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臍帯とカフェイン

【導入シナリオ】猫宮織部画廊奇談 前編(1:4:0)

2024.07.28 09:55

【配役】

猫宮織部A:ねこみやおりべ。家事全般が得意です。女性

猫宮織部B:ねこみやおりべ。家事全般が得意です。女性

猫宮織部C:ねこみやおりべ。家事全般が得意です。女性

寺門眞門:てらかどまもん。ギジン屋の店主。男性。

尾石貝茉希:おせっかいまき。完全なるトラブルメイカー。女性


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猫宮織部A:すこすこのすこ!!


猫宮織部B:すこてぃっしゅふぉーるどです!!!


猫宮織部C:そうなのです!!!


尾石貝茉希:もうだめだよこりゃ。


猫宮織部A:そんなこと言わないでよ茉希ちゃーん!!!


猫宮織部B:そうだよ、もっと問題解決に積極的になってくれなきゃあ!


猫宮織部C:そうなのですー!!!!


尾石貝茉希:とは言ってもねえ……。


寺門眞門:ぐぬぬぬ……。


尾石貝茉希:うちの大黒柱が全くと言って良いほど機能してないからねえ……。


猫宮織部A:えーん!旦那さまぁ!


猫宮織部B:しっかりしてくださいよ、旦那さまぁ!!


猫宮織部C:そうなのですー!!!!!


尾石貝茉希:これは私が状況を整理するしかないってわけだ。

尾石貝茉希:おっと、これはもしやもしや?

尾石貝茉希:名探偵まきちゃんの出番ってこと?

尾石貝茉希:やったね、主役はいただきだぜ!

尾石貝茉希:仕切り直して。

尾石貝茉希:私は名探偵まきちゃん。

尾石貝茉希:この鹿骨町で探偵を生業としているそこそこの美少女だ。

尾石貝茉希:どれくらいそこそこかと言うと……ってそこはまぁ別にいいか。

尾石貝茉希:私の親愛なる友人、猫宮織部とその主人 寺門眞門に起きた事を説明しよう。

尾石貝茉希:先刻。それは、雨の降る何気ない一日だった。




寺門眞門:三瞑鏡(さんめんきょう)?


尾石貝茉希:そうそう、なんかね、家の倉庫を漁ってたら出てきてさあ。


寺門眞門:いかにも古めかしい箱だな。


尾石貝茉希:本当、いかにも!って感じでしょ?これってさ、やっぱり呪物とかそういう類のものなんじゃないかなあ?


寺門眞門:うーむ、まぁ確かに、呪力は感じるが……。


尾石貝茉希:ちょこっと最近金欠でさあ。


尾石貝茉希:眞門さん、この呪物、買い取ってくれない?


寺門眞門:そもお前のものではないだろ、これは。


尾石貝茉希:うちの倉庫で見つかったなら私のものでもあるでしょー?


寺門眞門:お母さんに許可はもらったのか?


尾石貝茉希:もらってない。


寺門眞門:じゃあだめだ。保護者の許可をもらうか一緒に来店しろ。


尾石貝茉希:えーーー!!!けちんぼーー!!!!


尾石貝茉希:トレーディングカードの買い取りじゃないんだからいいじゃんよー!!!


寺門眞門:金がないならそもそも働け! 働けばお前につけた「暴露の指輪」はきちんと外れるようになってるのだぞ!?


尾石貝茉希:やーだやだやだやーだー!働きたくないーーー!!!!


寺門眞門:はー。この娘は……。


尾石貝茉希:あれ、ところで今日は猫ちゃん居ないの?


寺門眞門:ああ、ちょっと買い物に行ってるよ。


尾石貝茉希:ふーん、そうなんだー。働き者だねえ、猫ちゃんは。


寺門眞門:誰かさんと違って、な?


尾石貝茉希:それ系のダメージはもう一切ききませーん、私最強になりつつあるんでー。


寺門眞門:厄介者だな本当に。


尾石貝茉希:光栄です。


寺門眞門:褒めてない。


尾石貝茉希:と、こ、ろ、で~。


寺門眞門:なんだ?


尾石貝茉希:買い取りは置いておいても、この呪物、気にならない?


寺門眞門:ならない、すぐに置け、手にとるな。


尾石貝茉希:いいじゃんちょっとくらい。


寺門眞門:だめだ。


尾石貝茉希:けち!!!


寺門眞門:おまえなぁ!


尾石貝茉希:けちけちけちけちけーち!眞門さんのけちんぼ。


寺門眞門:これだけ厳重に蓋がされてるんだ、「あけるな」と言ってるのと同じだろう!?


尾石貝茉希:でもあけてくださいって言ってるようなものでもあるじゃん。


寺門眞門:お前と哲学問答をするつもりはない!いいから置け!


尾石貝茉希:やーだーーーー!そもそもこれは私の家のものなんだからどうしようが自由、自由だーーーー!!!!


寺門眞門:このわからずやめ!!!



尾石貝茉希:そうして眞門さんと組んずほぐれつ。

尾石貝茉希:箱を開けるのか開けないのか、問答を繰り返している隙に。

尾石貝茉希:私たちは猫宮織部が帰宅していることに気づいていなかったのだ。

尾石貝茉希:「ただいま」と声をかけられたかと思えばそのまま私たちの手をすべり

尾石貝茉希:「三瞑鏡」と書かれた箱は猫宮織部の足下に落ち、その姿を見せた。

尾石貝茉希:その時だった。強い光がこのギジン屋の店内を照らす。



猫宮織部A:わわわわー!!!眩しいー!!!!


猫宮織部B:な、何が起きたんですか!?雷ですか!?


猫宮織部C:そうなのです?



猫宮たち:え?

猫宮たち:えええええー!?



尾石貝茉希:と、まぁこんな具合にですね。

尾石貝茉希:なぜか猫宮織部が3人に増えてしまったわけですよ。


寺門眞門:ほぼお前のせいだ。


尾石貝茉希:眞門さんにも責任はあるでしょう!?


寺門眞門:どこがだ!!お前が元凶だろこの場合は!!!


猫宮織部A:ま、まぁまぁ、二人とも落ち着いてください。


猫宮織部B:喧嘩してても問題の解決にはならないですしおすし……。


猫宮織部C:そうなのです!!!!!


尾石貝茉希:で、取り出したるは三瞑鏡の箱の中から見つかった取扱説明書ぉ~!!!


寺門眞門:呪物に取り扱い説明書があるなんて聞いた事ないぞ。


尾石貝茉希:でもあるんだから、あるわけですよねえ。


猫宮織部A:えっと、何々。

猫宮織部A:この呪物「三瞑鏡」とは、真実を見つけ出す為の代物である。


猫宮織部B:そのものを三面に写し、真実を選ぶべし、ふむふむ。


猫宮織部C:そうなんですー……?


尾石貝茉希:で、猫ちゃんが三人に増えたわけで。

尾石貝茉希:どうやらここから本物の猫ちゃんを選べばこの状況は解決するっぽいことが書いてあるわけなんだけど。


寺門眞門:肝心の猫宮織部という人の事を、私が忘れている。


尾石貝茉希:なーーーんで忘れちゃうかねえーーー!!!!


寺門眞門:私に言うな!!!この呪物に言え!!!


尾石貝茉希:まぁ要約すると? いわゆるあれよ、真実の愛を確かめる為の道具ってことよねこれは。

尾石貝茉希:誰が本物なのかを当てられてば、それは絆があるってこと。

尾石貝茉希:でも、記憶とかに頼ってしまうと意味がないから当てなきゃいけない人はその対象の人の記憶をなくす、って寸法ね。

尾石貝茉希:……いや、なにそれ、どういうこと!?記憶がなかったら真実もなにも、ただの当てずっぽうでしかないじゃん!!破綻してるでしょこれ!?


寺門眞門:……だから箱にしまわれてたんじゃあないのか?茉希。


尾石貝茉希:……えー?


寺門眞門:呪物が人の都合のいいように産まれるとは限らないだろう。

寺門眞門:確かにそういった、真実の愛やら絆やらを確かめる為に作られたというのもあるかもしれない。

寺門眞門:だがそううまくいくとは限らない。失敗作なんじゃあないのか、これは。


尾石貝茉希:げー……なんかやばそう……。


猫宮織部A:わ、私どうなっちゃうんでしょう?


猫宮織部B:この場合は私たちって言うべき?でしょうか?


猫宮織部C:そうなのです?


尾石貝茉希:とりあえず一旦あなたを猫宮織部A、あなたを猫宮織部B、そして「そうなのです」しか言わないあなたを猫宮織部Cとしましょう。


猫宮織部A:了解理解、最適解です!


猫宮織部B:ぶ!らじゃー!なのです!


猫宮織部C:そうなのです!


尾石貝茉希:で、眞門さんは。何か少しでも思い出した?


寺門眞門:うーん……ううーん……。

寺門眞門:なんとなくぼんやりとは、こうだったかな、ああだったかな、みたいなのはあるが……。


尾石貝茉希:つかえねー。


寺門眞門:おい!!茉希!!!

寺門眞門:……いや、まてよ、茉希、そもそもお前は覚えてるんだろう?

寺門眞門:なら、私にどれが本物の猫宮織部なのか?を教えてくれればいいだろう。


尾石貝茉希:私も覚えてません!!!!


寺門眞門:は?


尾石貝茉希:残念ながら!!!かろうじて猫ちゃんという存在が友人であることは記憶にございますが!!!見た目だったり色々な事が抜け落ちておりますです旦那様!!!


寺門眞門:貴様も使えんではないか!!!


猫宮織部A:……これわりとピンチなのでは……?


猫宮織部B:私もそう思います……。


猫宮織部C:そうなのです……。


尾石貝茉希:……髪型は、なんかさ、猫耳っぽい感じのおだんごがあったと思う。


寺門眞門:お、奇遇だな茉希、それは私も思っていた。


猫宮織部A:でも私たち……


猫宮織部B:全員おなじ猫耳おだんごですね……


猫宮織部C:そうなんですー……。


寺門眞門:……いつも、着物とエプロンを着てなかったか……?


猫宮織部A:そうです!旦那様!その通り!私着物とエプロンつけてます!!

猫宮織部B:いや、私もつけてますよ!ほら、旦那様!

猫宮織部C:そうなのです!


尾石貝茉希:全員おなじや……あかんやつや……。


寺門眞門:ぐ……ね、猫宮さんたち。君達もこう、何かないかね。


猫宮織部A:はい!


尾石貝茉希:はい、猫宮織部A!


猫宮織部A:私、家事全般得意です!特に料理とお掃除は大得意です!


寺門眞門:あー、そういえばそうだったかもしれない。


尾石貝茉希:ほら!絶対さ、あれだよ、眞門さん甘党だから!なんか甘いの入れてくれてたんじゃない!?


寺門眞門:そうだなぁー……んー……


猫宮織部B:ホットミルクです、旦那様といえば、ホットミルク!


猫宮織部C:そうなんです!!!!


尾石貝茉希:だああー、全員それっぽい。

尾石貝茉希:……でも、猫宮織部Cだけは無い、かな。


猫宮織部C:そうなんです!?


尾石貝茉希:それしか言わないしねえ。


寺門眞門:だめだ、情報が足りなさすぎる。


猫宮織部A:えーん、旦那様ぁ!思い出してくださいいー!!!


猫宮織部B:そうですよぉ!!!ぴえんぴえんの、ぴえんぺらーです!


猫宮織部C:そうなんです!!!!!


尾石貝茉希:……ここはさ、ちょっと、文明の力を借りてみる?


寺門眞門:文明の力?


尾石貝茉希:そう。「インターネット」ってやつよ。


寺門眞門:どうするつもりなんだ?


尾石貝茉希:インターネット、まぁいわゆるSNSって奴を使ってさ。

尾石貝茉希:猫宮織部がどんな見た目で、どんな子だったか?っていうのを募集するのよ。

尾石貝茉希:鹿骨町のみんななら、案外猫宮織部を知ってるかもしれないし。

尾石貝茉希:絵でも、写真でも、とにかく募集してさ。

尾石貝茉希:それを見たら私たちも思い出せるかもしれない。


寺門眞門:……可能性にかけても良いかもしれないな。


尾石貝茉希:でっしょ?この名探偵まきちゃんに任せてよ!!!

尾石貝茉希:……と言うわけで、これを見ている「インターネット」の鹿骨町民の諸君。

尾石貝茉希:私と眞門さんが猫宮織部の記憶を取り戻せるように協力して欲しいの。

尾石貝茉希:猫宮織部との記憶を蘇らせる為に、今まで眞門さんと猫宮織部が繰り広げてきた物語を再演してみて欲しいの。

尾石貝茉希:あとは、もしあなたが猫宮織部を見たことがあるなら

尾石貝茉希:猫宮織部がどんな姿だったかをイラストでも写真でもいいから、インターネットにアップロードして欲しい。それを見て、この名探偵とポンコツ店主でなんとか記憶を呼び覚ます!


寺門眞門:ポンコツとはなんだ!


尾石貝茉希:そして最後に。

尾石貝茉希:再演、姿をアップロード、どちらも苦手な人も

尾石貝茉希:投票には参加してほしい。

尾石貝茉希:アップロードされた猫宮織部の姿で、一番猫宮織部に近いと思うものに「いいね」をつけて欲しいの。

尾石貝茉希:今回の、この作戦は名付けて「猫宮織部画廊奇談(ねこみやおりべがろうきだん)」

尾石貝茉希:ハッシュタグにも成ってるから探して見て欲しい!


猫宮織部A:何卒ご協力お願いしますぅー!!!


猫宮織部B:ちゃんと元に戻れるのかな……。


猫宮織部C:そうなんです……。


尾石貝茉希:では!ここいらで!失敬!!!!!


後半へ続く