映画『アリー/ スター誕生』鑑賞。
ブラッドリー・クーパー初監督! ということで、映画『アリー/ スター誕生』鑑賞してきました。しかも、クリーンスト・イーストウッドから譲り受けた仕事だったようです。ブラッドリー・クーパーは、イーストウッドのお弟子さんらしいのです!
アリー役は、レディー・ガガ。こちらも初めての女優進出。演技の勉強を若いころに本格的にやっていたそうです。二人が初めてに挑んだところも「誕生」でありシンクロニシティーです。
実は、クリーンスト・イーストウッドは、ビヨンセを主役にしようと思っていたそうですが、ブラッドリー・クーパーは、レディー・ガガで、イーストウッドは反対していたようです。でもふたを開けてみると、「俺が間違っていた」とイーストウッドが認めたというのです!
さて、映画のあらすじは、ウエイトレスとして働いていたアリーは、夜にバーで歌も歌っていたのですが、そこにたまたまお酒が飲みたいということで、ロックスターのジャクソンが立ち寄り、アリーの歌に魅了されてしまったのです。運命の出会いでした。アリーは、ジャクソンのライヴで歌うことになり、そこからスカウトされて、スターになっていくのですが…。
日本では『ボヘミアン・ラプソディー』のインパクトがすごすぎている最近ですが、『アリー/スター誕生』はラブストーリーです。二人が互いの幸せのために、考えて、考えて、考えすぎて、行動をしていく愛の物語。二人ともコンプレックスや闇を抱えていた分、考えすぎちゃったのだと思いますが、最後のアリーの歌唱シーンは、すべてを乗り越えた本当の愛の誕生を物語っているのかもしれません。
この映画のカメラワークが、二人の世界に観客を連れて行こうとしすぎて、超接近の映像&ジャクソンがアルコール依存症ということで、その世界を見せるためにもフラフラとした映像が多く、車酔いしやすい私は、若干映像酔いしてしまって、部分的に薄目鑑賞。一方、ジェットコースターを乗り回す母は、約2時間の大作でもウトウトすることもなく、最後は涙を流していました。いいなぁ。多分通常は号泣映画です。
レディー・ガガの歌唱力には鳥肌が立ちました。普段の声は低めで話していますが、歌となるとレンジが広ーい。高い音を出すときは、宇多田ヒカルの声にも似ているなと思いました。体の中に音を共鳴させているんですね。心地よかった。
ブラッドリ・クーパーは、歌唱もギターもピアノもやったことがないのに、この映画をやるために、3年間毎日練習をしてきたそうです。しかも、低い声の主人公なので、声を低くするトレーニングも受けて、食道を痛めるほど…。いつものブラッドリ・クーパーの声と違うから驚きました。自分ではない、ほかの人の人生を映画の中で生きるために、俳優たちは努力をしているという印象があります。本当にプロ意識がすごい。
また、ブラッドリ・クーパーは初監督ですが、監督としての才能も発揮されているようです。クリーンスト・イーストウッドは、何度もテイクを取らない監督で有名だそうですが、ブラッドリ・クーパーもそれを引き継いだかのように、その場のハプニングをそのまま採用していたり、セリフも何を言いたいかを把握することが大事で、口に出るままに任せたり、アドリブが多い映画なんだそうです。そんな自然さも感情移入を引き起こすでしょう。ついつい作り手のほうの読みを知りたくなってしまいます。
大ヒット中の主題歌! レディー・ガガも、初めてブラッドリ・クーパーがこの映画の話をしに家に来たときに、「ご飯食べた?」くらいのノリで、初対面とは思えない何かを感じたと言います。ブラッドリー・クーパーの歌も素晴らしいと感じたそうです。
英語のインタビューですが、フルバージョンなので載せておきます。「毎日していることは何ですか?」の質問で、ブラッドリ・クーパーが「Meditation」と答えていました。クリーンスト・イーストウッドの弟子だから、きっと私と同じ瞑想かもしれないですね。
人が出逢いによって変わっていく。どの人にも才能があるけど、それが見つかるかどうか? そして、その才能を輝かせるための出逢いを生かせるかどうか? 急な階段を上がるのに躊躇するアリー(レディー・ガガ)もかわいかったです。たった1日の出逢いが、人生を変えるのだと思います。