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須和間の夕日

金曜行動の仲間を失って

2024.07.27 10:14

昨日,原電水戸事務所前金曜行動で,Kさんの訃報を知った。Kさんは(多分)私と同い年で,初めて声を交わしたのは,東海第二原発運転差し止め訴訟の水戸地裁の中だった。私は,旦那さんをよく知っている。その方と同じ苗字で紹介されたので,えっ?そうなのと思った。以来,金曜行動でお会いし, Kさんの訴えを聞きつづけてきた。

Kさんは,物腰柔らかく話される方だが,言葉に信念がある。地方議会議員を務めてこられた。だから,すごく信頼感がある。茨城大学卒業と聞いた。それを聞いて,同窓ではないけれど,勝手に親近感を持っていた。

私は奈良で長く過ごして,大阪,京都の学校を行ったりきたりして,それから水戸で過ごしている。茨城には愛着をもっているし,こっちに来てから地方住宅,農村と農業環境を研究し,あの巨大な3.11の経験後は,住宅被害と住民避難,東海村の都市計画の研究なんかをしてきて,それなりに地域に貢献し,貢献できるものをもっているという思いがある。

この地は,私にいろいろなものを授けてくれた地で,恩がある。地元の多くの人たちが,私を研究者,教育者として育ててくれたという思いがある。だから,地元の人たちにはすごく感謝している。金曜行動に参加している方々は,私がまったく無知だった原発問題について,いろいろな方面から教えてくれた恩のある人たちだ。Kさんもその一人だ。

 昨夕,とうとう,東海第二原発の事業者・原電が福井県敦賀市にもつ敦賀原発2号機の不適合判断が出た。せめて,この朗報をKさんに伝えられていたら,と思う。原電よ,市民を苦しめるのは,ここまでにせよ。東海第二原発再稼働はもう観念せよ,と強く訴えたい。

金曜行動にきている人たちは,金曜行動がもう生き甲斐の一部みたいなものかもしれない。私も正直に言えば,ここで「星空講義」というものをもって,ここでしゃべったことを論文2本にしあげてしまった。ついでに,これらをもとにして今,本を書いたりしている。

しかし,たとえ,原発反対運動は自分がすべきことだとして一所懸命しているにしても,再稼働反対運動をする必要などなければ,もっと他の有意義なことに時間を振り向けられたはずだ。その意味で,ここにきている人たちは,ここにこれない市民の代わりに自分の時間を提供して,声をあげつづけている市民の代表者みたいな人たちだ。残念だが,金曜行動はまだつづくだろう。でも,子どもたちのために,未来のためにまだやらなければならないと思う。

Kさんへの追悼の言葉を天国に届けたいという思いで書いた。でも,それより,いつかお会いしたとき,気恥ずかしくて聞けなかったことをぶっちゃけ直に聞いてみようと思ったりしている。合掌