クリスマスムードを堪能するならば、「くるみ割り人形」です。
2018.12.26 05:34
今まで生きるうえで、たくさんあった決まり事を少しずつ少しずつ、
手放してきてしまったけれど、
「年の終わりに第九を聴いて、年のはじめに歌舞伎を観る」ことは
大人になって新たに加わった自分だけの決まり事のひとつだ。
これを最近ではかなりしっかりと守って過ごしている。
今年はそこに、バレエ「くるみ割り人形」を観ることを加えた。
適うならば、ホリデーシーズンのルーティンにしてしまいたいくらい
鑑賞すると好きにならずにいられない演目だ。
クリスマスイブの夜を舞台にしている幻想的な物語であり、かつ楽しい雰囲気に満ちている。
先だっての3連休に新国立劇場へ久々の「くるみ割り人形」を観に行ってきた。
バレエを観たことがない人がいたなら、ぜひ一度足を運んでみてほしい!
音楽は生演奏のオーケストラで、夢に満ちた異世界をつくりあげる舞台美術も一級品。
そして、アスリートのように鍛え上げた肉体で舞う人間の美と、まさにバレエは総合芸術なのだ。
幕間にはシャンペンなどをはじめ軽食がいただけるコーナーもでき、
歌舞伎同様バレエも、「バレエを観に行く」という丸ごとすべて体験として楽しむことができるのだ。
しかし、くるみ割りが終わるともう後は年神様をお迎えするばかりとなる。
急激に西洋色から東洋色へと変化するタイミングだ。
あんなにも夢の世界のように美しい舞台をつくるダンサーたちが、想像もできないような鍛錬をしているかと思うと一見した矛盾にまた奥ゆかしい美を感じずにいられない。