おめでたい人々
下記の記事を読んで、このおめでたい人々の精神的又は血統的な母国はどこなのだろうかとつい思ってしまった。
安全保障関連法の廃止を主張して街宣活動をするのは自由だ。勝手にすればよい。
しかし、「戦争がすぐ隣まで来ている危機感」があるならば、安保を廃止した結果として生まれる軍事的空白状態を如何に埋めるか、換言すれば、如何に国防を図るかという代替手段を具体的に提示すべきだろう。
なぜならば、我が国がスイス・スウェーデン・デンマーク等の諸外国のようなシェルターを設置していないということは、制空権・制海権を敵国に奪われれば負けだということを前提にしているとも言えるわけで、かろうじて制空権・制海権を保持できているのは、自衛隊と在日米軍の奮闘努力のお蔭であって、安保を廃止して在日米軍を撤退させた後に如何に国を守るのかについて、検討に値する具体案を提示しないかぎり、彼らの主張には説得力がなく、街宣活動を100回やろうが200回やろうが誰も耳を傾けないからだ。
彼らに言わせれば、我が国が集団的自衛権行使容認の閣議決定後、安保関連法を成立させ、敵基地攻撃能力の保有や武器輸出ルールの緩和を決めたから、「戦争に向かう流れ」・「戦争に一歩でも近づく動き」が起きているとして、「戦争がすぐ隣まで来ている危機感」があるらしい。
しかし、集団的自衛権行使容認の閣議決定後、安保関連法を成立させ、敵基地攻撃能力の保有や武器輸出ルールの緩和を決めたのは、あくまでも防衛力を強化するためであって、外国に戦争を仕掛けるためではない。
にもかかわらず、「戦争がすぐ隣まで来ている危機感」が生まれるのは、戦前の反省が身に染みてあるという発言から推察して、いつでもなんでも悪いのは日本で、戦争を起こすのは、外国ではなく日本だという歴史的事実に反する妄想を前提としているからだろう。
要するに、外国が日本に戦争を仕掛ける危険性はないが、日本が外国に戦争を仕掛ける危険性は高まったという意味の危機感を抱いているわけだ。
しかし、現在、我が国も国民も、外国に戦争を仕掛ける意志が全くない。『国のために戦いますか』という問いに、日本人が『はい』と答えた率は世界最低の13%なのだから。
我が国の周辺諸国をざっと概観してみれば、明らかだが、我が国を虎視眈々と狙うならず者国家ばかりだ。
このような小学生でもわかる世界情勢すら理解できないほど馬鹿なのか、又は分かっているけど、あえて等閑視しているのか。
日本が外国に戦争を仕掛ける危険性よりも、外国が日本に戦争を仕掛ける危険性の方が高いし、現に北方領土・竹島を侵略されているのだ。一々列挙しないが、周辺国により仕掛けられた謀略戦は数え切れないぐらいある。
ロシアは、ウクライナ侵攻をやめようとしておらず、北方領土を侵略したままであり、ロシアの少数民族アイヌは北海道の先住民だから、北海道はロシアの領土だと布石を打ってきている。
中国は、チベットやウィグルを侵略し、台湾を併合しようとしているし、海底資源があるということが発表された途端に尖閣諸島を自国の領土だと主張して領海侵犯を年中繰り返している。支那の冊封(さっぷう)体制(歴代支那王朝が周辺諸国・民族と形式上の君臣関係を結ぶ体制)を前提に、沖縄のみならず本土までも中国の領土だと言っている(マルキストの歴史学者が邪馬台国論争に熱心なのは、中国の理屈に従えば、九州又は近畿が中国の領土になるからだ。)。中国の核ミサイルの多くが日本に向けられていることは周知の事実だ。
北朝鮮は、日本人拉致被害者を解放せず、核兵器を保有し、ミサイル実験を繰り返して、日本を恫喝している。
韓国は、竹島を侵略し続けており、市役所が対馬を韓国領だと公然と主張しているし、政府として公式に日本を仮想敵国として想定するよう米国に提案しているし、核兵器を保有すべきだという世論も高まっている。
台湾は、尖閣諸島の領有権を主張している。
安保法制に代わる具体的な代替案を提示しない限り、これらのならず者国家による日本侵略を容易にするための活動だと思われても仕方がなかろう。