Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ピアノ弾きの覚書

違い

2024.07.23 21:41



こんにちは。

音楽家の純子マッサーリア

Junko Massagliaです。






昨日は予定通りピアノのコンサートへ行きました。

ピアノはSHIGERU KAWAI🎹




このコンサートでは2人のピアニストが演奏しました。

偶然ですが、日本人と西洋人でした。




まあ、さまざまな意味で異なるので比べるつもりは毛頭ありません。

それにしても、




日本人の演奏って

いつからこんなにSofisticatoになったの?





久しぶりにヨーロッパで西洋音楽じゃない西洋音楽を聴いた、

そんな感じ。





ものすごくスマートで、ミスもなく、

美しくて、デリケートで、

演奏に陶酔し、その人の世界を作り出していました。





でも、会場の聴衆は奏者から離れていました。

なんというか、一言で言うと

面白みがないのです。





次が想像できちゃう。

例えばですが演奏を始める前に

ヨガでもやっているかのようなゆ〜っくりしたジェスチャーは

正直私の好みではありませんでした。



だって、そのジャスチャーから出てくる音の流れ、

全て同じ。

気づいているのかな?

いや、気づいてないだろう、

だからやってるわけで。





日本を離れて学んでいるはずなのに、

日本の美学から抜けずに

「わかってくれるだろう」という“演奏”の

なんと多いことか。





音の強弱での色付け、

まろやかに締めくくるフレーズ、ect......

素敵なことも同じやり方は2度までよ。



作曲家が変わっても全て同じでした。

これはね、その奏者が悪いのではなく、

指導者の問題です。







反して西洋人が演奏し始めた途端、

音が生きていました。



好みかどうか?といえばこの奏者も特別好きと言うわけではありませんが、

一番の違いは

聴いていて退屈しない、のです。

音の種類もそうだし、フレーズの処理や表現が

常に変化していく。




お客様皆が惹きつけられ

奏者とその音楽と会場が一体化しました。





音楽ってやはり生きていないといけない。

生きていると言うことは

常に変化し続けること、

なのではないか、と思います。






表現力って言いますが、日本人はそこが平らなのではないでしょうか?

同じ口調で30分話されたら眠くなりますよね。

上手い朗読は、どれだけ長く聴いていても眠くならない。

なぜなら同じ言葉=音を使っても動きがあるからです。

音楽もそれと同じです。





やはり西洋文化なのだな、と目の当たりにした一夜でした。