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「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 登場人物二人宣孝と詮子の氏がもたらした作品

2024.07.30 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 登場人物二人宣孝と詮子の氏がもたらした作品


 毎週水曜日は大河ドラマ「光る君へ」について、一応歴史小説作家として、様々なことを書かせてもらっている。まあ、簡単に言えば好き勝手に好きなことを書いているというだけのことであって、何かわかっているわけではない。しかし、今回ン「光る君へ」は非常にうまく伏線などがつながっているし、また、現代の考えるところでは思わない別な「物語の重要人物」などが見えてきている。その意味では、非常に凝った作品であるという気がしている。

さて、今回は重要人物が二人死んでしまった。もちろん史実の通りなので特におかしな話ではない。一人はまひろ(吉高由里子さん)の夫である藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)である。まひろの子が、自分の子供ではないかもしれないということをすべて承知のうえで、賢子を育て、また明るくふるまっている男性像は、現在のちょっと浮気をしただけで大騒ぎになってしまうような男性像とは全く異なるモノがあったのではないか。

今回のセリフで「私はまひろに惚れ込んでいるからな」というセリフは、もちろん本当の宣孝が行ったかどうかはわからないが、しかし、その言葉がまひろの心を救いなおかつ賢子を生かす最高の言葉ではないか。自分の妻の子供は、誰の種であっても自分の子であるという潔さは、本当に素晴らしいの一言に尽きる。現在の男性や女性は、この言葉をどのように聞いていたのであろうか。本来はこの夫婦関係をしっかり物語にすれば、実は、現在の過程勘k尿がよくなり離婚率が減るのかもしれない。

もう一人の重要人物の死は女院藤原詮子(吉田羊さん)である。一条天皇(塩野瑛久さん)の生母で、藤原道長(柄本佑さん)の姉に当たる。この女性の援助があったので藤原伊周ではなく、藤原道長、藤原頼道の盤石な摂関政治ができたといえるが、同時に権勢を誇った父藤原兼家のことを最後まで嫌っていたという家族関係は、なかなか大変な状況ではなかったか。

この二人の死が、物語を大きく変えてゆくことになる。

【光る君へ】えっ?「ナレ死!?」突然の退場にネット混乱「こんな形で」「この別れ方はキツすぎる」

 女優・吉高由里子が主演で平安時代を生きた紫式部を演じるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・午後8時)の第29話が28日に放送された。(以下、ネタバレがあります。ご注意ください)

 まひろ(吉高由里子)の娘、賢子は数えの3歳に。子煩悩な宣孝(佐々木蔵之介)に賢子もなつき、家族で幸せなひとときを過ごしていた。夜、賢子が起きて宣孝とまひろの元にやってくる。満月を3人で見ているシーンでナレーションが入り、「翌朝、国守を務める山城国府に出かけた宣孝は、それきり、戻ってこなかった」と視聴者に伝えられた。

 その後、北の方の使者がやってくる。使者は「山城守、藤原宣孝は、にわかな病にて4月25日に身まかりました。弔いの儀も済ませましたので、お知らせいたします」とまひろに宣孝の死去を伝える。まひろが「にわかな病とは…」とたずねると、使者は「北の方様は、豪放で快活であった殿様のお姿だけを、お心にお残しいただきたいと仰せでございました。私どもも、ご最期のご様子は存じませぬ」と明かした。

 ネットは「!?!?!?」「ナレ死なの?えっ?ナレ死!?」「宣孝さま…いきなり…」「早すぎない…」「突然すぎる」「えっコレで宣孝様退場なの!?」「えぇぇ?ちょ、ええええ!?病死!?!?」「え?」「今!?今いなくなるの!?突然!! 宣孝様ああああああ」と大混乱。「こんな形で」「これが最後になろうとは…にしても急すぎるよ…」「いやいや、ちょっと待てぇ~まだこっちは心の整理がついておらん!!」「惚れきってるからどこにもいかぬ。。って言ってやん」「この別れ方はキツすぎる」と動揺が止まらなかった。

2024年7月28日 20時45分スポーツ報知 # 芸能# 話題

https://hochi.news/articles/20240728-OHT1T51324.html?page=1

 この二人の死は、この時代の勢力図を大きく変える。一つは、まひろが独身(死別ではある)になるということである。このことは、道長によって大きな影響を及ぼすことになる。まず何よりも道長が「心の中に思う女性がいる」と打ち明けたことがあるのは藤原詮子だけである。そのうえ、そのまひろの子供は自分が石山寺に行った時の子供であるということがあれば、まひろが何か困っていることがあれば、何か力にならなければならないと思うであろう。そもそも自分の恋焦がれた相手との娘を困らせるわけにはいかない。もちろん、二人の妻にそのことを知られないようにしなければならないが、しかし、何らかの形で支援をするということになる。道長は、早速まひろの父藤原為時(岸谷五朗さん)に支援の手を差し伸べるが、父兼家との関係で断られてしまう。

一方その藤原詮子の死は、性的である藤原伊周(三浦翔平さん)にチャンスを与えることになる。特に、「一条天皇が恋焦がれていて身罷った皇后定子(高畑充希さん)の思い出」が書かれた清少納言(ファーストサマーウィカさん)の書いた「枕草子」は、様々な意味で道長を妨害することになる。特に今回の内容で見えたように清少納言は、道長を強く恨んでいるというようなことになるのであるから、その内容で大きな問題が出てくることになるのであろう。

このことが、(ここからは私の推測になるが)皇后彰子(見上愛さん)の周辺にも文学者をつけなければならないというような動機付けになり、まひろが女房となるというようなことになるのであろう。ある意味で一条天皇の二人の皇后である定子と彰子の代理戦争を清少納言と紫式部が行うというような形になるのではないか。そして、そのことで藤原道長が盤石な権力基盤を作ることになるということになるのであろう。

私の推測(私が物語を書くとすればこのようになるというものであるが)ではあるが、そのような物語の流れになり、それが道長と伊周の戦いになるというような構図になるのであろう。一方、その紫式部の清少納言に対抗する武器が、一つは「源氏物語」であり、もう一つは道長の娘であるのちに大弐三位と呼ばれる藤原賢子である。清少納言に子供がいなかったことが、ここでもう一つ大きな問題になるのではないか。

戦争というものは全くない。しかし、その権力争いが、代理戦争のような形になったり、呪術になったりということで、様々な意味で楽しませてくれるような状況に、視聴者は非常に面白く感じるのではないか。歴史を知っていても、物語の先は見えてこない。歴史だけではない物語の奥深さがあることが「ドラマ」の面白さなのである。