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凸と凹マガジン

凸と凹「登録先の志」No.31:渡邊史織さん(NPO法人わくわーく サービス管理責任者/社会福祉士)

2024.07.21 14:00


1からつくる経験ができるのはおもしろそう


ずっと障がい者福祉をやりたいと思っていて、福祉の大学を選びました。大学で4年間を過ごしてもその気持ちは変わらず、迷いもなく、他の業種・業態を考えることもなく、就職先は福祉の道を選びました。

施設に入って働き始め、しばらくした頃に他の施設も見てみたいと思い、わくわーく理事長の小橋さんが当時、所長を務めていたところに転職しました。その後、小橋さんがその施設を辞めて、新しい団体を立ち上げると聴いて、「じゃあ、ついていきます」と一緒にわくわーくに来ました。

同じところで働いてもよいけれど、他のところも見てみたいなと思ったのは、障がいにもさまざまな種類があるし、いろいろな事業所があるからです。それに、ある程度形が決まっている中で自分が新しいことを覚えていくというのもよいけれど、1からつくる経験はなかなかできないので、そういった経験ができるのもおもしろそうだなと思いました。

障がい者福祉に興味を持ち続けていられる理由は、自分でもよくわからなくて、すごく楽しいというわけではないけれど、嫌ではないという感覚です。この仕事を辞めるまでに、その理由がわかったらよいなと思います。


障がいのある方が生き生きと働ける場があること


わくわーくの中では、Be Happyプロジェクトの一つである「KAMIKURU プロジェクト」を担当しています。KAMIKURUでは、7階建てのビルの1階に再生紙を生産するための機械が設置されていて、障がいをお持ちの方が同じビルの3階で紙の仕分け等の作業をしています。建物自体は他の企業さんも入っているビルなので、他の企業さんと一緒に働いている意識が生まれやすい環境になっています。

わくわーくにいる時とは別の緊張感があり、企業の方が普通に働いている場で、障がいのある方も生き生きと働けている感じがします。そういった場所があるというのは、とてもありがたいことだなと思います。エプソンさんが動いてくださって、いろいろな人に知ってもらえて、障がいのある人がこうやって働いているんだというのを見てもらっています。

挨拶を交わし声をかけてくださる方が増え、少しずつ受け入れてもらっている感じがしています。


仕事の幅を広げて、いろいろな障がいのある方にかかわってもらいたい


今KAMIKURUにかかわっているのは、3名とも精神障がいの方です。最初は「新しいことをするし、新しいところだし」と思って来ていた様子ですが、いろいろな方が声をかけてくれるし、見学者に見てもらえるのもうれしいようです。「ぼく、最近働くということがわかった気がする」と話していて、本人も意識が変わってきている印象があります。自分の役割があると感じられているようです。

一方で、KAMIKURUはまだまだ知ってもらうことが大きいとも感じています。これまでも紙をアップサイクルして賞状や名刺、ノート、メモ帳などに活用してきましたが、まだまだ可能性がある事業だと思うので、もっと活用できることを考えないといけません。紙をリサイクルするだけではない、いろいろなアイデアをもらえたらうれしいなと思っています。

今携わっている人には長くかかわってもらいたいし、携わる人も増やしていきたい。仕事の幅が広がれば、携わる障がいの方も増えると思うので、Be Happy プロジェクトを広げることで、いろいろな障がいのある方にかかわってもらえるようにしたいです。


取材者の感想


渡邊さんが担当されているKAMIKURUプロジェクトは、活用の可能性をすごく秘めているのがインタビューからも伝わってきて、さまざまな方とアイデア出しをする機会があったらおもしろそうだなという印象を持ちました。

「障がい者福祉」に興味を持っていられる理由が自分でもよくわからないと言いながら、大学進学前からずっと興味を持ち続けていらっしゃる渡邊さん。いつかその理由がわかったときには、またインタビューでお話を聴きたいなと思いました。(長谷川)


渡邊史織さん:プロフィール


NPO法人わくわーく サービス管理責任者/社会福祉士

大学卒業後、障がい者施設に就職。4年後に他の施設も見てみたいと思い、別の障がい者施設に転職。その時配属になった施設の所長だった小橋さんと出会う。小橋さんがNPO法人わくわーくを立ち上げると聴き、2010年に入職。障がいのある方の相談や就労支援を行っている。「KAMIKURUプロジェクト」がスタートしてからは作業支援を担当している。




NPO法人わくわーくは、凸と凹「マンスリーサポートプログラム」の登録先です。