嘘で塗り固められた「慰安婦問題」、その最終結論が出た
「嘘の歴史に振り回された慰安婦運動の終焉」
1990年代以降、韓国の反日活動家らが中心となって、日本を侮辱し日本を見下すための材料として使ってきた「日本軍慰安婦」、「日本軍性奴隷制」という名の歴史詐欺劇は、もはや完全に虚偽だと論破され、捏造したものと証明された。これにより、これからは彼らの言い分は世界に通用しなくなった。
何しろ、その名もずばり「慰安婦問題・最終結論」と銘打った本が、韓国人研究者の手によって出版されたのである。その日本語版は『反日種族主義「慰安婦問題」最終結論』と題され、6月10日文藝春秋から出版された。ちなみに韓国語版原著の書名と出版社は「일본군 위안부 인사이드 아웃(=日本軍慰安婦インサイドアウト)」(이승만북스=李承晩ブックス2023.12.07.発行)である。
著者の朱益鐘(チュ・イクチョン)氏は、ソウル大学で日本統治下の韓国経済史研究で博士号を取得した経済史の専門家で、『反日種族主義』の編著者である李榮薫(イ・ヨンフン)氏はソウル大学の恩師であり、現在は同じ「李承晩学堂」というシンクタンクに所属している。朱益鐘博士は、日本での出版に合わせて来日し、6月15日、東京西新宿で「嘘の歴史に振り回された慰安婦運動時代の終焉」と題して講演した。
(6月15日 出版記念講演での朱益鐘博士 筆者撮影)
強制連行説も性奴隷説のすべて「日本発」の虚言
その講演会と本の内容を要約すると、「慰安婦問題・最終結論」とはつまり、「慰安婦強制連行」や「性奴隷」といった話はすべて捏造であり、12歳の幼い少女を含めて20万人もの若い女性を無理やり連行し、敗戦後はそれらの女性を戦場ですべて虐殺したという「少女像」の碑文にある「ホロコースト」のような類いの話はすべてフィクション・作り話だということ。慰安婦は当時の公娼制度に基づき高給を稼いでいた売春婦であり、貧困家庭の親が業者から前借金をして娘を奉公に出した「年季契約労働者」であり、慰安婦になるためには17歳以上という制限があり、親の同意書や戸籍謄本、地元警察署が発行する身元調査書や渡航証明書などが必要で、本人や親の承認がなく無理やり強制連行するなどということはそもそも不可能だった。
そもそも「強制連行」や「性奴隷」などという言説は、日本の学者や弁護士が唱え、世界に普及させたものであり、慰安婦賠償請求運動には、最初から「理論研究は日本、市民運動は韓国」という役割分担があったと朱博士は主張する。そして、それらの言説が虚偽、捏造だと分かった今、慰安婦研究者の吉見義明・中央大学教授、林博史・関東学院大教授、市民運動家の西野瑠美子、戸塚悦郎弁護士らはどう釈明し、どういう責任をとるのかと糾弾する。
一方、韓国側の挺対協(挺身隊問題対策協議会)や正義連(日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)に所属する活動家や研究者は、慰安婦だと名乗り出た女性240人について、詳しい聞き取り調査と事実検証を行った上で、きちんとした一代記を作成するという作業をその誰ひとりに対しても行っていない。慰安婦3人の一代記を本にしたのはいずれも日本人研究者だった。要するに韓国の慰安婦運動グループは元慰安婦を運動の先頭に押し立てて、大衆の怒りをかき立て反日感情をかき立てる材料に使っても、慰安婦の真相を究明しようという姿勢はなかったのである(本書p20~21)。
歴史文献資料を誤読しても恥じない韓国研究者
またソウル大学人権センターと称する研究機関に所属する学者たちは、米軍が中国で撮影したフィルムを独自に入手したとし、それが「日本軍による戦場での慰安婦集団虐殺の証拠だ」と確認できたという内容の記者発表と公開シンポジウムを2018年2月27日、大々的に行ったことがある。しかし、朱博士がその米軍撮影の映像と米軍が記録に残していた撮影内容の説明書き(キャプション)の英文を調べたところ、慰安婦の遺体とされた映像は、自決した日本軍兵士の遺体であり、キャプションには「LS, Chinese soldiers strip socks off dead Japanese soldiers.(=中国兵が日本軍兵士の遺体から靴下を剥ぎ取っている)」と書かれていた。
そして、その次の行には「MSs, dead civilians, women and children in open pit.(穴の中で死んだ民間人、女性、子供たち)」とあるが、ソウル大学の研究者は、この2行を完全に一つ文章として「誤読」することによって、日本軍兵士の遺体を慰安婦たちの遺体であり、日本軍が慰安婦たちを集団で虐殺したことを証明する映像だとこじつけたのである。しかし、これらの英文の文頭にあるLSとかMSsというのは映像のキャプション・タイトルであり、それぞれ別の映像であることを示している。しかも、ソウル大学の研究者は、行末にあるピリオドを、勝手に「カンマ」に置き換えることによって、この2行が一つの文章だとして、敢えて「誤読」することまでしているのである(本書p429~434)。
一流大学の研究者としてはあるまじき不誠実な学問態度であり、これを「画期的な歴史的発見だ」と虚言をはる態度こそ、世界の恥だと思う。いずれにしても、「慰安婦」話の虚偽、捏造は、このようにして作られ、いま、朱博士の研究と著書によって、こうしてその嘘が暴かれたことを示している。
慰安婦問題を論じるとき、必ず参照すべき原典書
もう一つ、慰安婦問題をめぐる嘘を暴いた本としては、以前にも紹介したことがある金柄憲(キム・ビョンヒョン)著『赤い水曜日~慰安婦運動30年の嘘』(文藝春秋2022年10月)がある。「赤い水曜日」とは、挺対協と正義連が毎週水曜日に旧日本大使館前の「少女像」周辺で行ってきた反日集会のことであり、そこで語られてきた慰安婦の強制連行や性奴隷などの証言は「真っ赤な嘘」だったということを、慰安婦証言集などをもとに丹念な資料検証で示している。
この『赤い水曜日』(原題は「빨간 수요일 30년간의 위안부 왜곡(=赤い水曜日 30年間の慰安婦歪曲)と『慰安婦問題最終結論』という、いずれも韓国人研究者が書いた本によって、韓国人が今後、慰安婦運動に賛同するか、反対するかに関わらず、その真相を究明し、慰安婦運動の歴史を振り返るときには、必ず参照しなければならない基本的な文献となり、これらの本を無視することは、その学問的態度や公平性に問題があることを自ら晒すことになる。日本のわれわれも、韓国人に対して、これらの本を読んだことがあるかを確かめることは、彼らの真剣さや誠実さを測る指標となるだろう。
韓国慰安婦団体の鳥肌級の呆れる執拗さに負けてはならない
ところで、韓国の慰安婦団体は、かれらの嘘がここまで暴かれているにも関わらず、今度はイタリア西部サルデーニャ島のスティンティーノ市の観光客も大勢訪れる海岸通りにこの6月22日、慰安婦像を設置したという。海外では14か所目の慰安婦像だという。そして、その碑文には
「第2次世界大戦当時、日本はアジア太平洋地域で多くの少女と女性を強制的に拉致し、軍隊の性奴隷にするなど、ホロコーストに劣らない極悪非道な反人倫的犯罪を犯した。」「少女像はその被害者たちを記憶する象徴」などといった相変わらずの嘘が刻まれ、韓国語、英語、イタリア語の他、QRコードを使えばより多くの言語で碑文が読めるという。
金柄憲氏は「日本軍慰安婦問題と直接的な関連のないイタリアの小さな都市にも少女像が設置されたというニュースは、慰安婦運動団体による慰安婦詐欺の鳥肌がたつほどの執拗さを再び実感する」「終始偽りで一貫した碑文は大韓民国という国が全世界に『嘘国家』だと烙印を押す保証書のようなものだ。私たちはこのような正義連の国際的詐欺行為に対して、恥とともに怒りを禁じ得ない」と糾弾する。
<fujichan24/6/30「「呆れるほどの執拗さ!鳥肌級、なぜイタリアに慰安婦像を立てる??」>
本来は隠すべき慰安婦の存在がそんなに誇らしいのか?
金柄憲氏は別の日のデモ集会では、次のように演説している。
「慰安婦像を建てるということは新たな人権侵害なのです。犯罪人を見世物にした刑罰なのです。売春婦が誇らしいのですか?売春婦を自慢できるのですか?彼女たちは戦地で戦ったのですか?それとも独立運動でもしたというのですか?彼女たちは性的サービスを提供してお金を稼いだ職業人です。売春婦のことを本当に思うなら、隠してあげなければならないのです。なぜか?その人たちは過去、不幸な人たちだったのです。」
<fujichan24/6/13「慰安婦詐欺を訴え足掛け6年目!全国全世界を回り真実を訴えるも...日本政府も何かするべきでは!!」>
日本統治時代を経験し、当時の貧しさを知る韓国の世代は、決してこんな嘘は言わなかった。当時の戦場における慰安婦の実態を知る慰安所の経営者や慰安婦を集めた仲介斡旋業者などの世代がいなくなると同時に、反日・親北朝鮮という別の意図をもった活動家によって慰安婦問題は利用されることになるのである。しかし、嘘がばれたあとは慰安婦運動は動力を失い、消滅していくことは間違いない。そして少女像の撤去運動を韓国の良心ある人々とともに推し進めなければならない。
(6月15日 朱益鐘博士出版記念講演の会場 筆者撮影)