ムネアカアシナガアリ
フタフシアリ亜科
アシナガアリ属
日本には南西諸島を中心に18種が知られていましたが、2023年岐阜市で日本初記録の外来アリ(ムネアカアシナガアリ:新称)が発見されました。岐阜県内アシナガアリ属のアリは3種目になります。
ムネアカアシナガアリ( Aphaenogaster lepida ):台湾および中国が原産地。
2023年6月、当時小学4年生の佐々木悠斗さんが岐阜市自宅近くの公園で女王とワーカーを採取し飼育。その後、このアリは名和昆虫博物館 名和哲夫氏を経て、寺山守氏により Aphaenogaster lepida であると正式に同定されました。体長4.5~5mm。
なお、このアリの情報は日本アリ類研究会会誌「蟻 ARI 」 45号に詳しく掲載されています。
① ヨツモンカメノコハムシを攻撃するムネアカアシナガアリ。岐阜市、2023.VII
② 生息地の公園。矢印の部分に巣口が開いていた。岐阜市、2023.VII
③ 生息地の公園内の50m×100mの範囲に13以上の巣が観察された。多くの巣は植栽の根元付近に見られたが、稀に遊歩道脇にもあった。岐阜市、2023.VII
④ 巣口付近を歩行する働きアリ。小型からやや大型の個体までいる。岐阜市、2023.VII
⑤ 尻曲げ行動をする働きアリ。岐阜市、2023.VII
⑥ 正面より見た働きアリ。岐阜市、2023.VII
⑦ 働きアリを斜め前より。岐阜市、2023.VII
⑧ 蛹を運ぶ働きアリ。 岐阜市、2023.VIII
⑨-1 巣内の脱翅女王アリ。岐阜市、2024.IV
⑨-2 防虫スプレーによる簡易検査の結果、ある巣では13頭の脱翅女王アリが出てきた。この公園では多女王化の傾向にあるようだ。岐阜市、2023.IX
⑩ 女王アリの後胸部には鋭い刺状の後胸刺がある。岐阜市、2023.IX
⑪-1 有翅女王アリ。岐阜市、2023.IX
⑪-2 有翅女王アリの顔。岐阜市、2023.IX
⑪-3 有翅女王を別の巣に移入した直後、噛みつく働きアリが若干いた。岐阜市、2023.IX
⑪-4 有翅女王3頭を別の巣に移入後、1日たった巣内の様子。3頭の有翅女王は完全に受け入れられた。岐阜市、2023.IX
⑬ 巣内のオスアリ。岐阜市、2023.IX
⑭ オスアリを側面から。岐阜市、2023.IX
⑮ おそらく終齢幼虫。岐阜市、2023.VIII
⑯ 給餌の様子。エサの上や近くに幼虫を置き、幼虫自らがエサに食い込んでいく。岐阜市、2023.VIII
⑰ ヤマトアシナガアリの給餌もエサの上や近くに幼虫を置くだけ。岐阜市、2021.III
⑱-1 オスアリ(左)と働きアリ(右)の蛹比較。向かい合わせになっているが、後胸部(矢印)に注目すると、オスアリには変な突起がある。 岐阜市、2023.IX
⑱-2 オスアリの蛹(右側が頭部)を背面より。 岐阜市、2023.IX
⑱-3 オスアリの後胸部の突起を拡大。矢印で囲まれた部分が謎の突起。この突起内部には何もないように見える。岐阜市、2023.IX
⑱-4 羽化が近いオスアリの蛹。後胸部の突起部分は透明でなにも無い。岐阜市、2023.IX
⑱-5 羽化したオスアリの成虫。後胸には突起らしいものはなにも無い。蛹の時の突起は何か意味があるんだろうか? 岐阜市、2023.IX