に非礼にならぬか云々。受諾の可否を、と記されておらぬがせめてもの救い。気になる役職名や区俳句大会の「選者」だそうで。

届きそで届かぬ梅の青さかな、と一句。あと一歩、すぐそこに、は梅に限らず。近年進むは公園利用。朝のラジオ体操が高齢者の人気とか。運動が促す代謝は一日を通じて継続するから朝の運動は理に適っているともいえ。利用者の増加とともに関心が寄せられるはトイレ。未だ目立つ「和式」は足腰弱き高齢者にとって。

ウォシュレットなどと贅沢はいわぬ、が、せめて洋式化、願わくば、と求められるは。間に合いそうで間に合わぬが尿意。ズボンのシミとて気づかぬこともあったりして。こればかりは生理現象。昨今は尿漏れパット等の男性用の生理用品も充実すれど。人目に触れずトイレにて交換するも捨てるに捨てれず。自らの汚物にて労こそ厭わねど持ち帰らんとするも気になるは人目。当事者の身にならねば分からぬ悩み、一考を、と市に対応を求め。

自宅に封書届くはこちらも同じ。されど、その宛名が数年前に他界した奥方の名とあらば心穏やかならず。個人情報の紛失について、と題した後のカッコ内に「お詫び」と見ればおよその意味こそ察すれども、A4一枚に見る文字の多さ。つらつらと記される内容や詫びというよりも「弁明」。詫びならぬ詫びの文章は逆効果、と御心配いただき。

何も流出は役所に限った話になく。スマホ利用時に吸い上げられる個人情報。ネット上は無法地帯、突然、届く迷惑メールに気づかされる流出の事実。法令によれば漏洩等の事故が生じた際は、文書を郵送で送付すること「等」により「速やか」に「直接」知らせること、とされるもその件数が数百ならぬ数万ともなれば。

どこぞの企業において不正アクセスに情報流出の可能性アリ、詳細は調査中なれど今のところ被害は確認されていない、との定型文がネット上に公表されて。とんと聞かぬは後の被害。いや、それとて、報道されぬだけかもしれぬし、当該企業の責任を追及するにもいかんせん証拠が。

不正アクセスとあらば相手の意図や明らかなれど、役所の報告に聞くは記憶媒体、いわゆるUSBの紛失。仮に置き忘れにせよ、見付けたほうとて。スマホならまだしも拾得物と届けるに生じる手間。わざわざ自宅に持ち帰り中身を分析して、なんてのも、どことなく気が引け。とするとその後の実害など限りなくゼロに。されど、ゼロではあるまい。

早く相手に知らせねばならぬ、との義務感。知らせることに意識が向けられるあまり、ほかがおざなりになっては。個人情報の内容、件数により対応に差異が生じるはやむなしにせよ、同様の事故でありながら局によって対応が違うというのは組織としてどうか。いや、そんな事故は発生せぬに限るが。と自らの質問を終えた。

(令和6年6月25日/2861回)