「宇田川源流」【現代陰謀説】 平安時代でないのに黒魔術で逮捕されるモルディブ
「宇田川源流」【現代陰謀説】 平安時代でないのに黒魔術で逮捕されるモルディブ
毎週金評日は「現代陰謀説」をお届けしている。いつもは、ニュースの中に入っている陰謀などを、ここで読み解き、その内容をどのようにして「カウンター・インテリジェンス」を考えてゆくのかということが最も大きな内容になっている。陰謀が、たまに外に出てその端緒が見えてくる。もちろんそのように陰謀を玉に表に出さなければ陰謀を仕掛けている側もその進行状況が見えないということになるからだ。。そのようにして陰謀の端緒が出てきた時に、それをつかんで見てゆくことが、この連載の目的である。
しかし、そのようなことばかりではなく「他人を陥れる心理」ということもしっかりとみてゆかなければならない。要するに「人間と人間」または「集団と集団」の対立関係やその心理ということを見てゆかなければならないということになる。そのような意味でいえば、「祟り」「呪術」「黒魔術」なども、本来は陰謀の中に入る。現代社会の場合、そのような内奥うあ「心理的な圧力」出しかなく、物理的な結果をもたらすものではないということで、まあはそのような物理的な結果に対して科学的な因果関係を証明することができないということになり、そのことから、裁判になった時に公判を維持できないということになる。そのことから、これらの心因的な圧力に関しては、基本的には「犯罪の構成要件に該当しない」というようなことにはなるが、一方で、心因的なプレッシャーをかけたということは明らかになる。
日本の場合、このようなことをおこなったということは、「暴行罪」または「強要罪」が成立する余地があるとされており、暴行罪も「心因的ないじめ」に近い犯罪が成立する可能性があるということになるものの、それ以上の内容にはならない。
しかし、今回の記事では黒魔術を行ったことによって、環境副大臣が逮捕されたということになっている。日本とはもちろん法制度も法律の内容も違うので、日本の勘kな句で物事を語ってはいけないということになるし、また黒魔術そのものを行ったということを、どの様に証明するのかなども気になる。いずれにせよ「黒魔術」容疑で逮捕されるということはなかなか興味深い。
モルディブ環境副大臣、大統領への「黒魔術」容疑で逮捕 報道
【AFP=時事】インド洋の島国モルディブの当局は27日、環境副大臣を逮捕したと発表した。同国メディアは、モハメド・ムイズ(Mohamed Muizzu)大統領に「黒魔術」をかけた容疑だと報じている。
警察は、環境・気候変動・エネルギー省のファティマス・シャムナズ・アリ・サリーム(Fathimath Shamnaz Ali Saleem)副大臣について、23日に首都マレで他の2人と共に身柄を拘束したと発表した。捜査のため、勾留中だという。
国連(UN)の環境専門家は、海面上昇によりモルディブは2100年までに居住不能になると警鐘を鳴らしている。そうした気候危機に直面している同国で要職にある同容疑者について、同国メディアのサンは「ムイズ氏に黒魔術をかけた容疑で逮捕されたとの報道がある」と伝えている。
警察は、報道内容について肯定も否定もしていない。
【翻訳編集】AFPBB News
2024年6月29日 15時29分 AFPBB News
https://news.livedoor.com/article/detail/26694806/
モルディブだけではなく、イランやイラクなど、イスラム法を適用している国々では、実は黒魔術や呪術に対する罰則がかなりある。実際にイスラム原理主義を考えれば、西暦600年代の文化や科学水準で物事を考えるということになるので、当然に呪術や魔術が存在していてもおかしくはない。もっと単純に、神の存在を信じているということは、そのまま呪術そのものなど神秘性が高く科学的実証性がないものに対する実効性の内容が法執行の中に含まれるということになる。
そのようなことでいえば、イスラム法があるモルディブで「黒魔術」が「犯罪の構成要件」をなしていたとしてもおかしくはない。ちなみに、今回の環境副大臣は、黒魔術を行ったということで最高刑は禁固6か月であるということである。もう一つ「ちなみに」ということを言えば、2013年、2018年にそれぞれ、大統領選挙を妨害した、または大統領候補を黒魔術によって呪い殺そうとしたという罪で、モルディブではそれぞれ複数人の逮捕者を出しているということになる。そのような意味では、「黒魔術で逮捕」というのは、モルディブの人々の間ではそれほどおかしな話題ではなく、その対象が副大臣であったということがおかしいだけであるということになる。
さて、日本では呪術による逮捕というのは存在しない。もちろん、平安時代や鎌倉時代くらいまでは呪術による逮捕が存在し、その呪術内容は、権力者の近くで権力者を乗ろうということになる。実際に「権力者を呪っている」という時点で、反権力であることは明らかであることから、それを「実行行為になる前に」罰するということを意味している。呪術によって本会を成し遂げようということは、逆に言えば、実行行為では対抗できないということを意味しており、その実行行為で対抗できない程勢力が小さいうちに反乱の芽を摘むという意味では、ある意味で合理的であったということになろう。
さて、モルディブに話題を戻そう。
モルディブでは、「中国派」と「インド派」で政治的な対立があり現在の大統領は中国派である。しかし、中国の侵入を許し中国のための資金や軍事的ンプレゼンスを高めるということになれば、モルディブの環境は悪化し、その意味では環境副大臣としては「自分の仕事を邪魔する存在を引き入れる大統領」ということになろう。しかし、経済的に依存性が高い状況では、大統領に対抗し得ない。そのような意味で呪術による解決を図ったという事であろう。
呪ロ魔術そのものは関係がないにして、実際には、「中国派との対立」や「中国における経済的進出」というようなことが、そこまで深刻になっているが、同時に乗るディブでは反中国派があまり力を発揮できない環境にあるということにもつながる。単純に黒魔術ばかりに目を行くのではなく、このような事件から、様々な内容を見てゆかなければならないということになる。