ZIPANG-9 TOKIO 2020 世界的な「砂不足問題」解消に向け、「HOTATETRAPOD(ホタテトラポッド)」廃棄貝殻を砂の代替素材に。砂の使用量が約50%も削減可能に
令和6年1月1日午後4時10分頃発生した、能登半島地震で被害を受けた皆さに、
心よりお見舞い申し上げます。(編集局)
7月20日から開催される
北海道猿払村「さるふつ観光まつり」で初お披露目
株式会社TBWA HAKUHODO(東京都港区、代表取締役社長兼CEO:内田 渉)は、
北海道猿払村(村長:伊藤 浩一)、
猿払村漁業協同組合(代表理事組合長:沖野 平昭)、
株式会社ササキ(北海道猿払村、代表取締役社長:佐々木 正明)、
清水建設株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:井上 和幸)、
甲子化学工業株式会社(大阪府大阪市、代表取締役:南原 在夏)、
株式会社不動テトラ(東京都中央区、代表取締役社長: 奥田 眞也)、
日本国土開発株式会社(東京都港区、代表取締役社長:林 伊佐雄)
と共にプロジェクトチームを組み、水産系廃棄物のホタテ貝殻を再利用した、
ブルーカーボンテトラポッド(※1)「HOTATETRAPOD」を発表し、2024年7月20日から
北海道猿払村で開催される「第50回さるふつ観光まつり」にてお披露目します。
※1「テトラポッド」は不動テトラの登録商標
HOTATETRAPOD(ホタテトラポッド)は、テトラポッドに使用する砂の代わりに猿払村のホタテ貝殻を使用することで、砂の消費量を50%まで抑えたサステナブルなテトラポッドです。
生物模倣(バイオミミクリー)の考えに基づき、ホタテ貝殻から着想を得たリブ構造をデザインに採用することで、海藻がつきやすくなるため、魚介類の餌場となるだけでなく、海中の炭素を吸収するブルーカーボンの増大を実現しています。まさに、海にも地球にも優しい環境配慮型テトラポッドが誕生しました。
このHOTATETRAPODは、2024年7月20日から北海道猿払村で開催される
「第50回さるふつ観光まつり」でお披露目したのち、HOTATETRAPODは北海道猿払村に
記念碑として設置します。また、2024年度以降は、北海道オホーツク地方の海岸に設置を
するための体制作りをしていきます。
本プロジェクトチームは、これまで培ってきた建築技術を活かし、ホタテ貝殻を砂に代わる重要な資源として捉え、サステナブルな取り組みをより一層推進していきます。
■「HOTATETRAPOD / ホタテトラポッド」開発背景
1. 国連環境計画(UNEP)が警鐘を鳴らす
「サンド・クライシス」(砂の危機)
砂はコンクリートの製造や住宅、道路、インフラ整備などのさまざまな用途で使用され、経済発展には不可欠な資源の1つです。一方、砂を掘り出すことで、海岸などの侵食や塩害、高潮対策の喪失を引き起こす可能性があるほか、生物や環境への影響も危惧されています。
現在、世界各地で発生している都市化の影響や、気候変動により世界では年間約500億トンもの砂が消費されています。砂不足問題は世界的な課題として注目を集める中、建設業界として何ができるかが求められています。
2. 砂の置き換えとして注目される、「猿払村」の廃棄ホタテ貝殻
本プロジェクトチームは、テトラポッドの開発を行っている不動テトラ、「シェルコンクリート」の開発と港湾構造物への適用実積がある日本国土開発、さらには、今回のプロジェクトに先駆け、猿払村の廃棄貝殻から生まれたプロダクト「HOTAMET/ホタメット」を開発した甲子化学工業のノウハウを生かし、この問題を解決することができないかを考えました。
そして注目したのは、国内の水産物の中でも輸出額が最も多いホタテ。
猿払村はホタテ水揚げ量日本一に何度も輝く、国内有数の生産地です。
一方、猿払村の位置する宗谷地区では、ホタテを加工する際に、水産系廃棄物として貝殻が年間約4万トンも発生。主成分である炭酸カルシウムはコンクリートとの相性も良く、砂程度の粒径に粉砕することで「シェルサンド」として生まれ変わり、テトラポッドに使用される砂の代替素材として活用できることが既往の研究や適用実積からわかりました。
貝殻の本来の役割を生かしながら、廃棄される貝殻を使用し、海岸を守るテトラポッドを作れないか?
そんな着眼点から生まれたのがHOTATETRAPODです。
■「HOTATETRAPOD」の特徴
1. 消波ブロック1つあたりの砂消費を50%削減
猿払村では、年間2480トン(2023年度)の消波ブロックが製造・設置されています。消波ブロックの製造に使われる一般的なコンクリートは、質量の3割程度が砂となり、消波ブロックの製造により、年間約862トンの砂が消費されます。
HOTATETRAPODは、コンクリートの細骨材として使われる砂の50%をホタテの廃棄貝殻を粉砕したシェルサンドに置換することによって、砂の使用量を50%削減することができます。この取り組みが普及することによって、猿払村だけでも年間431トンの砂の使用を削減することが可能となります。
2. 通常のテトラポッドと比べ、
海藻類が着生しやすい「ブルーカーボンテトラポッド」
HOTATETRAPODは、貝殻から着想を得た、「生物模倣(バイオミミクリー)」をデザインに採用しています。
貝殻のリブ構造をデザインに反映することで、リブ構造によって表面積の拡大や稜線長の延長が図られ、海中の炭素を固定する海藻類が着生しやすく、ブルーカーボン固定量の増加に配慮したデザインとなっています。
素材開発から、設計に至るまで、環境への負担が少ない持続可能性に配慮したプロダクトになっています。
3. 通常のテトラポッドと比べ、初期強度が向上
貝殻を使用することで、微粉末効果による初期水和の促進と、炭酸カルシウムと各種カルシウムアルミネートとの反応による初期強度の向上がみられます。
4. HOTATETRAPODの台座は、3Dプリンターから制作
HOTATETRAPODを展示する台座は、廃棄貝殻を添加したモルタルを使用して、3Dプリンターで印刷しました。このモルタルは、清水建設が開発した3Dプリント材料「ラクツム(R)」の砂代替材料として廃棄貝殻を100kg/m3使用した材料です。
3Dプリンターを使うことで、廃棄貝殻を自由な形状の部材に再生させることが可能となります。環境に優しく、従来のコンクリートでは表現できない独特のテクスチャの台座を実現することができました。
■第50回「さるふつ観光まつり」にて、初お披露目
2024年7月20日から21日に猿払村の道の駅さるふつ公園イベント会場にて実施される第50回「さるふつ観光まつり」にてHOTATETRAPODをお披露目します。
本会場では特別に、白色のHOTATETRAPODのほか、猿払村の村章の色をモチーフにしたミニHOTATETRAPODも展示予定。多くの方に見ていただきSNSを通じて発信していただきたいと考えています。
イベント名:第50回 「さるふつ観光まつり」
所在地 :道の駅さるふつ公園イベント会場(猿払村浜鬼志別214-7)
イベント開催日:2024年7月20日(土)〜7月21日(日)※荒天中止
時間 :9:30〜20:00
アクセス :JR稚内駅から車で1時間50分 ※海沿いルート(ルート238)の場合
駐車場 :あり(無料※観光まつり臨時駐車場)
■プロジェクトメンバー企業の役割
HOTATETRAPOD開発にあたり、様々な会社で協力しています。
●猿払村:土地の提供、テトラポッドの管理
●猿払村漁業協同組合:廃棄貝殻の提供
●株式会社ササキ:シェルコンクリートの製造・製品の試作
●清水建設株式会社:シェルサンドを活用した3DPマテリアルおよびシェルコンクリートの開発。マテリアルの性能評価
●甲子化学工業株式会社:シェルサンドの調達、シェルテックによるプロダクト開発
●株式会社不動テトラ:消波ブロック型枠の貸与、消波ブロック製作ノウハウの提供
●日本国土開発株式会社:シェルサンドおよびシェルコンクリートの製造ノウハウ提供
●株式会社TBWA HAKUHODO:プロジェクトの全体PR戦略立案
■関係者代表のコメント
猿払村 村長 伊藤 浩一氏
近年、海の砂が減少しており、細骨材などの材料不足などと同時に自然環境問題としても憂慮しておりました。今回、猿払の宝とも言える「ホタテ」貝殻の有効活用として、テトラポッドを開発できたことは持続可能な社会の実現を目指す猿払村にとってもとても有益なことだと考えます。
まずは、「さるふつ観光まつり」でのお披露目となりますが、近い将来、HOTATETRAPODを活用していくことを目指していきます。猿払村では、世界の皆様に愛される猿払のホタテの活用に限らず、持続可能な社会の実現に向けた取組みをこれからも模索していきます。
清水建設株式会社 生産技術本部
生産技術開発センター長 松本 真一氏
建設業は、衣食住の一部を担い、建築やインフラを通じて気候変動や災害からあらゆる命を守るという社会的に不可欠な役割を果たしています。しかし、建設行為自体は大量のエネルギーを消費し、石や砂などの資源を採掘し、セメント製造時には二酸化炭素を多量に排出するなど、環境に大きな負荷をかけるという相反する側面もあります。
私たちは、地球環境を再生しながら建設を進めることで、サステナブルな社会の実現が可能であると信じています。今回の取り組みを、まずは世界で6番目に長い海岸線を持つ日本で広め、やがては世界中の海岸線へと拡大することを目指します。
甲子化学工業株式会社 企画開発主任 南原 徹也氏
廃棄ホタテ貝殻を活用したホタメットプロジェクトでは、貝殻を再利用することで地域社会に貢献すると共に、廃棄物の有効活用による新しい未来の在り方を示しました。我々はその後、廃棄貝殻を更に削減すべく、活用先を模索し続けていました。今回、業界や地域の垣根を超えたチームを作ることで、地元産の貝殻を活用した、海にも地球にも優しいテトラポッドを完成させることができました。
我々の行動が地域社会をより良くし、更には廃棄物を活用した循環型社会の構築に役立てることを期待しています。今後も前例にとらわれず、更なる廃棄物の活用を実現できるよう、様々なフィールドで挑戦していきます。
TBWA HAKUHODO Creative Director / PR Planner 橋本 恭輔
ホタテ貝殻の有効活用の取り組み第一弾として、HOTAMETの発表から約2年。第二弾プロジェクト「HOTATETRAPOD」を発表することができました。 今回は、HOTAMETの取り組みを知っていただき、声をかけてくださった清水建設の皆様と一緒にプロジェクトを進行して行きました。そして多くの関係者の皆様に賛同していただいた結果生まれたのが海にも地球にも優しいテトラポッドです。
当時のコンセプト「外敵から身を守ってきた貝殻が、今度は人の命を守るものへ」の考えは活かし、これからの時代に必要なものづくりの要素をギュっと詰め込みました。この取り組みを通じて、多くの人に気候変動について関心を持っていただき、社会に広がっていくことを願っています。
■TBWA HAKUHODO(TBWA博報堂)について
2006年に博報堂、TBWAワールドワイドのジョイントベンチャーとして設立された総合広告会社です。博報堂のフィロソフィーである「生活者発想」「パートナー主義」とTBWAがグローバル市場で駆使してきた「DISRUPTION®︎」メソッドを中心とした独自のノウハウを融合。質の高いソリューションを創造し、クライアントのビジネスの成長に貢献します。
「DISRUPTION®︎」は既成概念に縛られず、常識を壊し、新しいヴィジョンを見いだすTBWA HAKUHODOの哲学です。マーケティングに限らず、ビジネスにおけるすべての局面でディスラプションという新しい視点を武器に事業やブランドを進化させるアイデアを生み出します。
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
山口県、丸久、ニッスイ、テラサイクル
~12月11日から県内の丸久3店舗に導入開始~
長門市で行われた海岸清掃の様子
山口県、株式会社丸久(山口県防府市、以下「丸久」)、日本水産株式会社(東京都港区、以下「ニッスイ」)、並びにテラサイクルジャパン合同会社(神奈川県横浜市、以下「テラサイクル」)は、山口県民と民間企業、行政が連携して海洋プラスチックごみをアップサイクル*¹してさらにエコ活動につなげる“ONE FOR OCEANプロジェクト”として、県内の海岸に漂着した海洋プラスチックごみを回収し、これを一部に使用した買い物かごを県内の丸久3店舗で11日から導入しました。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-6 TOKIO 2020 ~県民、行政、企業が連携~ 山口県の海岸に漂着した海洋プラスチックごみを買い物かごにアップサイクル!
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/25966252
環境省「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」
千曲川と姨捨て棚田
時代を越えて愛される姨捨の棚田の原風景。その美しさの理由は、「田の大きさ」と「畦(あぜ)」といわれている。
~おもかげや 姨ひとりなく 月の友~ 松尾芭蕉
古くから文人にも愛され、田毎の月としても知られる姨捨の棚田であるが、地元耕作者の高齢化、過疎化により耕作放棄地が増えていた。この日本有数の規模を誇る棚田の景観を後世に残すため、棚田貸します制度(平成8年創設)をはじめ、千曲市棚田保全推進会議の各団体が棚田の保全活動を行っている。
1.環境省「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」では、森・里・川・海を保全・再生してつなげ、支えることを通じて地域循環共生圏の実現を図るべく、普及啓発活動を行っています。
2.今回、全国規模の信用金庫のネットワーク「よい仕事おこしフェア実行委員会」が開催する「よい仕事おこしフェア」等において、森里川海プロジェクトと連携することとし、協定を締結します。
3.本協定では、森里川海プロジェクトの普及啓発や、SDGs、地域循環共生圏に配慮した事業活動への投融資等について、連携して推進することとしています。
つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト
優良事例ご紹介~千曲市~
「日本の原風景である棚田の景観を継承していく」
実施体制
千曲市、千曲市棚田保全推進会議、立正大学、屋代高等学校附属中学校、更級小学校、
八幡小学校等地元の小学生
都市と農村との交流を図りつつ棚田の耕作を継続することにより、棚田の景観を保全し、
後世へと継承する。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-6 TOKIO 2020 環境省「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」×よい仕事おこしフェア実行委員会 連携発表会開催について
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/34513929
“日本財団「海と日本プロジェクト」”
石川県能登町の小学生(6年生)29人が参加!
奥能登珠洲市で海の体験イベント【さいはての珠洲 海の恵みと漂着物】を開催 ‼
奥能登に伝わる「揚げ浜式製塩法」を学ぶ 子どもたちは庄屋の館で新鮮な海藻を「しゃぶしゃぶ」で味わった。
6種類の海藻は味も食感も様々。奥能登は古くから海藻を食べる習慣があり、それは海がきれいだから味わえるということを、庄屋の館総料理長の和田氏から教わった。
食後は道の駅すず塩田村で海藻と同じく海の恵みである「塩」について学んだ。珠洲市には400年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている「揚げ浜式製塩法」にて今も塩作りが行われている。
寒流と暖流が混ざり合い、プランクトンが豊富。また、潮の流れが速いので海水はキレイな状態に保たれている。そんな海水を使い、参加者は揚げ浜式製塩法を体験した。汲んだ海水を「かえ桶」で運ぶ。これだけでも大変!さらに塩をまく作業は“潮汲み3年、潮撒き10年”といわれるほど難しく、猛暑の中で子どもたちは一生懸命に作業を行つた。その後乾燥や煮詰める作業を経てようやく塩が完成する。
完成した塩を使ってゆでたジャガイモを試食して、普段口にしているものとは一味違った海の恵みを体感したのだった。
石川県奥能登 九十九湾の中心に位置する蓬莱島
奥能登 珠洲市 九十九湾(つくもわん)は、
透明度抜群の海と大小さまざまな入り江が生み出す美しい景観
海と日本プロジェクト in 石川県実行委員会は、2021年夏、国連の「世界農業遺産」に認定されて10年目を迎えた奥能登で、能登町の子どもたちを珠洲に招待し、海の恵みである海藻や塩、海洋プラごみを学ぶイベント【さいはての珠洲 海の恵みと漂着物】を2021年8月4日(水)に開催した。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環である。