ZIPANG-9 TOKIO 2020 松江藩七代藩主 松平不昧公好み【明々庵】
独自の流派「不昧流」を確立
「客の心になりて亭主せよ。亭主の心になりて客いたせ」 不昧公
写真左:大名茶人・不昧公(松平治郷)
不昧公御愛用茶の湯の水
松江に茶の湯文化を広めたのは、松江藩松平家7代藩主・松平治郷(不昧公)。藩の財政改革に注力する一方で、当代一の茶人として、作法やしきたりに縛られ過ぎない独自の流派「不昧流」を確立しました。
肩肘張らない茶道は庶民にも親しまれ、同時に和菓子文化も醸成。令和の時代の今も、松江の一般家庭では日常的に抹茶や和菓子が楽しまれています。
そんな松江の和菓子は数々の賞を受賞するなど評価が高く、味はもちろん目でも楽しめる芸術品として多くの人に愛されています。
松平不昧公
歴代の松江藩主の中で、松江藩中興の祖とされるのが、大名茶人として名高い松平家7代藩主の松平治郷(1751~1818年)です。「不昧公※」の名で今も多くの人に親しまれていますが、これは1806年の隠居後に剃髪して名乗った号「不昧」からきています。
※宝暦元年(1751)~文政元年(1818)雲州松江藩七代藩主、幼名を鶴太郎、名を治郷(はるさと)といい、未央庵(みおうあん)・一々斎(いちいちさい)・宗納(そうのう)・不昧などの号をもっている。
不昧の号は、江戸天真寺の大顛和尚(だいてんおしょう)が、無門関百丈野狐(むもんかんひゃくじょうやこ)の章「不落不昧(ふらくふまい)」から命名したもので、公は特にこの号を愛用した。
藩主となった当時の松江藩は財政難でした。治郷の父・宗衍は財政改革を推し進めましたが、度重なる天災、幕府から命じられた社寺改修といった出費のため成果は上がらず、1767年に数え年17歳だった治郷に後を託して隠居しました。
治郷は家老に朝日丹波郷保を起用し、「御立派の改革」と呼ばれる財政再建策を進めさせました。藩内での借金を棒引きにするなどの債務整理や、藩の人員体制見直しといった歳出削減に大なたを振るいながら、薬用人参や櫨蝋の栽培をはじめとする産業振興策で収入増を図り、藩の財政を立て直したのです。
その一方で治郷は、十代のころから茶の湯や禅学を熱心に学びました。大名茶として知られる石州流を基本としながら、三斎流など他の流派にも接して自らの茶道観を確立しました。これが不昧流として今も伝わっています。
著書「贅言」は、茶の湯への執心を諌めた家老朝日丹波への反論で、形式や道具にこだわる当時の町人たちの茶の湯を批判し、わびの精神を説きました。
藩財政立て直しの後は、当時の大名家などから次々と巷に散逸していく茶道具の収集に力を注ぎました。その収集品はのちに「雲州名物」と呼ばれ、茶の湯や美術の愛好家から高い評価を受けています。
茶の湯の歴史における治郷の大きな功績は、それまで単に「名物」と呼ばれていた茶道具の名器をさらに細かく「宝物」「大名物」「中興名物」などと分類し、18巻にも及ぶ著書「古今名物類聚」にまとめたことです。また、松江藩内で美術工芸の振興も図り、陶芸や漆工、木工の世界で多くの名工を育てました。
厚い茅葺きの入母屋造り
大名茶人、松平不昧公が29歳の時、自ら指示書を書いて造らせたのが茶室「明々庵」です。雨雪を防ぐため、厚い茅葺きと長めの庇が用いられた入母屋造り。寄棟と切妻を組み合わせた重厚な造りは、耐久性や耐風性に優れているのが特徴です。
狭い茶室は主客を親密に
お茶をいただく「本席」は、「二畳台目(にじょうだいめ)」と呼ばれる、二畳と4分の3の大きさの畳を組み合わせただけの狭いスペース。戦国時代、お茶席は武士の密談の場にも使われました。千利休の流れをくむ茶道を学んだ不昧公は、亭主と客が親密な関係を作れるコンパクトな設えを取り入れたのです。
不昧公直筆の掛軸も
扁額(へんがく)には、不昧公直筆の「明々庵」の字が記されています。現在は文字が薄れていますが、茶室内には同じものが掛軸として掲げられており、芸術的な不昧公の文字を見ることができます。
明々庵とは
明々庵は茶人として知られる松江藩七代藩主松平不昧公の好みによって、松江市殿町の有澤(ありざわ)家本邸に建てられ、不昧公もしばしば臨まれた席であります。
一時は東京の松平伯邸に移されていたが、その後松平家から郷国出雲に帰され、昭和3年菅田庵(かんでんあん)のある有澤山荘の向月亭(こうげつてい)に隣接した萩の台に建てられていた。
大戦後、管理が行き届かず、荒廃していたのを、昭和41年、不昧公150年祭を機に現在の赤山の大地に移された。
茅葺の厚い入母屋に不昧公筆の「明々庵」の額を掲げ、茶室の床の間は、五枚半の杉柾の小巾板をそぎ合わせた奥行きの浅い床で、また二畳台目の席は中柱もなく炉も向切りといった軽快なものとなっており、定石に頓着しない不昧公の好みの一端を伺うことができます。
赤山茶道会館
赤山茶道会館は、昭和五十一年に松江市北堀町赤山の台地、明々庵に隣接して開設された施設です。
この会館は当地方の茶道各流派の方々に、お茶のお稽古やお茶会などに利用して頂くよう整備したものです。
20畳程の洋間、水屋、厨房などもあり、立礼の稽古や、30人程度の会議もできます。
閑静な赤山の台地の上にある会館は、緑に包まれ、四季折々の景観も楽しめます。
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
明々庵
公益社団法人 島根県観光連盟
紅山子(こうざんし)
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松江のシンボル松江城は全国で現存する12天守のうち、国宝の一つで唯一の正統天守閣ともいわれています。
画像の上でクリックすると拡大表示できます。
日本の城は、幕末で338城、明治6年の太政官布達によって58城が存続されることになり他は廃城となりました。しかし残った58城も太平洋戦争で焼失したものが多く、現在古い天守閣をそのまま残す城は12しか残っていません。
松江城は残った12城の一つ。築城時期は江戸時代だが、その様式は桃山時代のものと伝えられます。天守閣の屋根はいわゆるいぶし瓦。鬼は角が未発達で、鯱鉾木骨青銅張り、平部は本葺き。城も城下町も、いまだ戦乱癒えぬ時代からか実戦に備えた堅固な工夫が随所になされています。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~石州瓦物語(その4)~「石州瓦が200年に渡って守り続けている町並み石見銀山『大森町』」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5363971
『石州モノは、凍てに強く、水を通さない。』『とにかく固くて丈夫な瓦』瓦職人の間で、昔から語り継がれてきた言葉です。
国宝 松江城
松江城は,松江市街の中心部,亀田山に築かれた平山城である。慶長5年(1600)に出雲・隠岐の領主となった堀尾氏が,同12年より築城を開始し,同16年にほぼ完成した。現在の天守はこの時につくられたものです。
外観は四重,内部五階,地下一階の形式で,正面の南面には玄関となる附櫓を設け,屋根はすべて本瓦葺です。軸部は長さ二階分の通し柱を多用しており,周囲に包板)を釘や鎹,帯鉄で取り付けた柱も多数見られます。部材の番付は二種類に大別され,二階以下に用いられた分銅紋に「富」の字を刻む部材は,安来市にあった富田城の部材と思われます。
松江城天守は,中国地方に唯一残る荘重雄大な四重五階の天守になっています。最近になって再発見された二枚の祈祷札から,慶長16年(1611)の完成が明らかとなりました。
通し柱による構法などの独自の建築的特徴を有し,近世城郭最盛期を代表する建築として極めて高い価値があります。防御性を重視した中世山城から,高層化して近世都市の基軸へと進展してきた我が国の城郭文化の様態をあらわしており,深い文化史的意義がある城です。
宮殿ホテル 川久…中国北京の紫禁城と同じ、老中黄の瑠璃瓦
紺碧の海を望む、宮殿ホテル 川久は世界各国の一流職人による匠の技を 集結して造られた“夢の城”。 伝統技術が今に息づく、色あせない建築美は1993年、 優れた建造物に授与される「村野藤吾賞」を受賞しています。
老中黄の瑠璃瓦
中国北京の紫禁城と同じ、目にも鮮やかな老中黄の瑠璃瓦。かつて皇帝以外使うことが許されなかった瓦が、長い歴史上唯一、ホテル川久に47万枚使われています。
城壁を飾る煉瓦
イギリスIBSTOK社製の煉瓦でデザインされた城壁。73種類140万個、形状様々な煉瓦の組みあわせで巧妙な模様を作り出しています。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~ 石州瓦物語 (その3)~ 「日本各地に残る城下町の瓦の殆どはいぶし瓦!」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5350198
松平不昧ゆかりの逸品と琳派
不昧公
「茶の湯は稲葉に於ける朝露のごとく、
枯野に咲けるなでしこのやうにありたく候」
重要文化財《唐物肩衝茶入 銘 油屋》中国・南宋~元時代 畠山記念館蔵
大名茶人として知られる松江藩主松平不昧の存在は近代数寄者に大きな影響を与えましたが、即翁にとっても同様でした。即翁は不昧への敬慕から、不昧ゆかりの茶道具を数多く蒐集しています。かつて秀吉が所持し、のちに手にした不昧が天下の宝物として格別の扱いをした《唐物肩衝茶入 銘 油屋》(からものかたつきちゃいれ めい あぶらや)
(重要文化財)はその代表と言えます。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-8 TOKIO 2020 茶の湯と琳派の名品が一堂に!中四国初開催「畠山記念館名品展-松平不昧ゆかりの逸品と琳派-」
https://tokyo2020-8.themedia.jp/posts/52468578/
竹一重花入れ 銘 滝津瀬 裏山の竹で作る
生活の工夫
お茶をする方は、様々な工夫をされるようです。
お茶には、生活の知恵につながるものが沢山含まれているように思われます。
それは茶道の動作が、最も合理的な用の美ともいえる、無駄のない、模様のつかない動きを目指していることに関係しているようですね。
ものの扱いしかり、ものの寸法しかり。気まぐれに作った竹の花入れはやがて飽きてしまいますが、何百年も時代をくぐり銘品とされてきた、花入れの寸法を真似てつくってみると、皆さん異口同音にどのような花も良く合って長く楽しめるのが不思議ですとおっしゃいます。
是非一度体験されては如何でしょう・・・
石庭 手水鉢と子供たち 子ども茶道教室 表千家流教授 小俣 宗苑
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-7 TOKIO 2020「自然と暮らす茶の湯の楽しみ方」
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/49215046
日本の文化とマナーを学ぶ『Hawaii セミナー』を4月6日開催!
~台北楊三郎美術館館長・ノリコマナーズ代表 村越のりこ氏~
楊三郎美術館にてお点前 村越のりこ氏
【村越のりこ プロフィール】
台北楊三郎美術館 館長
株式会社のりこインターナショナル 代表取締役/ノリコマナーズ 代表
茶道裏千家 正教授
東京四谷生まれ。
現在、東京、台北、ハワイ(ワイキキ)の3拠点にて活動中。
海外での日本人のマナーの良さに自信と誇りを持ったことをきっかけに、この素晴らしい文化の継承をすべきと決心する。
日本の伝統文化である礼法を通じマナーを教示。自信と余裕が持て、言葉が通じなくても優しい笑顔と心配りで世界でも人と人の和を深く広げる人財の育成に日本のみならず海外でも活動。多くの方々より称賛を得ている。
お茶の作法は、日本では四季……季節を取り入れることで感性を豊かにすることが重要だ。それはマナーも同じ。
台湾でも、土地の風習や季節にあったものを研究し、その上で例えば手紙を書いてみたり、浴衣でのお点前の機会を作ったり……文化・礼法のどちらもが楽しく取り組めるように工夫を凝らして行われている。
「マナーは人々の生活を密着しているもの人と人との潤滑油。時間のない現代人こそ、『無理をしないで』学び続けることが大切だと思います。私自身日々勉強……気づくことは無限にあります」
台湾 楊三郎美術館 館内 ギャラリー
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-8 TOKIO 2020 ~日本の文化とマナーを学ぶ~美術館で茶道!~台湾で人気「日本の文化と礼法」ハワイへ躍進
https://tokyo2020-8.themedia.jp/posts/51763387
「日本で最も美しい庭園のひとつ」と評される「由志園」
松江市東部、中海に浮かぶ島「大根島」にある由志園
「日本で最も美しい庭園のひとつ」と評される「由志園」
いよいよ冬本番。寒さが厳しくなるこれからの季節を彩るイベントが、日本庭園「由志園」で開催されています。市東部、中海に浮かぶ島「大根島」にある由志園は、「日本で最も美しい庭園のひとつ」と評され、ミシュランガイドと共に有名な格付け観光ガイド「ブルーガイド」にて三ッ星を獲得しています。
和のイルミネーションが松江を代表する日本庭園に彩る
日本庭園 由志園
イルミネーション「黄金の島ジパング2020」イベント開催
日本庭園「由志園」では、秋冬に和のイルミネーション「黄金の島ジパング2020」イベントを開催しています。 1kmにわたり流れる光の流星、1万坪の空間で連動する光のエコシステム、花札、十二単をモチーフにしたデザインなど、日本の伝統美と最新のテクノロジーが織りなす光の世界です。
130万球のイルミネーションを新感覚ZEN Musicで演出!「祈り」をテーマに日本庭園に広がる癒しの光空間を作り出します。
50台のプロジェクターによる庭園全体のマッピング、1670万色に光り輝く出雲富士ダイヤイルミネーションや園内中央の池泉を舞台にした水中イルミネーションも見どころです。
11月30日までは紅葉ライトアップ、12月1日からはクリスマスバージョン、1月2日からはニューイヤーバージョンの演出を致します。
※イルミネーションアワード2020プロフェッショナルパフォーマンス部門において全国4位に中国地方初のランクインをしました。
えびすだいこく両参り 美保神社
美保神社 365日毎朝・夕 神恩に感謝し巫女舞を・・・
えびす様の総本宮「美保神社」
事代主命(えびす様)の総本宮で、母神である三穂津姫命と共にお祀りしてある古大社。本殿は大社造りを2棟並べた特殊な形式で、美保造りまたは比翼大社造りといって、国の有形文化財に指定されています。365日毎朝・夕 神恩に感謝し祝詞・巫女舞(太鼓・笛のみの日もあり)が行われます。
えびすだいこく両参り
出雲大社※のだいこく様と美保神社※のえびす様は親子の神様。片方の神社に参拝するのは「片参り」と言われ、「両参り」することでより良い縁に恵まれると云われております。幸せな縁が結ばれ両想いになれるよう、ぜひお参りください。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-5 TOKIO 2020【黄金の島 ジパング 2020】松江市が贈る冬の風物詩 & 島根半島の聖なる岬「美保関」で歴史と伝統を堪能
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/11735305
~水の都の「松江水燈路」~
今年も、松江の秋の風物詩である光のイベント「松江水燈路」が開催されています。21回目を迎える松江水燈路は、築400年を超える国宝「松江城」や江戸時代から続く町並みが残る塩見縄手が、無数の行燈や光のオブジェに照らし出され、やさしい光に包まれています。
また、一年でこの時だけの「堀川遊覧船」の“夜間運航”では、塩見縄手のお堀沿いに並べられた行燈の光が水面にゆらめく様子や松江城の北側に広がる“鎮守の森”をライトアップしながら運航する「光船」など、水燈路だけでしか味わえない幻想的な光の景色をお楽しみいただけます。
その他にも市民手作りの行燈が、ライトアップされた松江城をバックに約500基並ぶ“手作り行燈展”や夜間の松江城天守登閣、小泉八雲記念館での演奏会や武家屋敷の特別ライトアップ、アートパフォーマンスなどを予定…
また、松江堀川ふれあい広場と大手前駐車場での“宵屋台”や塩見縄手での“夜きつね縁日”も開催中!
尚、今回は、松江城・松江水燈路国際交流イベント協議会との共催により、2日間限定で平日の特別開催があります。開催日には、石見神楽の特別公演や松江の伝統行事である“鼕”を体験できる企画の他、山陰のグルメやしまねの地酒のふるまいなど沢山の催しを予定。
きっと昨年にも増してお楽しみになれることでしょう。
松江の市民が一丸となってイベントを盛り上げ、これから何十年、何百年と続く松江の伝統文化になりつつあるイベントです。松江の人々が作り、温かく歓迎してくれる“松江水燈路”
ぜひお越しください。
一般社団法人 松江観光協会は、これからも皆様に“新しい宿泊観光”を楽しんでいただくため、癒しと笑顔を提供できるたくさんの“アイディア”を企画・発信していくことでしょう。