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黒沢和泉・黒澤和泉

市議会報告 一般質問④保育について

2024.06.28 02:12


<子育て世帯にアピールするチャンス>

 千葉市の保育園申請者数は年々増加しており、入所待ちの人数も毎年100人単位で増えています(参照:写真1)。これは、千葉市で子育てを希望する家庭が増えている証拠です。この状況をチャンスと捉え、適切な保育施設の整備を進めるべきです。

 千葉市の公表データによると、3歳未満児の入所申込数は8,889人に対し、認可定員数は8,421人と明らかに受け皿が不足しています。さらに、各年齢の児童数について問い合わせたところ、0歳の受け皿は足りているものの、1・2歳児の受け皿は、入所申込数と比較して1,000人分ほど足りないという回答でした(参照:写真2)。このままでは待機児童ゼロになるのは難しいため、数字上は0歳児の受け皿を1・2歳児に割り振っているのではないかと考えます。

<主要な質問事項と回答>

1) 保育園に入れない子どもが増加している原因の現状認識について

答弁: 共働き世帯の増加により保育需要が増えているが、必要な保育士の確保が難しく、受け皿が不足していることが大きな要因です。

2) 1・2歳児の定員不足について、0歳児の受け皿を割り振って対応していることについて

答弁: 保育園の定員は施設ごとに設備や年齢バランスを考慮して設定されており、保育士の配置基準や面積基準を満たしつつ、年齢構成を変更することで対応しています。

3) 保護者が登園可能な保育所を、自宅から30分未満で通園できる施設としている設定が、保護者のニーズに寄り添っていないとの指摘について

答弁: 通園可能な施設を自宅から30分未満と設定しているのは、幅広い斡旋を望む声もあり、国の例示を参考にしているためです。引き続き、保護者のニーズに対応できるよう努めます。

4) 保育の受け皿整備を最初から抑える方向の政策に対する見解について

答弁: 少子化の動向を踏まえ、既存施設の最大活用と地域の需要に応じた新設を進めています。保育士確保の支援にも取り組み、受け入れ態勢の強化を図ります。

5) 保護者の働き方やライフスタイルに応じた選択ができるような柔軟な保育制度の導入に対する市の見解について

答弁: 一時預かり事業や未就園児預かり事業に加え、新たな制度として「こども誰でも通園制度」を実施し、保護者の育児負担の軽減を図ります。

要望と提言

実態と合っていない待機児童数ゼロのアピールや、ピークアウトを前提に設備投資を抑制するという考えは捨てるべきです。今、多くの家庭が千葉市を子育ての場所として選んでいるこのチャンスを逃さず、圧倒的に保育の受け皿を増やすべきです。また、保育人材の確保に関しても、他都市との競争に尻込みせず、積極的に待遇改善に取り組むべきです。

令和2年度に千葉市が行った保育士へのアンケートでは、離職理由の上位に結婚、職場の人間関係、長時間労働が挙げられていました。結婚後も子育てしながら働ける環境や、職場の人間関係について相談できる改善策があれば、一度離職した方も戻ってくる可能性があります。本年4月に開設された「ちばし幼児教育・保育人材支援センター」は、このような相談窓口を備えており、その役割は非常に重要です。センターの存在をより多くの人に周知するためのプロモーション活動を積極的に行うべきです。

さらに、将来的には保護者対応についてもセンターでサポートするなど、他の都市にはない、保育士と保護者の両者に寄り添ったサービスを提供することが必要です。これにより、千葉市は子育てしやすい都市として他都市との差別化を図り、さらに魅力的な場所となるでしょう。