【血統注目馬】関東馬10選~前編~ シルクホースクラブ 2024年度募集
本ブログを多くの方に読んでいただいているようで、嬉しい言葉もかけていただきありがとうございます。今年は関東・関西から配合的に注目している馬を各10頭に厳選しました。
血統に少しでも興味をもっていただき、馬選びの参考になれば幸いです。
血統アドバイザーのお仕事もお待ちしております。
2. サラキアの23
募集価格1億円 牡 田中博厩舎 ノーザンF生産 2/16生まれ
体高153.0cm 胸囲174.0cm 管囲20.6cm 馬体重471kg(7月上旬時点)
父エピファネイア 母父ディープインパクト
POGで話題となったサラコスティの異母同血。祖母サロミナはどんな種牡馬でも産駒が出世する優秀な繫殖牝馬。
父エピファネイア×母父ディープインパクトは緩慢さが出る配合のため、母方には短距離的なパワーやSpecialの血などで体質を締めることが非常に重要。本馬の祖母はDanehill+Nijinsky+Ribotを持っており、Danehillの後躯パワーを強く伝えるため、緩さを出しにくい配合と言える。祖母が独オークス馬と中長距離馬にはなるが問題ないだろう。
田中博厩舎×ノーザンF関連クラブ牡馬は堅実に走り、ローシャムパーク、レーベンスティールが重賞勝利するなど高確率で活躍馬を輩出している。ノーザンF意向で最上位厩舎の1つ。
3. リリーズキャンドルの23
募集価格6000万円 牝 栗田徹厩舎 ノーザンF生産 3/18生まれ
体高154.0cm 胸囲183.0cm 管囲19.5cm 馬体重448kg(7月上旬時点)
父エピファネイア 母父Style Vendome
母は仏GⅠマルセルブサック賞勝ち馬で、近親にはリスグラシューがいる牝系。本馬と同じ牝系であるリリサイドはエピファネイアと相性が良く、ココクレーター、ラレーヌデリス全2頭とも活躍している。
本馬の母もリリサイドと同様に、Sadler’s Wellsの血を持ち、マイラーのスピードが持ち味で、エピファネイア産駒に重要な体質を締める血を持っている点に好感が持てる。フランス血統の直線の伸びが生きそうな血統構成。
4. イストワールファムの23
募集価格6000万円 牡 奥村武厩舎 ノーザンF生産 3/18生まれ
体高151.5cm 胸囲168.0cm 管囲20.3cm 馬体重370kg(7月上旬時点)
父キタサンブラック 母父ローエングリン
キタサンブラック産駒はSir Ivor、Halo、Danzigの血を入れてスピード補完させることが重要。本馬の母イストワールファムがHalo 4×4を持ち、母父が快速マイラーのローエングリンであることからスピード能力を強く伝えるだろう。また、トニービン、Sadler’s Wells=Fairy King(Northern Dancer+Special)、Wordenの血もキタサンブラック産駒と相性が良く、フランス血統の直線の伸びを強化した配合は非常に魅力的。
上記の血をすべて持つキタサンブラック産駒にはイクイノックス、スキルヴィングがおり、配合的には完璧で大物感十分。母イストワールファムの産駒は毎年POGで注目されており、潜在的なポテンシャルは高い。気性的に難しい産駒が多いが、いつ大物が出てもおかしくない。
馬体が小柄な点が大きな不安。キタサンブラック産駒は馬体が大きい方が成績が良く、馬体重増の時に好走しやすい。コルトサイアーとなる要因でもある。募集価格・厩舎ともにそれが原因かと思ってしまうほど。とにかく馬体の成長を祈るだけ。
5. サラーブの23
募集価格5000万円 牝 宮田厩舎 ノーザンF生産 2/11生まれ
体高154.5cm 胸囲176.0cm 管囲20.0cm 馬体重447kg(7月上旬時点)
父キタサンブラック 母父ルーラーシップ
配合的には3/4同血のラスールが活躍している。祖母サマーハは芝中長距離のサンデー系種牡馬と交配すると、先行機動力に富む傾向にあり、キタサンブラック産駒と相性が良い印象だ。
本馬は母父ルーラーシップになったことにより、相性の良いトニービン、Nureyev≒Sadler’s Wells、Haloの血を持つ形になり、イクイノックス、スキルヴィングに共通するキタサンブラック産駒の成功配合に該当する。キタサンブラック産駒牝馬という点が悩ましいものの、好配合馬であることは間違いない。
気性的な課題がありそうなだけにノーザンF天栄御用達の宮田厩舎になるのも大きなプラス。この牝系特有の故障さえなければ堅実に走ってくるだろう。
6. シャトーブランシュの23
募集価格1億円 牝 木村厩舎 ノーザンF生産 2/26生まれ
体高158.5cm 胸囲174.5cm 管囲20.0cm 馬体重448kg(7月上旬時点)
父キタサンブラック 母父キングヘイロー
全兄イクイノックス募集時も血統派界隈では好配合馬として取り上げられており、その配合論はいまだ健在。母父キングヘイローのSir Ivor、Haloの血からスピード補完は十分。キタサンブラック産駒と相性の良いトニービン、Nureyev、Le Fabuleuxの血を持つ文句なしの好配合馬。母シャトーブランシュはどんな種牡馬でも堅実に走る優秀な繁殖牝馬でポテンシャルは相当高い。
母の産駒はAllegedの血が影響してか、牝馬だとややキレ味が削がれている印象なのが不安。種牡馬キタサンブラックはコルトサイアーでもありそうだし、G1馬の全弟妹は出資しないという宗教上の理由から筆者は出資を見送る。
関東馬(後編)につづく