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発達障害ラボ【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査で子どもの課題やトラブルを明らかにし、その課題を解決しよう!】

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である量的推理指標(QRI)とは…

2024.08.11 09:00

【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である量的推理指標(QRI)とは…】


WISC-Ⅴ(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)は、子どもの知能を多角的に評価するための標準化された検査です。



量的推理指標(Quantitative Reasoning Index, QRI)は、子どもの数的推理力や数学的問題解決能力を評価する補助指標です。



この指標は、子どもが数的情報を理解し、操作し、論理的に結論を導き出す能力を測定します。



量的推理指標(QRI)は、数的概念の理解、パターン認識、論理的推論の能力を反映します。




《量的推理指標(QRI)の構成要素》


量的推理指標(QRI)は主に以下の下位検査で構成されています。



1. 算数(Arithmetic):


内容:口頭で提示される算数の問題に解答します。


評価項目:数的理解力、計算能力、数的情報の操作能力を評価します。


具体例:教師が「5つのリンゴがあり、そのうち3つを食べました。残りはいくつですか?」と質問し、子どもが答えます。



2. バランス(Figure Weights):


 内容:天秤の図を見て、左右が釣り合うように図形の重さを考えます。


評価項目:視覚的な定量比較、論理的推理力、問題解決能力を評価します。


 具体例:図形の重さを示す問題を見て、どの組み合わせが天秤を釣り合わせるかを考えます。




《量的推理指標(QRI)の読み取り方》


量的推理指標(QRI)の結果は、子どもの数的推理力と数学的問題解決能力の強みと弱みを理解するための重要な手がかりを提供します。



以下に、量的推理指標(QRI)の結果を読み取る際のポイントを説明します。




1. 総合得点の確認


量的推理指標(QRI)の総合得点は、子どもの数的推理能力の全体的な評価を示します。


この得点は、標準得点として提供され、平均を100とし、標準偏差を15とします。


例えば、量的推理指標(QRI)の得点が115であれば、子どもの数的推理能力は平均よりも高いことを示しています。



2. 下位検査の得点分析


量的推理指標(QRI)を構成する各下位検査(算数、類推)の得点を個別に分析することが重要です。


これにより、特定の分野での強みや弱みを特定できます。



算数の得点:子どもの数的理解力と計算能力を示します。


高得点の場合、子どもは数的概念を迅速かつ正確に理解し、計算問題を解く能力に優れていることを示します。



バランスの得点:視覚的な定量比較と論理的推理力を評価します。


高得点の場合、子どもはルールやパターンを見て、論理的に推論し、解決策を見つける能力が高いことを示します。



3. 得点のバランス確認


量的推理指標(QRI)の各サブテスト間の得点バランスを確認することも重要です。


例えば、算数の得点が非常に高く、類推の得点が低い場合、子どもは数的理解力には優れているが、視覚的推理力に課題がある可能性があります。


この情報は、教育プランを策定する際に非常に有益です。



4. 発達的な考慮


子どもの年齢や学年に応じた発達的な考慮も重要です。


量的推理指標(QRI)の得点を同年齢の子どもと比較することで、発達の進行状況を評価できます。


例えば、10歳の子どもの量的推理指標(QRI)が平均を大きく上回っている場合、その子どもは数学的な才能がある可能性が高いです。



5. 他の指標との比較


量的推理指標(QRI)を他の主要指標(例:言語理解指標(VCI)、視空間指標(VSI)など)と比較することで、子どもの全体的な知能プロフィールを把握できます。


例えば、量的推理指標(QRI)が非常に高く、言語理解指標(VCI)が低い場合、子どもは数的推理には優れているが、言語的な理解や表現に課題がある可能性があります。




《WISC-Ⅴ検査の量的推理指標(QRI)の実践的な応用》


量的推理指標(QRI)の結果を基に、子どもに適切な教育プランや支援を提供することが重要です。


以下に具体的な応用例を紹介します。



1. 教育プランの策定


量的推理指標(QRI)の得点が高い子どもには、より高度な数学の課題やプログラムを提供することで、能力を伸ばすことができます。


例えば、数学のコンテストやアドバンストプログラムへの参加を推奨します。



2. 個別指導の実施


量的推理指標(QRI)の得点が低い子どもには、個別指導を行うことで数的推理力を強化することが重要です。


具体的には、基礎的な計算練習や視覚的なパズルを使った訓練を行います。



3. 家庭でのサポート


家庭でも、量的推理指標(QRI)の結果を参考にして数的推理力を伸ばす活動を取り入れることができます。


例えば、家庭での簡単な数学ゲームや日常生活の中での数的問題解決を通じて、楽しく学ぶ環境を整えることができます。




《WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の量的推理指標(QRI)についてのまとめ》


WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である量的推理指標(QRI)は、子どもの数的推理力と数学的問題解決能力を評価するための重要な指標です。


量的推理指標(QRI)の結果を正確に読み取り、教育プランの策定、個別指導の実施、家庭でのサポートを通じて、子どもの学業成績や日常生活における数的能力を効果的に伸ばすことができます。


新人の心理職は、量的推理指標(QRI)の構成要素とその評価方法を理解し、子どもの知的発達を総合的に支援するためのスキルを身につけることが求められます。



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