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猩々 クリスマス能はもしかしたら、こうだったかもしれない。

2018.12.20 07:23


「猩々」は商売の神さま!?

真っ赤な装束が特徴的です。赤の中に黄色や紫、ゴールドと様々な色彩で華やかです。

そんな猩々はもしかしたら、こんな見え方、捉え方もあるのではないだろかと、議論の末、いきつきました。


12月22日(土曜)14時〜15時
クリスマス能 〜月夜に舞う妖精〜
西宮能楽堂にて  


これを聞いていただいて、12月22日の「クリスマス能 猩々」がますます楽しくなるのではないかと感じています。

この物語には高風という人物が登場します。高風と調べると(綺高い人格)とあります。


クリスマス能 「猩々」は 商売についての教訓を教えているかもしれません。


商売をやっていると、調子がいいときや悪いときもあります。

調子がいい時は、調子に乗ってしまって、傲慢になってしまって、自分勝手になり、やるべきことや伝えていくべきことを忘れてしまったりすることもあるかもしれません。

調子が悪い時は、自分だけが損をしていると思ってしまって、冷たい心になってしまったり、感じない心になってしまったりするかもしれません。


良くても悪くても、忙しくて大事なことを忘れたり、なおざりに・・・



高風という人は、親孝行者


おそらくどうにか家族を楽にとか、もっと幸せにとか思っていろんなことを考えていたのかもしれません。

そんな時のある晩に、夢でお酒を売っている自分がいて繁盛しています。


素直な高風はこれならもっと親孝行ができると確信しお酒を売り始めます。


多分、いろいろと困難なことがあったことだと思います。

酒を売るまでにいろんな壁や障害があったに違いありません。

おそらく、友人や知人からは、やめた方がいいとか言われたことだと思います。


しかし、高風は、素直な心で、夢に従いました。

それで晴れて酒を売ることができるようになりました。

それから少しずつ少しずつ利益がでて、お金持ちになっていきます。


神さまに試された 高風


そんな時に、毎日、お酒を求めてくる人がいて、高風は少しですが儲かっているのでお酒を分けてあげていました。

その人はお酒をいくら飲んでも顔色も変えず相当強い。高風はそんな人に興味がでてきて聞いてみました。

すると、海中に住んでいる猩々だと言います。そんなのありえない!と誰もが思って、相手にしないはずです。

しかしそれを聞いた素直な高風は、お酒を持って海で待ちます。

現れたのは赤い顔の猩々でした。


いつも通り酒を飲み、楽しいひと時を過ごしました。猩々はとても喜んでくれて、お礼に舞を舞って、お酒が出てくる壺をくれました。


実際こんな話は馬鹿げていると思うものです。


実際にこれは夢での出来事だったのですが、素直で真面目な高風は真剣に受け止めました。

実際に夢の中でもありえない、そんな馬鹿げた話と思ってしまいませんか・・・


商売をやっていると、いろんなところからチャンスや発見があるものです。しかし、傲慢で調子に乗っていたり、毎日忙しくしていてはそんなチャンスが見えなくなってしまいます。



高風の素直な心と、優しい心で


その後、高風にはありえないようなラッキーなことが次々に起こります。お酒が売れまくって儲かって仕方がない。事業も拡大していき多くのスタッフが働いてくれて、大繁盛していきます。高風はそんなスタッフや関係者の方々に、猩々にお酒を分けてあげたときのように、会社の利益を分け与えます。

高風のビジネスは永遠に繁栄して、家族はもちろんスタッフや関係者、地域の方々、国へ大きな利益をもたらすことになりました。

まことにめでたいことでした。



猩々では、商売の基本が描かれているかもしれません。


どうしても目の前が曇ってしまう時もあります。夢をみることや、ふとした思いつきは大きな発見だったりするかもしれません。

しかし、そんなことやってもしかたないと思ったり、相手にしなかったりします。

忙しいからという理由だったりします。


高風は優しい心を忘れずに真面目に素直にどんな時もどんな人にも対応していました。

そうすると必ず良くなるということかもしれません。


この猩々の物語を調べていると、よくでてくるのが、徳を積むという言葉がでてきます。

高風の徳の高さ、人間の良さを、猩々が褒めて、褒美を与えたともありました。


商売をやっている人、これから商売を考えている人は是非、「猩々」 クリスマス能をみてみるべきです。きっとなにかしらの発見になるかもしれません。


12月22日(土曜)14時〜15時

クリスマス能 〜月夜に舞う妖精〜

西宮能楽堂にて