ローソップ島皆既日食(44)

ローソップ島状記(12)

(12)　雑録

文身（入れ墨や肉の盛り上がりによる模様）

男女共に文身の風習あるも　ローソップ島民は　本来芸術的本能◯◯低劣？　簡単なる模様を　腕　胸　足に点在◯◯文身するに過ぎず　？警察より禁令もあり　漸次文身者の数を減じたり　？20才以上の男女は全部文身せり　文身の模様は　大抵次の種類に限られたり　色は青一色のみなり　交叉する十字架？　男女　手　握手　碇にハート形　自己の名　恋人の名　出生島名　魚の形　以上は男女共通なるも　女子に限り　青春期前に　三角形の模様を　陰毛の上部に文身する　又　文身外（以下？）　腕の肉を切り　皮膚を盛り上げて　男性の強さを示す者あり　文身を職業とせるもの非ず？　男子は友人相互に施し合い　女子は自己の好める男子より文身を受け　文身には針3,4本を◯めて　木の棒に結び付けたものと　日本墨を使用す　以前は　章魚の墨を使用せりと言う

冠婚葬祭

諸祭礼は　クリスト教式に依り執行せられ　奇習なし　結婚は　男子方より女子方に対し　物品を持参し　貰受の申込をなす　物品の多少は　婚約の成否に関係す　婚約成立せば　日を定め　クリスト教式に依り挙式し　親類縁者を招待し饗応す　饗応には　パン　餅　魚　有すれば　豚犬　鳥等を調理す　子女出生の際は　父母に於て命名す　臍帯は　其のまま土中に埋む　出生1年を経たる誕生日に　初めて親族縁者を招待し御祝す　其の後は誕生

（引用）

故秋吉利雄氏保存資料