東南アジアのペット市場からみる日本のペット市場の可能性 Vol.2
ペット産業で活躍する経営者や専門家をゲストに招き、日本の動物医療やペット産業の現状と今後について、セミナー形式でヒアリングを行うインタビューシリーズ。
国内では飼育頭数が減少し、苛烈な市場環境に変化していくことが想像される中、我々が取るべき市場の判断と今後の施策とは。これからの現状判断と市場展望を中心に展開していきます。
(一部中国語でのインタビューでしたが、日本語に翻訳した上で掲載しています)
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生田目
日本の場合は少子高齢化や飼育環境の影響もあり、犬の飼育頭数は減少していますが、台湾も同じような環境なのですか?
Michael
はい。台湾の65歳以上の高齢者割合は17%と、日本の29%に比べると未だ低い数値です。
しかし、急速な高齢化が予想されており、2060年には40%を超え日本を超える高齢化割合になると言われています。
また、台湾都市部でのマンション価格は世界3位で、急速に不動産価格が高騰しています。
飼育しづらい環境という意味では日本と非常に近い状況です。
生田目
そうなんですね。動物病院などのペット施設はどのような状況ですか?
Michael
台湾は大体日本の市場の10分の1程の件数・規模で見ていただければわかりやすいかと思います。
獣医療品質もトリミングのスキルも、日本からはもちろん欧米からの情報も取り入れて年々質が上がっています。
タイでは、ペット保険の加入率向上とともに毎年8%程度の勢いで動物病院市場もトリミングサロン市場も規模が拡大しています。フィリピンはペットの売買が中心で、医療や美容のサービスは十分ではありません。
インドネシアは先ほど申し上げた通り、猫が中心の市場ではありますが、全体的に発展しています。ただ、2023年にペットショップに対する規制を設定して、ペットショップでのトリミングが出来ないなどの規制が強化されました。こちらが今後市場に影響することが考えられます。
生田目
仕事でも各国に行く機会はありますが、数年経つと大きく街並みが変わっていることが新興国の特徴ですね。その中で日本から商品やサービスを提供する場合、どこの国にどんな期待をもって輸出するのかが重要になります。実際に日本の市場と東南アジアの市場はどのような違いがありますか?
Michael
では、「ビジネス上の差異」「流通上のポイント」「マーケティング上の特徴」の3つのポイントからお伝えします。
Vol.3へ続く