陽の手、陰の手、猫の手
博多は山笠シーズンに入りました。
舁(か)き山の前後にある「台」に座って指揮を取っている様子を見ますが、あの「台上がり」はとても栄誉あることなのだそうです。
舁き手を叱咤激励して、どの棒に誰が付くか交代の指示も出します。
表(前)と見送り(後)で動きが違うそうで、こんな解説を見つけました。
同じ台上がりでも、表と見送りに座っている舁き手の動作は異なっている。
表の台上がりは、舁き山を前に進ませるように下から上へ鉄砲を振り上げる動作であるが、見送りの台上がりは後押しの力を山笠に込めるように両手で掻き込むような動作を行う。
つまり山笠は、見送りから後押しの力を取り込み、表で前進する推力を作る、という山笠が動く仕組みを台上がりが動作で示されているわけである。
動画 https://youtu.be/SR7xfSrzKfk?si=ZuSUKqEq3caQikN-
『博多祇園山笠用語辞典』より https://www.hakata-yamakasa.net/word/daiagari/
落語では、陰陽の手を使い分けるそうです。
手の平を仰向けると陽の手。
おめでたいときに使います。
ワッショイワッショイと景気づけるときは、手の平が上ですね。
手の甲を見せると陰の手。
寂しい、怖いときはこちらです。
幽霊が出て来るときは、手の甲と相場が決まっています。
また、喧嘩を静めたいときは、手の甲を上にして
「まぁまぁまぁ・・・」
と気を抑えながら場を治めますね。
これを手の平を上にやったのでは、反って煽るように感じるかもしれません。
人を呼ぶとき払うときにも、手の向きがあります。
手の使い方で、喜ばれることもあれば失礼なこともある。
元気が出るのも萎むのも、その手ひとつかもしれません。
落語に山笠、伝統の所作から、手の向きや動きの意味を知ることができます。
陽の手、陰の手。
手の平と手の甲。
表と裏。
プラスとマイナス。
活気と鎮静。
活力と癒やし。
ケアでも、箇所や状態に応じて手を使い分けます。
活力が必要なときは、手の平で手当てします。
酷く傷んでいるときは、手の甲でそっと擦ったりします。
そしてもう1つ、よく使うのが、猫の手。
猫のように丸めたグーの形です。
活力を握り込んだ癒やしの手。
この猫の手を使って、ストレスで傷んだ体にアイロンをかけるように擦っていくと、硬く縮んだ心ごと緩んでいきます。
揉みほぐさないのに楽になっていく、波動療法の不思議な素晴らしさだと思います。
ケア中時々あおいでいますが、あれも、手の甲と手の平、両面の波動を使っていることになりますね。
ケアで使う手についてご質問をいただいたので、今回改めて書いてみました。
昔のこちらもどうぞ。