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発達障害ラボ【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査で子どもの課題やトラブルを明らかにし、その課題を解決しよう!】

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である非言語性能力指標(NVI)とは…

2024.08.13 09:00

【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の非言語性能力指標(NVI)とは…】


非言語性能力指標(Nonverbal Index, NVI)は、WISC-Ⅴ(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の補助指標の一つであり、言語を介さずに問題を解決する能力や推理力を評価する指標です。



非言語性能力指標(NVI)は、特に言語表現が苦手な子どもや、異文化圏から来た子どもに対して、より正確な知能評価を提供するために使用されます。



非言語性能力指標(NVI)は視覚的・空間的な認知能力や非言語的な推論能力を測定します。




《非言語性能力指標(NVI)の構成要素》


非言語性能力指標(NVI)は、以下のサブテストで構成されています:



1. 積み木模様(Block Design):


内容:色のついた積み木を使って、提示された模様を再現します。


評価項目:視覚的および空間的な認識能力、手先の器用さ、パターン認識力を測定します。



2. 行列推理(Matrix Reasoning):


内容:不完全な図形の配列を見て、規則性を見つけて完成させます。


評価項目:抽象的な推理力、パターン認識力、視覚的な分析能力を評価します。



3. 符号(Coding):


内容:指示された記号を指定された場所に転記します。


評価項目:視覚的な探索力、記憶力および目と手の協応動作を評価します。



4. バランス(Figure Weight):

 

内容:2つのものの置き換えを考えます。


評価項目:視覚的詳細に対する注意力、視覚的認識能力を測定します。




《非言語性能力指標(NVI)の読み取り方》


非言語性能力指標(NVI)の結果を正確に読み取ることで、子どもの非言語的な認知能力の強みと課題を明らかにし、適切な教育的支援を提供するための重要な手がかりを得ることができます。



以下に、非言語性能力指標(NVI)の結果を読み取る際のポイントを説明します。




1. 総合得点の確認


非言語性能力指標(NVI)の総合得点は、子どもの非言語的な認知能力の全体的な評価を示します。


この得点は、標準得点として提供され、平均を100とし、標準偏差を15とします。


例えば、非言語性能力指標(NVI)の合成得点が115であれば、子どもの非言語的な認知能力は平均よりも高いことを示しています。



2. 下位検査の得点分析


非言語性能力指標(NVI)を構成する下位検査(積み木模様、行列推理、符号、バランス、パズル、絵のスパン)の得点を個別に分析することが重要です。


これにより、特定の分野での強みや弱みを特定できます。



積み木模様の得点

視覚的および空間的な認識能力、手先の器用さ、パターン認識力を示します。


高得点の場合、子どもは視覚的な構造を迅速かつ正確に理解し、再現する能力に優れていることを示します。




行列推理の得点:

抽象的な推理力、パターン認識力、視覚的な分析能力を示します。


高得点の場合、子どもは視覚的なパターンや関係性を見つけて論理的に推論する能力に優れています。



バランスの得点:

視覚的な推理力、概念形成能力を示します。


高得点の場合、子どもは視覚的な共通点を見つける能力に優れています。



符号の得点:

視覚的詳細に対する注意力、視覚的認識能力を示します。


高得点の場合、子どもは視覚的な探索や記憶を迅速におこなう能力に優れています。



3. 得点のバランス確認


非言語性能力指標(NVI)の下位検査間の得点バランスを確認することも重要です。


例えば、積み木模様の得点が非常に高く、行列推理の得点が低い場合、子どもは視覚的な再現能力には優れているが、抽象的な推論能力に課題がある可能性があります。


この情報は、教育プランを策定する際に非常に有益です。




4. 発達的な考慮


子どもの年齢や学年に応じた発達的な考慮も重要です。


非言語性能力指標(NVI)の得点を同年齢の子どもと比較することで、発達の進行状況を評価できます。


例えば、10歳の子どもの非言語性能力指標(NVI)が平均を大きく上回っている場合、その子どもは非言語的な認知能力に優れている可能性が高いです。




5. 他の指標との比較


非言語性能力指標(NVI)を他の主要指標(例:言語理解指標(VCI)、ワーキングメモリ指標(WMI)など)と比較することで、子どもの全体的な知能プロフィールを把握できます。



例えば、非言語性能力指標(NVI)が非常に高く、VCIが低い場合、子どもは非言語的な認知能力には優れているが、言語的な理解や表現に課題がある可能性があります。




《非言語性能力指標(NVI)指標の実践的な応用》


非言語性能力指標(NVI)の結果を基に、子どもに適切な教育プランや支援を提供することが重要です。


以下に具体的な応用例を紹介します。




 1. 教育プランの策定


非言語性能力指標(NVI)の得点が高い子どもには、より高度な視覚的・空間的な課題やプログラムを提供することで、能力を伸ばすことができます。


例えば、科学実験や工学プロジェクトを推奨します。




2. 個別指導の実施


非言語性能力指標(NVI)の得点が低い子どもには、個別指導を行うことで非言語的な認知能力を強化することが重要です。


具体的には、視覚的なパズルやデザイン活動を通じて能力を高めます。



3. 家庭でのサポート


家庭でも、非言語性能力指標(NVI)の結果を参考にして非言語的な認知能力を伸ばす活動を取り入れることができます。


例えば、ジグソーパズルやルービックキューブを通じて、楽しく学ぶ環境を整えることができます。




《WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である非言語性能力指標(NVI)のまとめ》


WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である非言語性能力指標(NVI)は、子どもの非言語的な認知能力を評価するための重要な指標です。


非言語性能力指標(NVI)の結果を正確に読み取り、教育プランの策定、個別指導の実施、家庭でのサポートを通じて、子どもの学業成績や日常生活における認知能力を効果的に伸ばすことができます。


新人の心理職は、非言語性能力指標(NVI)の構成要素とその評価方法を理解し、子どもの知的発達を総合的に支援するためのスキルを身につけることが求められます。



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