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妖怪

2024.07.14 15:05

夏といえばホラー。

だけど、そもそも、怖いとなんで寒くなるんだろう?

と思って調べた。


兵庫医科大学の服部教授の話では、これには自律神経が関係しているとのこと。

「怖いということが起これば、交感神経が反応する。その瞬間に一番大事な心臓に血液が集まる。そうなると先の方の血液が減少して冷たくなる」と、心臓を守るために血液が集まるので、末端の血管が収縮して肌体温が低下するそうだ。

また、"怖い""緊張""期待ハズレ"などの「ストレス」で一瞬"さむっ"と感じてストレスを回避しようとする。

人前で発表して手先が冷えるのも、オヤジギャクで"さむっ"と感じるのも、怖い時にゾッとするのも同じ原理で起こっている。


血液の移動なんだ。そしてストレス回避でもあるのが面白い。



昨日は世田谷文学館の『伊藤潤二展 誘惑』に行ってきた。

絵を描かない私でもわかるものすごい画力を原画でたっぷりと堪能できた。

白黒(漫画絵)だけではなく、カラー絵もものすごく幻想的で美しい。そして怖い。

美しさと醜さの両方が絶妙なバランスで成り立っていて、表裏一体だと思った。


そして、伊藤潤二先生のユーモアを感じられて最高だった。

・すごい絵の横に「私は油絵が向いているような気がする。下手だけど。」とか「うーん、こりゃダメだ。」とか、人間味のあるコメントがついている

・伸び縮みする愛猫を見てアコーディオンにしたい衝動に駆られ、それを漫画にする

・異形の見た目とストーリーのレパートリーが留まるところを知らない


『不気味の穴』に確か書いてあったように、ホラー漫画は怖いものが出てきた時点で出オチになったり、終わり方は誰かの死(もはや主人公の死)だったりと短編になりがちで、コメディ漫画さながらのアイデア勝負なところがある。

先生は読者に恐怖を与えている反面、生粋のエンターテイナーだと改めて思った。


全作品撮影可能だったので、ストレージがいっぱいになるまで撮った思い出写真はInstagramにまとめようと思う。



家に帰ったら、別冊 怪が届いていた!

お目当ては、Xで見かけた水木しげる×坂本慎太郎の対談。

ECサイトに全然在庫がなくて、メルカリでもその号がタッチの差で売り切れて、同じことを考えた人が他にもいるんだなぁと少し嬉しくなりつつ、“全仕事”のまとめ本を買ってみた。

妖怪とホラーは、また少し雰囲気が違うかもしれない。

私が伊藤潤二先生を知ったきっかけは楳図かずお先生について卒論で書いてたときだし、ティム・バートンやギレルモ・デル・トロ映画(ダーク・ファンタジーもまた少し違うかな)が大好きだけど、妖怪については深堀りしたり本を読んだことがなかった。

よく考えると、大好きな音楽家はゆらゆら帝国だけじゃなくて椎名林檎も、妖怪の世界観を作品に取り入れてたことに気づいた。


ティム・バートンの世界観は圧倒的に「イギリスの怪異」で、フランケンシュタインやジャック・ザ・リッパーがベースになっている。色んな種類がいるし、ある意味イギリスの妖怪とも言えるのかな。

そう考えると、「イギリスの妖怪」と「日本の妖怪」を戦わせる『妖怪大戦争 帝国編』みたいな映画、ちょっと見てみたい……(笑)


すでに読み進めている中で、印象的だった内容を書き起こしておく。


■水木しげる×坂本慎太郎

・水木先生も坂本さんも、子供のときから死ぬのが恐ろしかったと言う。坂本さんは私の中で意外だった。

『生きていればいいことがあるような気がしたけれど、長い間、生きていると、たいしたことないということがわかったから、最近はそれほど怖くないです。』

やっぱり死や恐怖の世界に惹かれる人は、怖いからこそ、近づいて解明したり、「きっとそんな悪いもんじゃないよ」と思えるような想像の世界を張り巡らせるところがあるんだと思った。ゲゲゲの鬼太郎の『おばけにゃ学校も しけんもなんにもない』っていう歌詞、今でも憧れる気持ちと恐怖が入り混じった複雑な気持ちになる。

・二人とも寒いのが苦手で、坂本さんが春先にはやるぞーっとなるけど寒くなるとだんだん暗くなってきてしまうと言っていて、親近感が湧いた。
人間は季節とともに生きているので、一年を通してロボットのように同じパフォーマンスを出し続けるなんてそもそも無理だと思う。

・水木先生が急に坂本さんに『おたくは眉毛がない?』と言いだして、妖怪なんじゃないかって疑い始めるところが面白かった。


■水木しげる×井村君江(妖精研究家)

・妖怪の世界と妖精の世界は、すぐ近くにあったんだ!二人とも、これまでメジャーじゃなかった文化を押し上げてきたすごい方たちだ。
この対談当時は妖怪よりも妖精が流行っていて、妖精ファッションが流行ったり美術館もできはじめていたが、妖怪はまだまだだったらしい。

・妖精も、イギリス地方出身。妖精のことがもっと知りたくなってきて、最寄りの図書館に本を取り寄せてみた。
ついこの間、会社の同僚ちゃんに『ハリー・ポッターと賢者の石』の原作本も借りたところだから目が足りなくなりそう。