同期の桜
2024.06.30 06:27
今から36年前
21歳の夏にサーフィンを始めた2人
湘南鵠沼まで、徒歩とバスと電車を乗り継ぎ
2時間くらいかけて通ってた
防衛大を卒業すると、奈良県の幹部候補生学校へ行くので
週末は2人で僕のジムニー(SJ30 2サイクルの幌)
に乗って伊勢の国府の浜まで4時間かけて通った
3000円で買ったボロボロの中古ウェットスーツで、寒くて震えながらも楽しくて楽しくて
時には和歌山まで足を伸ばした
半年間の幹部候補生学校が終わると
僕は航空機整備で宮崎県の基地へ
彼はパイロットとして山口県の基地へ
それぞれの道を歩き出すことに
あれから35年
パイロットになれなかった僕は
サーフィンだけが生きる希望で
優先順位の1番上はサーフィン
彼は戦闘機パイロットとしての道を歩むため
命をかけて日々修行
航空自衛隊の第一線を歩き続けて
今年の春、ついに楽園珈琲発祥の海がある宮崎の基地司令として赴任
35年間、この日を待ち続けた
要職に就いている彼が、果たしてサーフィンの誘いに乗ってくれるか?
少しの不安を胸に連絡したら
軽く一言
『いいよ!』笑
だよね!
35年間ぶりに2人でウェットを着て
2人で海に浮かぶ
簡単そうで
これは『奇跡』
2人とも生きていて
2人とも健康で
2人ともその場所に居て
天候と波の状況と
全てがピシッと揃わないと不可能なこと
防衛大の同期との4年間というのは
24時間寝食苦楽を共にして
共に泣き笑い
恥ずかしいくらい純粋な4年間だった
同期の桜
死ぬまで桜