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眠れずにため息をつく冷蔵庫

2024.10.03 07:33

https://y-heart.adic.or.jp/wp/2018/07/23/%E7%86%B1%E5%B8%AF%E5%A4%9C%E3%81%A8%E5%BF%AB%E7%9C%A0/ 【循環器内科専門医のブログ 熱帯夜と快眠 -暑いと眠れないとは何故だ?快眠と血液循環の秘密の関係-】より

 梅雨が明けてしまい、熱帯夜が始まりました。今年は梅雨といっても東京近辺はさほどまとまった降雨がなく、これから猛暑が始まるかと思うとうんざりしますね。

 昼間暑いのも大変ですが、夜暑いのも一苦労です。寝るときにクーラーをつけなければ「熱中症になるぞ」、といわれ、クーラーをつけて寝れば、「夏風邪」をひき、鼻がぐすぐす、空咳も続いたりして、あるいは朝起きた時に体も何となくだるくなる、一体どのようにして過ごせばよいのか、というのが正直、疑問に思われるところだと思います。

熱帯夜と快眠

 では、何故暑いと眠れないのでしょうか?この疑問に答えられる人はそう多くはないと思います。「暑かったら眠れないものは眠れないんだから、眠れないのは当たり前でしょ!!」と怒られそうです。もう少し掘り下げると、入眠時に暑いときには、体がどのような反応をしているから眠りにつけないのでしょうか?

 まずそれを明らかにする前に、ヒトが眠るときにどのようなことが生体内で起きているのか説明しないといけません。昼間は自律神経のうち交感神経の支配が優位にあります。交感神経は体を緊張させ、心拍数や血圧を上げ、頭の回転も速くさせます。夜間は反対に副交感神経の支配が優位になります。副交感神経は体を休めようとするため、脳を休める睡眠をもたらしますし、心臓や呼吸の働きも低下させます。

熱帯夜と快眠

 例えば、コンピューターがしばらく操作していないと画面が暗くなり、スリープモードになり省電力にしようとしますね。体も同じで、睡眠中はほとんどの体の働きは無駄な労力となるため、心臓の拍動回数(心拍数)や呼吸数は低下します。ただ、低下はしますが、しかし、心臓などは絶対に止まらないようにある程度のところで心拍数がピタッとそれ以上は絶対に落ちないようにもなっています。心臓のすごいところです。交感神経や睡眠の機能は太陽系の地球が自転していることで昼、夜の区別ができたことから、生体にも備わるようになったと考えられています。生命の神秘は宇宙のシステムとも関係しているのですね。

 さて、話がそれましたが、入眠には副交感神経の働きが重要なのはわかりました。では暑いとどうして眠れないのか?これには熱中症の回を思い出していただくとよいです。

熱帯夜と快眠

 暑いと「汗君」がでて体温を冷やすんでしたね。その汗をかくのは、「交感神経が働くから」、でした。皆さん、人前で発表するときに緊張して手に汗をかきますね。これも交感神経の働きです。交感神経が働けば、頭がさえてしまいます。また、皮膚の血流も増えて、アトピーなど慢性の皮膚疾患をもっている方などでは体がかゆくなったりします。こうしたことが「暑いと眠れない!」原因と考えられます。

熱帯夜と快眠

 では、入眠時にクーラーで冷やして、交感神経の働きを抑えれば、快眠につながるのでしょうか?クーラーをつけることでは暑さが原因となっている入眠はすんなり達成できると思います。ただつけるタイミングも重要です。お風呂でしっかり温まってから、しばらくは窓を開けるなど、クーラーをつけずに、自然な放熱により余分な体熱をとっていきましょう。汗をかくからといってクーラーで体を急激に冷やすことは生体にとっては逆効果になります。料理で調子したものを、室温でゆっくりと冷まして、味をしみこませる過程がありますね、そんなイメージです。

熱帯夜と快眠

 寝る前10-15分になったらクーラーをつけ、布団に入る準備をします。そのまま照明も暗くし、一気に寝てしまいましょう。

さて、クーラーは消して寝るのか、つけっぱなしでよいのか?ここが問題です。1-2時間のタイマーで消した場合、その後室温は上昇してきますので暑くなり、そこで睡眠が浅くなります。室温が上昇してくれば、結局は暑くて寝苦しい状態になります。

 しかし、気温が一番下がるのは5時ぐらいで、体温もその時間帯に一番下がります。従って、ずっとつけていれば朝方に室温は予想より低下して、体も冷えてしまうことになります。

気温・体温の日内変動を考えると、一番よいのは3時か4時ぐらいでクーラーを一旦切り、窓を開け気温に切り替える、6-7時ぐらいでクーラーを再度入れる、というのが理にかなった方法です。ただしそのために睡眠を中断して起きることになり、うまい方法ではないでしょう。

 何故、家電の開発会社は睡眠や日内変動に配慮したクーラーのプロトコールを作成しないのか不思議です。気温や体温は継時的に変化するものであり、同じ温度設定で済むはずがありません。その人ごとに、暑いと感じるレベルも色々です。今後通信機能を利用して地域の気温・地温データや、利用者の体温センサーなどから計算されたオートコントロールの空調がうまれる日も遠からず来ると思います。

 クーラーを夜通しつけていて気にならない方はよいとして、ずっとつけていると体が冷えてしまう、という方は4時ぐらいに消えるようなタイマー設定にしてみたらいかがでしょうか?

暑い夏を乗り切るためには、まず睡眠の質をよくすることからお勧めしたいと思います。


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最近は暑くてなかなか眠れない、という方が多いのではないでしょうか。そもそもなぜ夏場はうまく眠れなくなってしまうのでしょう? この記事の中では夏によく眠れない理由や、エアコンをつけたまま眠っていいかどうか、また良質な睡眠をするためのルーティンなどを紹介します。夏の夜の暑さでうまく眠れていない方は、ぜひご一読ください。

なぜ暑いと眠れなくなるの?

暑い夜に眠れなくなるのは、入眠するときに体が行う体温低下が妨げられるからです。

私たちがベッドに入ると、ポカポカ体が暖かくなっている気がすると思いますが、これは体が皮膚から熱を出して体内の深部体温を下げようとしているためです。

例えば、肌寒い季節は眠りやすいと感じる方が多いでしょう。

それは眠ろうとする際に体が出す熱と、室内の肌寒い空気が混ざってちょうどいい温度になるため、居心地よく睡眠に入っていけるのです。

しかし、真夏で部屋が暑い場合には、体が出す熱と室内の暑い空気のせいで居心地が悪いほどに暑く感じてしまいます。

この結果、スムーズな睡眠に入っていけない日が増えてしまうのです。

冷え性は入眠しにくい?

皮膚からの熱放散にとって、重要な役割をするのが手足の甲部分です。

赤ん坊の手が暖かくなるのは眠たいサインと一般にいわれていますが、これは熱を手の甲から逃がして睡眠に入ろうとしているためです。

冷え性の方は手先、足先の血行が良くないため血管が広がりにくく、熱放散を上手に行えていないことが多いです。

体から熱を外に出せないと深部体温が低くなりにくいです。

結果として、睡眠に入りづらくなってしまいます。

エアコンをつけたまま眠っていいの?

入眠には深部体温の低下が重要です。

夏場には寝室の温度が28℃以下、湿度40~60%程度が適当な睡眠環境とされています。

こちらの温度・湿度に近い環境になるように、上手にエアコンを使いましょう。

ただ、温度と湿度以外にも寝具や着衣などで調整できる部分もあります。

自分にとってもっとも入眠しやすい環境を、様々な部分に気を使って作っていくことが大切です。

◇温度・湿度以外で気をつけること

風量 エアコンの風量調整、サーキュレーターを使う

寝具 接触冷感素材:ナイロン製で体の熱をすばやく逃がして冷たく感じさせる

リネン(麻)素材:汗によるベタつきが気にならない

コットン素材:吸湿性・吸水性にすぐれており、あらゆる季節に使える。肌触りもいい

着衣量 室温に応じて長袖長ズボンを着用する

エアコン嫌いも注意?

「エアコンが苦手だから」という理由で熱帯夜でもエアコンをつけない方もいるかもしれません。

しかし、高齢者の場合は特に注意が必要です。

筋肉は水分を多く貯えているのですが、体の筋肉量は30歳をピークとして、年に少しずつ(1%程度)減っていきます。

そのため高齢者は筋肉量が減っており、特に熱中症になりやすいです。

「エアコンで手足が冷たくなりすぎてしまう」という方は、長袖長ズボンで体を冷やしすぎないようにすれば、暑い中で無理に眠るより良質な睡眠が得られるでしょう。

「明け方に寒さを感じる」という方には、もっとも外気温が低くなる起床2時間まえ程度に、エアコンを切る設定にしておくのもおすすめです。

夏場に上手に眠るためのルーティン

夏場に上手に眠るためには、ほかの季節以上に睡眠のルーティンを整えることが重要です。

朝は陽の光を浴びる

夕方以降、長い昼寝(20分以上)をしない

陽が落ちてからは浴びる光量を調節

夏でもお風呂に浸かる

寝る前にお水を飲む

朝は陽の光を浴びる

朝はしっかりと部屋の外に出て、20〜30分ほど陽の光を浴びましょう。

脳に光が届くことでメラトニンの分泌がストップします。

メラトニンは夜のあいだに分泌が増えて、深部体温を低下させるのに作用するため、日中は出ていない状態が好ましいです。

夕方以降、長い昼寝(20分以上)をしない

深い睡眠を得るためには、午後3時以降には長い昼寝(20分以上)をしないことをおすすめします。

眠気をしっかりと夜まで溜める意識を持つことで、夜にスムーズに睡眠へと入っていけます。

陽が落ちてからは浴びる光量を調節

現代人の睡眠を妨げている要因の中でも、もっとも大きなものがスマートフォンなどのデバイスです。

陽が落ちてからもデバイスを見ることで、明るい光が目に入ってしまい、睡眠を妨げる大きな要因になっています。

少なくとも眠る2時間まえからはスマートフォンを見ないように心がけましょう。

夏でもお風呂に浸かる

夏はシャワーで済ませてしまう方も多いかもしれません。

しかし、眠る2時間まえにお風呂に浸かることで、体の深部温度を上げることが大切です。

しっかりと体温を上げておくことで、入眠する際に体の温度が下がって、自然と眠気が引き起こされます。

熱いお湯だと充分な時間(20分程度)お湯に浸かることができず、効果も得難いです。

少しぬるいと感じるくらいの温度のお風呂に、充分な時間浸かりましょう。

寝るまえにお水を飲む

体の水分が減ると、真夜中に目覚めてしまうことがあります。

眠りにつくまえにコップいっぱい程度のお水を飲んでおくと、真夜中に起きてしまうことも減るでしょう。

良質な睡眠で夏バテを脱却しましょう!

夏はただでさえ日中の気温が高くて、体力が削られてしまいます。

夏バテだと感じる方も、充分な睡眠が取れていないケースが多いのではないでしょうか。

眠りにくい真夏や残暑の時期には、眠る部屋の環境を自分にあったものにしっかりと整え、なおかつ眠りにつきやすくなるルーティンを意識することが大切。

ルーティンは基本的なことに思えた方も多いかもしれませんが、しっかりと実践すると案外難しいものです。

良質な睡眠を取って、夏バテからの脱却を目指しましょう!