ギャンブル依存症について(代表質問より)
ギャンブル等依存症は、ギャンブルにのめり込む自分自身をコントロールできなくなり、本人や家族の日常生活や社会生活に、大きな支障をきたす精神疾患です。
ギャンブル等依存症の症状は、興奮を求めて掛金が増えていく、ギャンブルをやめられない、負けたお金を取り返そうとする、ギャンブルのことで嘘をついたり借金をしたりする、などが挙げられます。
また、子どもの教育費を使い込んだり、会社のお金に手を付けたりすることもあり、本人だけでなく家族も苦しむことになります。
ギャンブル等依存症は精神疾患の一種ですが、病気という認識が低く、早期の治療につながりにくいともいわれています。そのため、適切な相談や治療に加え、ギャンブル等依存症にならないための予防が必要です。
県としても、「千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画」を策定し、対策に取り組んでいますが、さらに医療機関や自助グループと連携して対策強化に取り組むべきであると考えます。そこで伺います。
本県におけるギャンブル等依存症対策の現状と課題は何か?また、今後どのように取り組むのか?
ギャンブル等依存症は、早期の支援や適切な治療により回復が期待できることから、医療及び相談体制の充実が必要であり、また、多重債務や虐待等の重大な社会問題と密接に関連する場合があるため、関係機関の連携体制の構築が重要です。
県では、令和4年に策定したギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、自助グループ、関係事業者、医療機関、相談機関などと連携し、正しい知識の普及啓発、医療体制の整備、相談支援の推進など、切れ目のない支援体制の構築により、本人とその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう取り組んでいるところです。
本年度は、計画の中間見直しを予定しており、公営競技におけるインターネット投票の増加や、いわゆるオンラインカジノなどの新たな課題への対応を含め、当事者やその家族、有識者、関係事業者などで構成される協議会において、必要な対策を検討してまいります。
◇
オンラインカジノについて
ギャンブルをする人は、誰でもギャンブル等依存症になり得ます。若者に広がっていることも大きな問題です。
対象は競輪、競馬、競艇、オートレースといった公営競技だけではなく、パチンコやパチスロなどでも陥ります。近年では、違法なオンラインカジノが増えてきたことにより、犯罪へとつながった事例もありました。そこで伺います。
違法なオンラインカジノの現状と課題はどうか?また、違法性の周知はどのように行っているのか?
賭客が自宅のパソコン等からアクセスして行う、オンラインカジノについては、アクセス数の大幅な増加及びこれに伴う依存症の問題が強く指摘されているものと承知しております。
課題としては、オンラインカジノサイトの運営主体が賭博が合法とされている外国に所在する場合は、我が国の捜査への協力が得にくいなど、証拠収集等が難しい点や自宅等から直接オンラインカジノにアクセスして賭博が行われるため、その実態が表面化しづらいという点が考えられます。
県警では、これまでにホームページやSNSを通じた広報のほか、警察庁が消費者庁と連携して作成した広報啓発用ポスターも活用しつつ、日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪であることについて周知を行っているところです。
仮に海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内からこれらに接続して賭博を行うことは犯罪であるため、この点も含め、今後も引き続き、周知を徹底してまいります。
◇
医療機関や民間相談団体への支援について
ギャンブル等依存症について、関係機関の連携体制の構築が大切との答弁がありましたが、まさにその通りです。
ギャンブル等依存症に取り組む医療機関をはじめ、ギャンブル等依存症の当事者を抱え、ともに問題を乗り越えてきた家族の会の方々が、自分の体験を踏まえながら、同じように苦しんでいる当事者や家族の方々を支えていただいていることに、感謝しかありません。
その方々の努力なくして、ギャンブル等依存症の克服は困難です。そこで伺います。
ギャンブル等依存症への支援を担う医療機関や民間相談団体へ、県の支援が必要だと思うがどうか?
依存症専門医療機関や自助グループ等の民間団体は、ギャンブル等依存症の治療や回復に重要な役割を担っていただいていると考えています。
県では、県民が円滑に支援先につながることができるよう、ホームページで民間団体等の連絡先や活動内容を紹介するなど、引き続き、民間団体等の活動を支援してまいります。
◇
児童手当の受給者が依存症となった場合について
また、具体的な課題として、保護者がギャンブル等依存症の場合、子どもたちのために支給された児童手当を、ギャンブルにつぎ込むこともあるようです。
しかも、児童手当の受け取りを変更する手続きが、スムーズに進まないケースが多い、との指摘もあります。そこで伺います。
児童手当の受給者がギャンブル等依存症となっている場合には、どのように対応しているのか?
国の通知により、受給者がギャンブル等依存症の状況にあるなど、児童の養育について顧みない状況で、その配偶者等が児童の生計を維持する程度の高い者と市町村が判断した場合は、職権により受給者を変えることができる、とされています。
県としては、こうした通知を市町村へ周知徹底することにより、児童手当の適切な支給に努めてまいります。
◇
オンラインによるギャンブルの普及により、ギャンブル等依存症で苦しむ当事者、家族は増加の一途です。
ギャンブル等依存症を防ぐためにも、ギャンブル等依存症問題の啓発と予防教育の推進、関係団体への具体的な支援の強化を要望しました。
【参考資料】