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KANGE's log

ももいろクローバーZ「Sweet Wanderer」

2018.12.28 12:41

ももクリの感想まとめを優先させたので、遅ればせながら、新曲「Sweet Wanderer」と、そのMVについて、少し書き留めておきます。

来年発売のアルバムからの5ヶ月連続新曲配信の第5弾、いよいよラストです。 

今年はももクリにあわせた冬曲がなかったので、その代わりということでもあるのかな? でも、会場でMVが流されたわけでもないし、あまり季節は関係なさそうな歌詞なので違うかも。  

ずっとCMキャラクターをつとめているSUZUKIハスラーの特別仕様車「ワンダラー」のCMとのタイアップでもあります。CMタイアップ曲って、久しぶりですよね。もしかして「ももいろ太鼓どどんが節」以来? ハロウィン宝くじはCMではないしね。 

作詞は、「空のカーテン」の高橋久美子さんです。「空のカーテン」は、ももクロ曲のなかでも個人的にトップクラスに好きな曲です。「空のカーテン」では、あかりちゃんとの関係性を思わせるような歌詞でした。「ということは、今回は…?」とも思いましたが、どうも、そういうことでもなさそうです。 

サビから入って、Aメロ歌い出しが「助手席で笑う君の声BGMに聴きながら」です。「おや、これは恋愛関係の男女の話か?」と思わせておいて、これは、意図したトラップでしょう。その後に「ビターチョコみたいな恋の第2章を聴かせて」ですから、女の子同士のお話のようです。今どき、男性が運転、女性は助手席なんて、固定的な関係性はナシですよね。 

学生時代を過ぎて、いろいろと背負うもの、縛られるものが増えてきた女の子が、ちょっとひと息つきたいよねーってことですね。いつも、何かに追われたり、何かに向かわなければいけない日々から、ちょっと離れて、ぶらぶらする=wanderってことですね。 

ラップ詞と作編曲は、ももクロにはたくさん曲を提供されているinvisible mannersさんによるもの。分かりやすい脚韻を踏むタイプのラップではなく、頭韻、中間韻が散りばめられている、とても難しそうなラップです。あまり詳しいことは分かりませんが、これが今っぽいラップの感じなんでしょうね。

ももクリでも、生で聴きました。音源だと、とてもゆったりとほんわかとした曲ですが、ライブではバックトラックがズンズンと来て、カッコよさがマシマシになります。これから歌い込んで、どう表現の工夫が加わっていくのか、楽しみです。

そして、今回のMVはドラマ仕立てになっています。  

監督は山戸結希さん。山戸監督と言えば、東京女子流の主演映画「5つ数えれば君の夢」の監督さんです。演技経験のない彼女たちに、とても詩的なセリフをしゃべらせることで、なんだか文学のような作品世界のある少女漫画、萩尾望都的な作品に仕上がった、アイドル青春映画の名作です。  

冒頭、車内のシーン。 フロントガラスに反射する並木が、メンバーの顔を遮って邪魔になるので、普通はあんな撮り方はしないでしょう。でも、ずーっとその状態が続くということは、あえてやっているのだと思われます。「光きらめく明日へ 僕らは道を進むよ 」感でしょうか。そんなことはないか。 

後半の湖のシーンでも、服装から秋だとは思いますが、どこか暖かな光で溢れています。 このあたりの光の使い方は、ちょっと「溺れるナイフ」を思い出しました。 

そして、心に突き刺さるのは、ドラマパートでの、れにちゃんのセリフ「変わってないけど、変われてるよ」ですよ。 

今年、年明けからのまさかの怒涛の展開。そんな非常時には、みんなに愛されてきた、ももクロの変わらない姿が求められてきたことでしょう。でも、それを実現するためには、メンバー一人ひとりが今までのままでは不可能。それぞれギリギリのところで、踏ん張ってきたのだと思います。このMVの間は、そこまで頑張らなくていい、ほっこりとした時間が過ごせてたらいいなって思いました。 

その後に続く、夏菜子の「だね」は、「幕が上がる」の吉岡先生です。すべてを共有できているからこそ、このひと言ですべてを言い切ることができるのです。 もし、演出する側が意識していないのだとしたら、吉岡先生が夏菜子に降りてきているのでしょう。どちらにしても、とても幸福なひと言でした。