過敏性腸症候群に対する心理療法:事務局便り#18
- 過敏性腸症候群における心理療法の位置づけ
- 症状の改善と生活の質の改善
- あなたの目指す生活の質
*動画とブログの中身は同じです。
本日の内容は、過敏性腸症候群に対する心理療法についてです。
本日は最初に、過敏性腸症候群における心理療法がどのような役割を持っているのかを簡単に説明します。
それから、症状と生活の質の改善についても少し説明し、最後にあなたが目指す理想的な生活の質についても触れたいと思います。
第17回でも説明したように、生活習慣を改善したり、お腹の症状に効く薬や脳に作用する薬を使っても、症状が良くならない人が一定数います。
こういう場合、心理的な原因が関係していることがあります。心理的な原因が関係しているときに行うのが心理療法です。
心理療法は、主に考え方のクセやお腹に対する不安、そしてお腹への過度の注意をターゲットにします。
これらをコントロールすることで、お腹の痛みを感じやすくなったり、腸の動きが異常になったりすることを防ぎ、結果的に症状が良くなることを目指します。
また、過敏性腸症候群の心理療法にはもう一つの治療目標があり、これは生活の質の改善です。
生活の質を上げるためにも、まず、どんな生活ができたら「生活の質が向上した」と感じるかを考えてみましょう。
好きなものを好きなタイミングで食べられることでしょうか?
トイレを気にせず、出かけられることでしょうか?
トイレのために早起きせずにすむことでしょうか?
友人の誘いを断らずに済むことでしょうか?
会議が苦にならないことでしょうか?
自分の希望する生活を、5分間で書けるだけ書いてみてください。
次回は、今回書いていただいた過敏性腸症候群における生活の質と心理療法にもう少し触れていきたいと思います。
イラスト:イラストAC-カフェラテさんのイラストもしくはそのイラストを使って菊池が作成
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集英社新書プラス-知の水先案内人で【脳腸相関】の連載をしています。主に第10回および第11回が、過敏性腸症候群についてです。
※1 過敏性腸症候群(IBS) 診療ガイドライン2020 日本消化器病学会