「骨盤矯正」に対する今の考え方
この業界で良くも悪くも話題になるものとして「骨盤矯正」があります。
私も何度か記事にしていますし、今までに一度は聞いたことがあると思います。
そんな「骨盤矯正」についての今の私の考え方をお話ししていこうと思います。
まず最初に、私の考えを明らかにすると「肯定はしないけど積極的に否定はしない」というものになります。
以前は骨盤矯正に対して否定的な考えでしたが、今は考え方が多少変わりました。
なぜ考え方が変わったのかというと、そもそも「骨盤矯正」という言葉自体が何か特定の施術手法を指す言葉ではないということが大きな要因となっています。
「骨盤矯正」はあくまでも「商品名」であって、実際に行う施術の手法はなんでもありです。
*ちなみに骨盤矯正は有限会社東京身体療法研究所の登録商標です。
マッサージでもストレッチでもアジャストメントでも電気でも、サービス提供者が「骨盤矯正」といえば「骨盤矯正」となります。
エビデンス(科学的根拠)のある医療行為を行なっても「骨盤矯正」ということは可能ですし、エビデンスのないオカルトっぽい行為でも「骨盤矯正」ということは可能です。
つまり「骨盤矯正」というものを批判したところで意味がなく、批判すべきは「骨盤矯正」として行う施術の内容や販売手法です。
特に販売手法に関しては、中には詐欺まがいのものもあるので注意が必要です。
その中でも気をつけなければいけないのが、回数券が絡んでくる場合です。
とはいえ、回数券そのものが悪いわけではなく、回数券も適切に扱えば患者・顧客の金銭的な負担を減らすことができます。
しかし、高回数・高額の回数券を半ば強制的に契約させるところがあるのもまた事実。
私が知る中で最も酷いと感じた回数券は、150回で何十万円という回数券です。
しかも、その場で契約しない限り帰してくれないという闇金のようなことをしていたそうです。
さすがにこれは悪質ですよね。
ここまでではなくても、初回は健康保険で施術をして、その施術中に「これは骨盤矯正を⚪︎回しないと治りませんよ」と言って骨盤矯正の回数券の契約を強引に勧めてくるところは多々あります。
骨盤矯正の回数券売上を増やすために、どんな相談をしても全て「それは骨盤の歪みが原因だから骨盤矯正をしないといけない」というところもあります。
子供とボール遊びをしていて突き指したと相談したのに「それは骨盤が歪んでいるから突き指した。だから骨盤矯正が必要だ」と言われた患者さんの話を聞いた時はさすがに絶句しました。
こういった悪質な「骨盤矯正ビジネス」は批判されて当然ですが、一方で骨盤矯正によって救われる方がいるのも事実です。
例えば、腰に痛みがあるがどこに相談すればいいかわからない方が、たまたま行った治療院の「骨盤矯正」(悪質ではない)を受けた結果痛みが解決できたパターンです。
入り口こそ「骨盤矯正」ですが、適切に状態の評価をした上で理にかなった施術をして症状が解決できたのであれば、それは施術として正解であったと評価できます。
前述の「突き指は骨盤の歪みが原因だから骨盤矯正を行う」というのは論外中の論外ですが、重要なのは「症状に対してどのように評価して施術を行うか」ということに限ります。
その入り口が骨盤矯正だろうがなんだろうが、その後が適切であればその患者・顧客にとってはいい体験なのではないでしょうか。
私は骨盤矯正を謳っていませんが、私が現在行なっている施術も私が「骨盤矯正」といえばそうなります。
悪質な「骨盤矯正ビジネス」は当然アウトですが、「骨盤矯正」を利用して適切な治療機会を与えること自体は問題ないと考えています。
こういったことで、現在私は「骨盤矯正を肯定はしないけど積極的に否定はしない」という立場をとっています。
みなさんも悪質な骨盤矯正に捕まらないように気をつけてください。