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独り言な茶話 ~第7話~:凤凰单丛「春茶VS冬茶」(1)

2018.12.26 17:39

 なんとなく急に思ったことを何の理論も根拠もなくつぶやいていく、ハイパー身勝手、適当なブログです。あまり真に受けないでください。


 先日、私のメインの茶葉の購入先、大高中国茶より「凤凰单丛雪片(冬茶のこと)」が届いたので本日、春茶と飲み比べてみました。

 一般には春茶が一番いいとされてますが、冬茶とどう違うか検証していきます・・・まぁなんとなく皆さん想像通りになるとは思います(笑)

ではいきましょう・・・

 今回は单丛の「鸭屎香」という香りになります。この香りは近年流行している香りで、今流行りの「清花香型」の香りの種類になります。今年の秋の広州茶博会でも单丛で唯一この香りで金賞を受賞していました。確かに单丛特有の癖が少なく、濃厚ですが口当たりのもよくさっぱり目で飲みやすいです。名前を見たら大丈夫か!?って思ってしまうかもしれませんが、これはあるお寺のお坊さんがこのお茶を初めて口にした時、非常においしく誰にも取られたくないということでこの名を命名したという一説があります・・・本当かどうか信じがたいですが・・・でも確かに香り・味は間違いないです。今は名前を変えて「銀花香」と名付けているところもあります。もう遅いかもしれませんが今年はこの「鸭屎香」とアーモンドような香りがする「杏仁香」がどこの会社も出来が良かったと思います。興味のある方は是非飲んでみてください。

 話がだいぶそれてしまいました。比べていこうと思います。まず色合いですが・・・春茶の方(写真左)が購入した時より色合いが濃くなっていますね。付加反応が進んでおり購入した時の味とは全く違うでしょう。一方「雪片」は出来て約1ヵ月前後だと思うのですが、完成してからの付加反応はあまり進んでいません。初めて見た時は「白叶单丛(岭头单丛)」かと思いました。完成度は2種類とも優越つけがたいですね。精製も問題ないです。揉捻の強さやや違いますね。雪片の方がやや弱めです。なぜか・・・研究のテーマです。

焙煎度合いは・・・ごめんなさい、春茶がやや陳化が進んでるのでちょっと比べられないです。

 色合いの違いです。これは2煎目です。1煎目5秒、2煎目も5秒で淹れてあります。(私個人の品監方法ですが・・・)。茶葉は今回6gです。色合いの差がかなり出ました。しかし春茶の方は陳化が進んでしまっているのでここまで色合いが濃くなっています。出来た当初はもっと色合いは薄いです。2種類とも茶湯の明るさは濁りは少なく良さそうです。不純物の沈殿も見られません。(茶漉しは使用していません)

 重要な味わいですが、春茶の方がやはり陳化していまっているため味わいが濃く焙煎の香りがややします。出来た当初と比べると清らかな香りから陳香に変化しています。冬茶の方は花の香り芳醇で茶湯の中にしっかりまとわりついてる感じです。甘さもやや感じられます。ここが春茶との大きな違いですが、春茶の方が香りがもっと爽やかで、甘さも割としっかり感じられます。どちらが好きかは完全に好みに分かれるのですが、この差は完全に茶摘みの時期になります。春茶の方が新葉に含まれる内質(アミノ酸など)は豊富です。なので甘味などがしっかり感じられます。しかし冬の茶摘みなると茶葉の内質が転化し、カテキンの含量が増えるからです。なので冬茶お茶の甘味や清香さより芳醇な味わいになる原因の1つです。さぁ・・・科学的にみたらじゃ春茶の方が質が全然上のように感じられますが、では冬の時季に清らかなさっぱり目のお茶を飲みたいかといわれたら、ちょっと体が温まるような芳醇が味わいの方がいいのではないでしょうか?どちらがいいかは甲乙付け難いのはここにあります。結局は飲む時期やその人の体調や好みに大きく左右されていくです。私はそれでもやはり春茶の方が好きですが、陳化した春茶よりは冬茶の方が私には好みです。


 さて最後は茶殻のチェックです。私は茶殻チェックする場合はほぼ限界まで淹れて確認します。出来るだけ味を出し切ることで、その茶葉良い部分の鎧をはがし丸裸にするためです。今回は全部で6煎淹れて最後の1煎目は3分お湯で煎じて出しています。

 春茶の方が合いが濃いですね。これも陳化が原因の1つです。両方とも茶葉が赤身を帯びていますが、これは加工工程の做青により、鮮葉のふちををやや破壊することのよりそこから発酵(付加反応)を促進させてるからです。これは烏龍茶にとって大事な作工程なのでなければならない変色です。

 まぁ・・・結果としては2種類ともいい感じで出来上がっています。今の自分からは欠点らしいものは見つけられませんでした。2種類ともいい非常にいいお茶だと思います。


 まぁ今回はこんな感じ品監でしたが、比べて飲むことで今まで見えてこなかったこと、感じてこれなかったこと、また今までの知識の再確認ができますね。もちろんそのお茶をおいしく淹れる方法とはかけ離れている淹れ方ですが、これをすることでお茶の理解が深まり結果としてお茶を淹れる技術の上達につながると思います。

 今回は凤凰单丛の「鸭屎香」の春茶と冬茶でしたが、次回は凤凰单丛「黄枝香」で試していきます。また今回のブログを通して凤凰单丛の「鸭屎香」もしくは「杏仁香」に興味を持たれた方は、来年まで待ち来年の春茶の購入をおすすめします。また冬茶ですがどの業者も在庫は薄いと思うの入手は困難かもしれませんが買うなら今だと思います。むしろちょと遅いかもしれません。

 それでは今回はこれくらいで。閲覧ありがとうございました。