[見どころ!]井岡一翔 vs.フェルナンド・マルチネス
7月7日(日)両国国技館
WBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦
WBA王者・井岡一翔(志成)
vs.
IBF王者フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)
井岡=1989年3月24日、大阪府出身の35歳。右ボクサーファイター型。戦績:34戦31勝(16KO)2敗1分
マルチネス=1991年7月10日、アルゼンチン出身の32歳。右ファイター型。戦績:16戦全勝(9KO)
井岡がカウンターと
ボディブローで迎撃か
4階級制覇の実績を持つWBA世界スーパーフライ級王者の井岡が、同級IBF王者のフェルナンド・マルチネスを迎えて王座統一戦に臨む。井岡の緻密で精巧なボクシングが冴えるのか、それとも変則的なスイッチヒッター、マルチネスの攻撃力が勝るのか。1ラウンドから目の離せない試合になりそうだ。
井岡は6年前にスーパーフライ級に上げ、2019年6月にWBO王座を獲得。のちに指名試合を見送ったため王座を失ったが、昨年6月にはWBA王者のジョシュア・フランコ(アメリカ)に勝って現王座を手に入れた。12月にはホスベル・ペレス(ベネズエラ)を7回KOで退けて初防衛に成功している。ガードを固めながら距離と角度を探りつつ左ジャブで突破口を開き、攻め込むときは右ストレートから左フック、左ボディブローと多彩なパンチを打ち込む。12ラウンドをフルに14度戦い切っているようにスタミナもあり、配分も心得ている。これが26度目の世界戦となる。
対するIBF王者のマルチネスは2016年リオデジャネイロ五輪に出場(フライ級1回戦敗退)し、1年後にプロデビュー。比較的イージーな相手と対戦を続けながら勝利を重ね、2022年2月にはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)の持つIBF王座挑戦にこぎ着けた。下馬評はV9王者が5対1で有利と見られたが、蓋を開けてみればマルチネスの圧勝だった。コロナ禍のため井岡との統一戦が仕切り直しになったアンカハスにとっては痛恨の敗北といえた。そして今回、マルチネスが井岡と統一戦を行うのだから先は分からないものだ。
小柄でファイター型のマルチネスが前に出ながら左右フックを強振して脅かし、ガードを固めた井岡が間隙を縫って応戦する展開が予想される。マルチネスは機を見て構えを左にスイッチするなど変則的だが、パンチの振りが大きく隙も多い。井岡がそこを突けるかどうか。乱戦に巻き込まれると厳しい戦いを覚悟しなければならないが、カウンターやボディブローで巧みに迎え撃つことができれば中盤から終盤にかけてKOチャンスも出てきそうだ。イギリスのウィリアムヒルの単純勝敗オッズは11対8で井岡有利と出ている。(原功)