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発達障害ラボ【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査で子どもの課題やトラブルを明らかにし、その課題を解決しよう!】

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)とは…

2024.08.12 09:00

【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)とは…】


聴覚ワーキングメモリ指標(Auditory Working Memory Index, AWMI)は、WISC-Ⅴ(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の補助指標の一つであり、子どもの聴覚的な情報を保持し、操作・処理する能力を評価します。



この指標は、言語情報を理解し、記憶し、操作するための基礎的な認知機能を測定します。



《聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の構成要素》


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)は以下の下位検査で構成されています。



1. 数唱(Digit Span):

内容:子どもに一連の数字を提示し、その順序で繰り返させる(順唱)および逆の順序で繰り返させる(逆唱)。


 評価項目:短期記憶、聴覚的な情報の保持と操作能力を評価します。



2. 語音整列

(Letter-Number Sequencing):


内容:子どもに一連の数字と文字を提示し、それを数字と文字に分けて順序を並び替えさせる。


評価項目:聴覚的な情報の操作能力、注意力、短期記憶を評価します。




《聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の読み取り方》


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の結果を正確に読み取ることで、子どもの聴覚ワーキングメモリの強みと課題を明らかにし、適切な教育的支援を提供するための重要な手がかりを得ることができます。


以下に、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の結果を読み取る際のポイントを説明します。



1. 総合得点の確認


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の指標得点は、子どもの聴覚ワーキングメモリの全体的な評価を示します。


この得点は、標準得点として提供され、平均を100とし、標準偏差を15とします。


例えば、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の得点が115であれば、子どもの聴覚ワーキングメモリ能力は平均よりも高いことを示しています。



2. 下位検査の得点分析


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)を構成する各下位検査(数唱、語音整列)の得点を個別に分析することが重要です。


これにより、特定の分野での強みや弱みを特定できます。



数唱の得点:子どもの短期記憶と聴覚的な情報の保持能力を示します。


高得点の場合、子どもは聴覚的な情報を迅速かつ正確に保持する能力に優れていることを示します。



語音整列の得点:子どもの聴覚的な情報の操作能力と注意力を評価します。


高得点の場合、子どもは聴覚的な情報を効果的に操作し、整理する能力に優れていることを示します。



3. 得点のバランス確認


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の各下位検査間の得点バランスを確認することも重要です。


例えば、数唱の得点が非常に高く、語音整列の得点が低い場合、子どもは聴覚的な情報を保持する能力には優れているが、それを操作し、整理する能力に課題がある可能性があります。


この情報は、教育プランを策定する際に非常に有益です。



4. 発達的な考慮


子どもの年齢や学年に応じた発達的な考慮も重要です。


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の得点を同年齢の子どもと比較することで、発達の進行状況を評価できます。


例えば、10歳の子どもの聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)が平均を大きく上回っている場合、その子どもは聴覚的なワーキングメモリ能力に優れている可能性が高いです。



5. 他の指標との比較


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)を他の主要指標(例:言語理解指標(VCI)、視空間指標(VSI)など)と比較することで、子どもの全体的な知能プロフィールを把握できます。


例えば、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)が非常に高く、言語理解指標(VCI)が低い場合、子どもは聴覚的な情報を操作する能力には優れているが、言語的な理解や表現に課題がある可能性があります。




《聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の実践的な応用》


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の結果を基に、子どもに適切な教育プランや支援を提供することが重要です。


以下に具体的な応用例を紹介します。



1. 教育プランの策定


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の得点が高い子どもには、より高度な聴覚的ワーキングメモリを必要とする課題やプログラムを提供することで、能力を伸ばすことができます。


例えば、音楽の学習や多言語学習を推奨します。



2. 個別指導の実施


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の得点が低い子どもには、個別指導を行うことで聴覚的ワーキングメモリを強化することが重要です。


具体的には、記憶ゲームや聴覚的な情報の操作練習を行います。




3. 家庭でのサポート


家庭でも、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の結果を参考にして聴覚的ワーキングメモリを伸ばす活動を取り入れることができます。


例えば、リズムゲームや簡単な暗記ゲームを通じて、楽しく学ぶ環境を整えることができます。




《WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)についてのまとめ》


WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)は、子どもの聴覚的な情報を保持し、操作・処理する能力を評価するための重要な指標です。


聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の結果を正確に読み取り、教育プランの策定、個別指導の実施、家庭でのサポートを通じて、子どもの学業成績や日常生活における認知能力を効果的に伸ばすことができます。


新人の心理職は、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)の構成要素とその評価方法を理解し、子どもの知的発達を総合的に支援するためのスキルを身につけることが求められます。



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