いいところを伸ばす!第10回浜松国際ピアノコンクール2018結果 小川典子審査委員長インタビュー
演奏する曲のプログラミングについて、印象的な言葉がありました。
特に日本では「苦手なものを克服する」という考え方が美徳とされていますが、ピアノに関して言えば、「得意科目だけどんどん伸ばしましょう」と考えたほうが良いですね。苦手な曲は、それを得意とするお友達が弾いてくれますので、あなたが克服する必要はありません。
浜松は選曲がかなり自由ですので、好きな曲、得意な曲、愛する曲で勝負してもらいたい、と思います。
苦手なものを克服するというのが日本では美徳。あ~その通りです、学生時代それでどんなにみなさん苦労していることでしょうか。
ピアノに関して言えば、とおっしゃってはいますが、得意なことだけどんどん伸ばしましょうと。
目からうろこです!
とかく欠点に目が行きやすいので、音楽に関係のない私にもこの言葉はぐっときました。
得意なことはきっと好きなことだと思います。
好きなことが得意になることもあるかもしれません。
欠点に焦点を当てず、いいところを自由に広げていこうよ、窮屈にならずにね・・・そういうメッセージを受け取りました。
学生時代は成績というものがつくので仕方がありませんでしたが、今は大人です。
その頃の記憶が悲しいかな体に染みついてしまってはいますが、もっとのびのびと生きていきたいものです。
質問ー記者会見で「蜜蜂と遠雷」のお話と重ねて、コンクールで築いたつながりが続く経験についてお話しくださいました。
参加した全コンペティターには、このコンクールでの経験をどのように今後に生かしてほしいでしょうか。
小川ー 大きな国際コンクールを経験するような子たちは、将来も必ず何らかの形でピアノに携わっていく人材です。
私が受けたリーズ国際ピアノコンクールから30年も経ちましたが、最近も、当時の出場者たちと仕事場で再会する場面があります。運命を左右する濃密な数週間をともにした人たちと再会すると、言葉にできないほどの感動を覚えます。
その意味で、私は読者の一人として「蜜蜂と遠雷」に深く共感しました。そう、コンクールでは、華やかな舞台と、その裏でさわやかな青春物語が進行しているのです。
私は、すがすがしい表情の入賞者を見て、第10回浜松コンクール出場者のみなさんに、私が味わったような感動を将来経験してほしいという思いが強くなり、記者会見での発言につながりました。
ご来場くださったみなさまも、舞台でのピアニストたちの最先端の技術と音楽性を体験され、しかし舞台を降りるとリュックサックを背負って街を闊歩する彼らの様子をご覧になって、いろいろな思いをお持ちになったと思います。・・・・
本当にびっくりしました。
さっき舞台での素晴らしい演奏を聴いたピアニストが、ラフなチノパンはいてすぐそばで友達らしき人と談笑していたりします。
似てるけど、、、本人??
若者らしい恰好で、さっきと印象が違うけど、、、えっ、と3度見くらいしてしまいます笑
ごく普通の若者なのです。
また、道を歩いていたら、あれっなんか見たことがる顔とすれ違い、軽く会釈する、、、すれ違って、えっもしかして昨日ライブ配信で見たあの人??
普通に友人と歩いているよ、ごくふつうの若い外国の人だよ、ダウン着てジーンズはいて、何している人かも周りの人は多分分からないじゃないかな? 気が付いた私えらい!なんて思ったり。
本当にふしぎなのです、
一見ごく普通で私たちと変わらない感じなのに、、、どれだけの練習を重ねたらあの舞台で輝くあなたになるのでしょうか?
普段が普通だからこそ、その凄さと苦労に思いを馳せてしまいました。
そんなことを考えさせてもくれる浜松国際ピアノコンクール、本当に素敵な時間と空間でした。
表彰式後、写真撮影タイム。舞台上には記者やカメラマンがいっぱい。
それを舞台に上がれない一般客は客席から見て写真を撮るので、このようにカメラマンさんたちが写真に写りこんでしまいます。
左から小川審査委員長と2位牛田智大さん、1位ジャン・チャクムルさん、3位イ・ヒョクさん
ゼンタングルは文字が書ける方なら誰でも描けるパターンアートです。→もっと詳しく読む