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梨の日

少年王者舘『それいゆ』

2024.07.28 12:19



アフタートークには、長塚圭史さんがゲストでした。


「長いまばたきをしていたような。」


まさに、と、1番しっくり、

観終えた直後にボウっとした頭に、胸に、きた。


長い夢ではなく。

夢でも幻想でもない、と、何度も何度も何度も引き戻された。

何度も何度も何度も、また引きずり込まれた。

いや、自ら引きずり込まれに行ってはいたけれど。



グルグルと回り回る日本語の羅列が、あんなにも気持ちがいいなんて。


ほんの数行、ちゃぶ台を挟んで会話を重ねれば、

たちまち1年が経つ空間。

めちゃくちゃ好きな瞬間だった。


言葉にしたい言葉たちが溢れすぎていて覚えきれない。

言葉遊びが過ぎますよ。たまりません。



目の前の人たち、

人間たちの目が揃った時、

信じられない光景になった。


激しくてエネルギーが劇場を吹っ飛ばす勢いがあって。

でもそれには、想像を絶するような緻密なやり取りがあって成り立っていると…

一瞬の隙の無さが、あまりに魅力的だった。


背もたれも無いもんですから、

膝には前の人の背中が当たり、左右は数センチも空いて無くて、油断すれば背中に後ろの人の膝。

ミチミチの空間は、スズナリになんて似合うのでしょうね。


新部聖子さん、

『田園に死す』に引き続き目を奪われっぱなしだったなぁ。

黒髪のおかっぱを誰よりも振り乱して。

独特のカラリとした声がいつまでも遠くに届いて。



天野天街さんが放出するエネルギーはどこからやってくるものなんだ。

どうして継続してこられたんだ。

年齢なんて関係ない、

というのは綺麗事、

かと思ったけど、そうじゃ無かった。

マジだった。


同じ世界線に生きてて良かった。

多分、自分が演者ならあの世界に生きたかった、と思うべきなのかもしれないけど。

目の当たりにして良かった、

観劇できて良かった、

と1番に思った。





唐十郎さんの訃報に続いてのショックな出来事でした。

でも、今は今で素敵な世界をつくり続けている人がいる。

私もまだまだ、足を突っ込んでいきたいし。

半身、全身、浸かりたい。


それには元気がなくては。


「元気があればなんでもできる」


って、なかなか凄い言葉じゃないか。

今更めちゃくそに痛感しているぜ。


元気がなければ金髪にすることも出来なかっただろうに。



大厄の年、月に一度のペースで私の周りから色んな人が旅立っていった。

冗談抜きで。

辛かった、なんてもんじゃなかった。

落ち込むし、次も誰かがいなくなっちゃうのかと怯えてたし、引っ張られそうにもなった。


でも、連絡を取っていた人たち、

近くにいてくれた人たち、

ゲーム、映画、音楽、演劇、

色んな物語が誤魔化してくれた。



なんか色々と思い出した。


とりあえず、私は元気でいよう。



ぐるぐるぐるぐる、

終わらないかもしれない時間って、超絶贅沢だった。




観に行けたご縁に、心から感謝いたします。