大学院工学研究科を修了した高橋さんが日本塑性加工学会伸線技術分科会研究集会で奨励賞を受賞しました
大学院工学研究科機械工学専攻を2023年度に修了した高橋貴志さん(指導教員=工学部機械工学科・窪田紘明講師)が、3月22日に東海大学品川キャンパスで開かれた日本塑性加工学会伸線技術分科会研究集会で奨励賞を受賞しました。同分科会は、塑性加工の中でも伸線加工を取り巻く技術全般(材料、加工プロセス、潤滑、伸線機械)を対象に、年に2回研究集会が開かれており、伸線に関する技術開発の講演のほか、最新の国内外文献調査および外国文献の抄訳や国内外の展示会の報告などが行われており、毎回100名前後の多くの研究者が参加しています。
工学部精密工学科(現・機械工学科)在籍時から吉田一也現客員教授の研究室に所属し、無痛針など医療用に使われる極細管の加工技術研究に取り組んできた高橋さんは、今回の研究集会で「水溶性マンドレルを用いた極細径・薄肉管の引抜き加工」をテーマに発表しました。高橋さんは在学時に修士論文のテーマとして、極細管の製造方法で問題となっていた引抜き加工時の偏肉や内面荒れなどを解決するため吉田客員教授らが考案した加工金属内に水溶性繊維をマンドレル(心棒)として用いる加工法について研究を続けてきました。今回の発表では、水溶性フィラメントを使った際の効果を検証。管内へのフィラメントの充満時間や行程の回数、表面状態の改善効果を調べた成果をまとめました。
「研究集会での発表は分科会の会員のみが論文発表することができることになっていますが、今回は吉田先生にご推薦いただき登壇できました。大学院の修士論文で取り組んだ成果を認めていただいてうれしく感じるとともに、東海大学のキャンパスで開かれた研究集会での受賞に感慨もひとしおです。発表内容は、吉田先生の研究室に所属した学部4年次生のころから3年間にわたって続けてきた研究の集大成であり、当日まで吉田先生をはじめ、研究室OBの先輩方や仲間の前で練習を重ね、綿密に準備してきた成果を出せたと思います。大学院修了後は金属加工を手掛ける企業に就職していますが、工学研究科で培ったものづくりに対する姿勢、物事への考え方はもちろん、研究を進める際に感じたチームワークの大切さへの気づきなどさまざまなことが生かせています。大学院進学は必ず自分にとってプラスになります。進学を迷っている後輩たちには、ぜひ大学院に進んだ方がいいと伝えたい」と話しています。
なお、高橋さんは23年6月の日本塑性加工学会春季講演会でも優秀論文講演奨励賞を受賞しています。
<引用元URL>https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/13918/